はじめに

本ページに掲載している写真は、当店スタッフが実際にシチズンミュージアムへ足を運び、特別に撮影させていただいた貴重な実物モデルです。

なお、当時のモデルには、ケース形状や針、ダイアルの意匠、ストラップなど、生産時期によって仕様の異なる多数のバリエーションが存在いたします。掲載写真はあくまで歴史を彩る数あるバリエーションの一つとしてご覧いただけますと幸いです。

1924

懐中時計

現在の社名を冠する初の懐中時計(10 サイズ 16-3/4型)。工作機械や専門書をスイスより購入し、部品製造を習得した尚工舎時計研究所(1918年設立) が、1924年に完成させた。敢えて独自規格のねじを設計するなど、国産時計メーカーとしての自立を企図したものだった。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:-価格:12円50銭
100年を超えるシチズン時計の歴史、その第一歩。針・インデックスやロゴのデザインは固定されておらず、豊かなバリエーションを持つ個体が現存しています。国産時計としての製造技術確立を目指す一方で、そのミニマルな表情は、手本とした当時のスイス製時計の美学を反映しているようにも見えます。

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1931

F型

シチズン初の男性用手巻腕時計(φ23.3-3.9mm 10-1/2型)。当時最も故障の少なかった腕時計の一つ「キッド・プレミヤ」を見本とし、約1年かけて完成された。1954年3月には「耐衝撃装置=アンチショック」を実装。1957年まで製造されたロングラン商品だった。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:日差±2分価格:5円35銭〜6円65銭
男性用腕時計とはいえ、当時らしく小ぶりなサイズ感の1本。販売期間が25年を超える息の長いモデルであったため、製造時期によってケース形状さえも大きく異なります。写真のモデルはアプライドインデックスやアルファ針、大きめのリュウズを備えており、実用時計らしく視認・操作性は良さそうです。

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1935

K型

シチズン初の女性用手巻腕時計(φ19.4-3.25mm 8-3/4型 小秒針)。代理店をしていたことから「ミドー」の製品をモデル に、設計が進められた。その当時、制定化が進んでいたスイス 時計工業規格の一部を入手、それらは、その後の時計作りの 貴重な参考資料となった。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:日差±2分価格:6円15銭〜7円90銭
男性用腕時計(F型)の完成後、シチズンはいち早く女性用腕時計の開発にも着手しました。F型よりさらに小ぶりに設計されたその姿は、1930年代のレディスウォッチらしく、アクセサリーのような佇まいです。それでいて、スモールセコンドを備えている点には、実用時計としての確かな矜持が感じられます。
1948

CITIZEN

シチズン初の男性用中三針手巻腕時計(φ23.3-5.0mm)。文字板下部に小秒針を配した従来のムーブメントを改造し、三番車上部に専用の伝達車を設置する「出車( でぐるま)」構造を有していた。この技術は、過渡期の産物ではあったが、独特の機械美をもたらした。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:-価格:5500円
シチズン初となる中三針、いわゆる“センセコ”モデルです。後期アール・デコ様式を感じさせるセクターダイアルや、レイルウェイトラック、赤い秒針などを組み合わせ、判読性を高めるための意匠が凝らされています。
1949

ニューシチズン

国産初の本中三針手巻腕時計(φ26.0-5.55mm)。主輪列の四番車( 軸) が秒針指示を行う方式を採用。戦後初の開発製品であることから「ニューシチズン」と呼ばれた。丸穴車・角穴車とも一番受の下側に入っている構造を有している。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:-価格:4,620円〜4,920円
先代機とは異なり、設計段階から秒針のセンター配置を意図した、国産初の「本中三針」モデル。 全体のデザインコードはクラシカルな様式を継承していますが、この時期のモデルからインデックスや針に夜光塗料が採用され始めました。
1951

ペット

シチズン初の6振動の新設計手巻腕時計(φ16.0×19.0- 3.6mm 8-3/4型)。地板部品の穴開けに初めて「矢通し型」を 採用した製品。

駆動:機械式( 手巻)6 ビート精度:-価格:2,200円〜6,150円
アール・デコらしい直線的なラグを備えた、エレガントなレディスモデル。メーカー初となる6振動ムーブメントを搭載する一方で、あえて2針仕様とすることで、優美さを際立たせています。
1952

カレンダー

国産初の男性用カレンダー付手巻腕時計(φ23.3-5.3mm10-1/2型 小秒針)。B 中三針(1950年) をベースに、上部に1.4mm厚のカレンダー機構を配した。月、曜を12時位置下に表示し、日をセンターの日針で指針する。月・日・曜の設定用にプッシュボタンを3個搭載している。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:-価格:4,170円〜5,370円主な機能:カレンダー、月・日・曜
味わい深いポインターデイト方式を採用した、トリプルカレンダーモデル。12時位置に曜日と月表示を配置し、クラシカルな表情に仕上げられています。3つの調整用コレクターを備えるため、これまでのモデルに比べて大ぶりですが、現代的なルックスへの進化も感じられます。

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1955

3K

新設計による女性用ニ針手巻腕時計(φ19.4-3.27mm8-3/4型)。この機種以降、時計業界の図面寸法の標準単位であった1/100mmを1/1,000mm(1ミクロン) に切替えた。これは、シチズン独自の計測器「ミューメトロン」の完成によって実現した。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:-価格:2,000円〜5,960円
ミューメトロンの導入によって、加工精度を従来の10分の1まで追い込んだレディスモデル。ミニマルな佇まいは前作通りですが、ミクロン単位の品質管理によって、技術的に大きな進歩が見られます。
1956

パラショック

シチズン初の本格的耐衝撃機構パラショック(渦巻ばね方式)を採用した手巻腕時計(φ23.3-4.5mm 10-1/2型)。てんぷのサイズアップにより慣性モーメントを増加、同時に、耐久性のある合金ぜんまい(フィノックス) を初めて採用するなど、時間精度の向上を追求した。

駆動:機械式(手巻)本中三針方式精度:-価格:2,800〜5,200円主な機能:耐震装置付き 簡易防水外装
独自の耐震装置「パラショック」を初搭載し、地上30mからの落下実験でその性能を実証したモデル。外部からの衝撃を緩和することで、実用における精度安定性が飛躍的に向上しました。デザイン面でも、くさび型インデックスと長く伸びた針を採用し、高精度を活かすための視認性を追求しています。

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1957

チャーム

シチズン初の本格的女性用二針手巻腕時計(φ13.5×17.5-3.25mm 5型)。当時の国産最小ムーブメント、初の5.5振動を採用。四番車とがんぎ車を二階建て構造とし、巻真を地板に納めた。他に、受足に「パイプ方式」や「コイニング方式(プレス打ち出し)」の採用、左ねじの使用。

駆動:機械式( 手巻)5.5ビート精度:-価格:4,450円〜6,900円
レクタンギュラーのケースに、すらりと伸びるインデックスが調和した、アール・デコが薫る1本です。優美な外観を備える一方で、5.5振動を新たに採用するなど、小型化と高性能化を図ったエポックメイキングなモデルです。
1958

アラーム

国産初のベルの鳴るアラーム付男性用手巻腕時計(φ27.0-5.7mm)。時刻/アラームの二つの香箱を使用し、りゅうず(2時位置)0段でぜんまいを巻き、1段でアラーム時刻を設定する。設定時刻になると約10秒間ハンマーが裏蓋を叩いた。部品数は、時刻用120個、アラーム用53個。

駆動:機械式(手巻)本中三針方式精度:-価格:6,200円〜11,500円
中央にアラーム設定用の回転ディスクを配した、いわゆる“メモボックス”スタイルのアラームウォッチ。合わせて時針も長く設計されています。ケースサイドにふたつのリュウズを持つ複雑な設計もあってか、当時としては高価格帯に位置付けられていました。

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1958

スーパーデラックス

微動緩急装置付特別調製品(φ26.6-3.65mm 15型 5振動薄型)。「プロフィックス( 軸受の保油性向上)」「パラショック( 耐衝撃装置)」「フィノックス( 合金ぜんまい)」を採用、スイス時計検定所が「特に優秀」と認める品質と耐久性を実現した。特殊ひげぜんまい、鉄がんぎ車使用。

駆動:機械式(手巻)変則中三針方式精度:-価格:10,000円〜33,000円
シチズンが初めて高級路線をコンセプトに掲げた、薄型ドレスウォッチ。手首に沿うラグや、繊細な針・インデックスといった、優美なプロフィールを特徴としています。当時のシチズンが持ちうる技術をすべて投入し、記録的なセールスを打ち立てた、かつてのフラグシップ的存在です。
1958

オート

シチズン初の自動巻腕時計(φ31.0-6.7mm 35時間持続)。手巻輪列と自動巻ブロックを構造的に分離しメンテナンス性向上・部品の安定供給を目指した普及機種。3KS の手巻輪列に自動巻ブロックを重ね合わせた。ローター径φ29.0mm、巻上機構「ダブルラチェット方式」。

駆動:機械式(自動巻)5ビート精度:-価格:9,000円〜11,000円
シチズン初となる自動巻きモデルです。両方向巻き上げ方式を採用し、良好な巻き上げ効率を確保しています。顔立ちこそ従来機の系譜にありますが、ローターの内蔵でボリュームアップしたケースは、モダンで力強い存在感を放ちます。

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1959

パラウオーター

国産初の完全防水手巻腕時計(φ26.6-3.65mm)。ガラス縁、裏蓋、胴、りゅうず部分にOリングと呼ばれる特殊パッキングを使用、現在の防水時計の原型になった。1963年6月、防水性の公開実験として特殊なブイに取り付けて太平洋に投下、アメリカ大陸に無事漂着した。

駆動:機械式(手巻)変則中三針方式精度:-価格:6,000円〜7,800円
特殊なパッキン技術により、水やチリの侵入を防ぐことに成功した、国産初の防水モデル。そのタフな設計に合わせ、外装にはメタルブレスレットが採用されています。ダイアルはドルフィン針とくさび型インデックスで構成され、機能美を感じさせる顔立ちです。

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1960

シャイン

国産初の視覚障害者用手巻腕時計(φ25.6-4.5mm 11-1/2型)。愛知県立名古屋盲学校へ教材として寄贈された。以後も、その時代ごとの機種で製品化を継続している。ユニバーサルデザインの導入により、デザイン上の工夫も図られている。

駆動:機械式(手巻)二針式精度:-価格:4,500円
国産初となる視覚障がい者向け腕時計、現代で言うバリアフリーウォッチの先駆けです。風防とベゼルが開閉し、針やインデックスを直接触って時間を読み取ることができます。その理念は現在まで受け継がれており、2020年発表の後継モデルは、タイの視覚障がい者学校へ毎年寄贈されています。

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1960

ホーマー

ニューマスター(1960) の仕上げを簡素化した普及版(φ25.6/26.0-4.0mm 11-1/2型)。大量生産の実現に向けて、「自動組立」を想定した設計思想を取り入れた最初の機種。さらに、米国ブローバ社( 輸出契約)、インド国営HMT 社( 技術援助契約) を通じ、海外進出を果たした。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:−20秒〜+40秒/日差価格:3,700円〜15,000円
自動組立を見据え、従来から構造を合理化したモデル。腕時計といえば職人の手仕事が尊ばれますが、生活必需品となりつつあった当時において、効率の良い生産体制の確立も急務でした。デザインは名機「デラックス」の系譜を色濃く継いでおり、実用機としての機能性と、ドレッシーな高級感を両立しています。
1960

グレイス

国産最小の女性用手巻腕時計(11.8×14.3×11.0-3.38mm 4-3/4型 6-1/2型 専用パラショック)。小判型として最小ムーブメントの自負から、名称にアルファベットの最後の文字「Z」を冠した。鉄がんぎ車、小型としては大きめのチラなしてんぷ、ぜんまいはフィノックスが使用された。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:-価格:7,700円〜23,000円
新開発ムーブメントによって、時計本体のさらなる小型化を実現したモデルです。その華奢なフォルムは、まさにブレスレットウォッチと呼ぶべき佇まい。インデックスやラグを長く取った造形に加え、柔らかな曲面の風防を採用することで、優美な印象を際立たせています。

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1961

ジェット

国産最薄の男性用自動巻腕時計(φ29.0-4.7mm)。新設計の本中三針式。外周式ボールベアリングローター(ジェットローター) 機構により、ローター回転の効率化および自動巻輪列の耐久性向上が図られた。ローターブロック、自動巻受が独立していて、容易に基礎輪列と分離できた。

駆動:機械式(自動巻)本中三針方式 外周式ボールベアリングローター機構精度:-価格:7,500円〜13,800円
独自のリングローターを採用し、高効率な巻き上げ性能と薄型化を両立させた自動巻きモデル。独特の音を響かせながらムーブメント外周を勢いよく回転するローターは、まさに“ジェット”の名を想起させます。定番のシルバーサンレイだけでなく、黒と金のコントラストが際立つシックな個体も現存しています。

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1962

ダイアモンドフレィク

世界最薄の男性用中三針手巻腕時計(φ25.6-2.75mm11-1/2型)。「変則中三針輪列構造」が採用された。徹底的な薄型化を図るため、香箱車と二番車の間に「分かな」と仲介車を配し、二番車を意図的に中心から外すことに成功した。

駆動:機械式(手巻)変則中三針式精度:−15秒〜+35秒/日差価格:9,000円〜42,000円(K18YG)
中三針手巻き時計として、当時世界最薄を記録した記念碑的モデル。厚みが出やすいセンターセコンドでありながら、構造を最適化することで、大幅な薄型化を実現しています。インデックスや針もスリムかつシャープに設計されていますが、丁寧な仕上げ分けにより、判読性に難はありません。18KYGを用いた華やかなモデルも登場。

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1962

クロノメーター

シチズン初の「クロノメーター検定」優秀級の男性用高精度手巻腕時計(φ30.0-4.5mm 13型)。外径13.5mmのてんぷを採用し、小型化したがんぎ車をてんぷ下に配置。精度追求のため、微動緩急針、スイス製耐衝撃装置「インカブロック」、ぜんまい外掛け構造などが採用された。

駆動:機械式(手巻)変則中三針方式精度:−1秒〜+10秒/日差価格:25,000円〜28,000円
当時のスイス・クロノメーター検定の「優秀級」と同等の精度基準を、シチズンとして初めてクリアしたマイルストーンです。専用設計のムーブメントを搭載するなど、高精度への追求が行われています。風格あるダイアルには「Chronometer」の文字が記されたほか、ザ・シチズンのそれを彷彿とさせる、鷲を思わせるロゴがあしらわれました。

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1962

オートデーター

国産初のカレンダー付自動巻腕時計(φ29.0-5.0mm)。ジェット(Cal.03系) に日表示を付加した機種。カレンダー付腕時計では、当時一番薄型でもあった。

駆動:機械式(自動巻)5ビート精度:−20秒〜+40秒/日差価格:9,000円〜15,500円
自動巻き(オート)と、カレンダー機能(デイト)の組み合わせを意味するモデル。ふくらみのあるボンベダイアルとドーム型風防を採用し、クラシカルで端正な薄型デザインを見せています。中には、風防の日付部分に拡大用のデイトレンズを配した、より実用的なバリエーションも確認されています。

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1965

クリスタルセブン

世界最薄のカレンダー付男性用自動巻腕時計(φ28.0-4.48mm 12-1/2型)。「クリスタルガラス」を世界で初めてシリーズ採用した。手巻輪列と自動巻ブロックを同一面に配置。直接中三針の技術を駆使し、四番車を中心から外し、耐久性と薄さを同時に実現させることに成功した。

駆動:機械式(自動巻)本中三針方式精度:-価格:9,800円〜19,500円主な機能:自動巻、クラッチ車タイプ、全回転両巻方式、カレンダー、日・曜(早修正装置付き)
それまでのプラスチック風防に代わり、初のクリスタルガラスを採用したモデルです。堅牢かつ透明度の高いガラスとなったことで、従来に比べキズの少ないモデルが現存しています。12時位置に曜日表示窓を配した機能的な顔立ちですが、王冠と「7」を組み合わせたロゴが、どこかキャッチーな一面を添えています。

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1966

エックスエイト

国産初の男性用本格的電子式腕時計(φ28.0-5.5mm)。超小型銀電池によるトランジスタ駆動の可動磁石型てんぷモーター方式。機械式腕時計の時代に、1年間止まらないという驚異の性能を実現した。耐衝撃装置はインカブロック( 後にパラショック) を採用。グッドデザイン賞受賞。

駆動:電子式 直接中三針方式(電池寿命 約1年)精度:-価格:32,000円
電池と電子回路(トランジスタ)を用いてテンプを駆動させる、国産初の本格的電子腕時計。ここから、エレクトロニクスを駆使した次世代時計の時代が到来しました。デザインも従来から一新されており、丸みのあるケースとシャープなダイアルの組み合わせは、宇宙開発時代を思わせる近未来的な印象を与えます。

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1967

レコードマスター

シチズン初の簡易方式クロノグラフ機能付手巻腕時計(<P 25.6-6.1 mm) 。四番車に竪ばね式のクラッチとハートカムを使用した「秒針帰零機構」は、単純ながらも画期的構造を有する。国産自動巻腕時計におけるクロノグラフ機構の方向性を決めた原点に位置するものであった。

駆動:機械式(手巻)5ビート精度:−40秒〜+20秒/日差価格:8,500円
シチズン初となる手巻きクロノグラフモデル。現在主流のインダイアルを持たず、センターにクロノグラフ針のみを配した潔い設計が特徴です。ダイアル外周にはスケールが記されており、2つのプッシャーで操作を行います。日付表示機能の搭載やその端正な表情も相まって、計器というよりは、デイリーユースを意識した腕時計に仕上がっています。
1968

キンダータイム

子供が「時間と時刻」を容易に理解できるよう、文字板に特殊なデザインを採用した教育用腕時計(φ25.6-4.0mm)。男子用女子用が同時に発売された。後に、置き時計や掛け時計としても展開されている。

駆動:機械式(手巻)本中三針方式精度:-価格:2,500円
子供の学習用に開発された、知育腕時計。ポップな配色で、親しみやすい印象を受けます。大きなミニッツスケールや、“時間帯”の概念を分かりやすくした独特のアワーマーカー配置など、判読性を高める工夫が随所に施されています。女児向けモデルや掛け時計も展開された、バリエーション豊かなシリーズです。
1970

IC-12

国産IC使用の初の女性用三針電子腕時計(φ15.3×18.0-5.0mm)。自社開発の超小型超低電力タイプの時計専用ICを使用した対向可動磁石型てんぷモーター式電子ウオッチ。「クロノメーター検定」優秀級。12ビート。てんぷモーターの振り石が直接星車を駆動する機構だった。

駆動:電子式 本中三針方式(電池寿命 約1年)精度:−5秒〜+10秒/日差価格:75,000円〜180,000円主な機能:秒針停止機能
国産初の女性向け電子腕時計です。名前は、搭載する12ビートのテンプモーターに由来しており、当時のクロノメーター優秀級の高精度を象徴しています。一方で、なめらかにブレスレットへと続くトノウ型ケースには、貴石があしらわれており、ジュエリーライクな一面も持ち合わせています。
1970

レオパール8

7200レオパールを8振動化(スーパービート8)した自動巻腕時計(φ28.0-4.84mm)。ぜんまいやひげぜんまいの材質を変更し高振動化に対応した。後に、上下の向きで日と曜の設定を切替えるシチズン独自の「重力弁別早修正装置」や日と曜が瞬時に送られる「瞬間送り機構」が搭載された。

駆動:機械式(自動巻)8ビート精度:−10秒〜+20秒/日差価格:14,000円〜100,000円
毎秒8振動へのハイビート化を図り、精度の安定性を追求したレオパール。多彩なバリエーション展開で、70年代のシチズンを彩った名シリーズです。12時位置の円弧状の曜日表示や、ダイアル中央を貫く太いラインの大胆な構成が特徴的。その名の通り「ヒョウ」を模した6時位置のロゴや、流線型のケースに合わせたミラネーゼブレスが、象徴的かつエレガントな佇まいを見せています。

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1970

レオパール10

シチズン初の10振動( スーパービート10) 自動巻腕時計(φ28.0-4.84mm 12-1/2型)。裏回り輪列の「切替レバー車」を上下2枚配置。りゅうずの回転と角穴車を仲介する際の減速比を大きくすることで、高振動化による反発力を抑え、ぜんまいの手巻の負荷低減に成功した。

駆動:機械式(自動巻)10ビート精度:-価格:23,000円〜100,000円(K18WG)
シチズンの機械式ウォッチにおいて、初めて毎時36000振動/時に到達したタイムピースです。楕円形のクリスタルガラスを世界で初めて風防に採用するなど、機能面だけでなく、外装面でも斬新かつ画期的な1本でした。18Kホワイトゴールドケースを採用したバリエーションもラインナップされるなど、高級機としての風格を湛えています。
1970

コスモスターV2

世界初の日/ 曜付女性用自動巻腕時計(φ19.4-5.53mm)。改良や合理化を進めながらも、現在まで製造されている唯一の女性用機械時計。それまでの設計方式と異なり、実験・調査の結果を図面化する手作り試作体系を取り入れた最初の機種である。

駆動:機械式(自動巻)本中三針方式精度:−10秒〜+30秒/日価格:9,800円〜20,000円主な機能:自動巻、クラッチ車タイプ、全回転両巻方式、カレンダー、日・曜(早修正装置付き)
女性用腕時計として、世界で初めて、デイデイト表示と自動巻きを兼ね備えたモデルです。ふっくらとした楕円形ケースに、クラシカルなミラネーゼブレスレットを組み合わせた、優美なシルエットを特徴としています。ダイアルは昨今のトレンドカラーであるアイスブルーに近く、大きめのアプライドインデックスを配することで、優れた視認性とモダンな演出を兼ねています。
1971

セブンスター

シチズン初の10-1/2型男性用自動巻腕時計、日/ 曜付(φ23.3-5.31mm)。本格的合理化設計。小型のムーブメントを使用し、多様なデザインとの組み合わせが可能であることから、特徴のある製品が数多く発売された。

駆動:機械式(自動巻)本中三針方式精度:-価格:15,000円〜19,500円主な機能:自動巻、クラッチ車タイプ、全回転両巻方式、カレンダー、日・曜(早修正装置付き)
1970年代の多様なニーズに応えたコレクション。デイデイト機能を持つ小型ムーブメントの搭載に加え、ケースやダイアルの自由度が高まったことで、多彩なデザインバリエーションが現存しています。写真は、放射状のブラッシュ仕上げのケースに、シルバーダイアルを組み合わせた、シリーズの中でも端正な表情を持つ1本です。
1971

ハイソニック

国産初の音叉式電子腕時計(φ28.75-5.3mm)。国際提携した米ブローバ社とシチズンの品質管理・生産技術・デザインが結合して誕生した。音叉の振動数は360Hz、2個の爪によって音叉の振動をインデックス車の回転に変換した。日差から月差への精度向上に成功した。

駆動:電子式(音叉) 本中三針方式(電池寿命 1年間)精度:±1分/月差価格:45,000円〜60,000円主な機能:秒針停止機能、節電スイッチ、日・曜瞬間送り機構、日・曜早修正装置付き
音叉(おんさ)式の調速機構を実装した、画期的な電子時計。月差±1分以内という当時としては驚異的な高精度を実現しました。スリムなディテールを持つクラシカルな表情を見せますが、耳を澄ませば音叉特有のハミング音が響き、秒針は滑らかなスイープ運針を描きます。グループを同じくするブローバとシチズン、両者の深い縁を象徴する1本とも言えます。

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1972

コスモトロンスペシャル

世界初の時報合わせ装置付男性用電子腕時計(φ28.4-6.07mm)。時報に合わせて8時位置のボタンを押すと、すべての針が修正された(正時±3分以内)。1966年以来、圧倒的な販売実績を誇ったてんぷモーター式電子ウオッチシリーズの総括となる機種であった。

駆動:電子式( 電池寿命 2年間)精度:−5秒〜+10秒/日価格:69,000円〜77,000円主な機能:時報合わせ装置付き、節電スイッチ、日・曜ターンプッシュ式早修正装置付き
電磁テンプ式腕時計の集大成として、画期的な時刻合わせ機能を備えたコレクション。写真は、縦方向のテクスチャーを持つブルーモデルです。スクエアケースにクッション型のベゼルを合わせた、いわゆる“TVダイアル”を採用しており、そのノスタルジックな表情はレトロなブラウン管テレビを思わせます。オーソドックスなラウンドモデルも現存。
1973

クオーツ

シチズン初の男性用クオーツ腕時計(25.6-5.55mm)。独自のてんぷ(レゾナント)モーター方式で水晶振動子の振動数は16,384Hz、秒針は16Hzで駆動した。秒針帰機構により、土5秒以内の誤差ならば瞬時に修正できた。初期の名前のみシチズンクオーツ。

駆動:水晶発振式(電池寿命 約1年)精度:±10秒/月差価格:69,000円〜77,000円主な機能:秒針停止機能、節電スイッチ、秒針帰零装置(0±5秒の範囲)、日・曜早修正装置付き
いよいよクオーツウォッチの時代が到来。水晶振動子の振動数は現代基準の半分ですが、すでに月差±10秒という精度を実現していました。写真は、ゴールドトーンが目を引く初期モデルです。12時位置にルビーをあしらったそのデザインコードは、近年の限定モデルでもオマージュされるなど、今なお色褪せない魅力を放っています。
1973

コスモスターF

コスモスターV2(66系) に代わる小型・薄型でシチズン最小の自動巻腕時計(φ17.2-4.5/4.82mm)。コーン型の耐衝撃装置を新たに設計開発。てんぷ、アンクル受けは高級時計用のブリッジ方式を採用し、安定した歩度を保証している。自動巻機構は片巻方式。

駆動:機械式(自動巻)8ビート精度:-価格:18,000円
当時のシチズンの自動巻腕時計として、最小サイズを実現した女性向け「コスモスター」です。小ぶりなサイズ感ながら新技術を投入し、精度を安定させています。写真は、鮮やかなグリーンモデル。当時の流行であった多面カットガラスが採用されており、腕時計がファッションアイテムとなりつつあった時代背景がうかがえます。
1973

クロノグラフ チャレンジタイマー

シチズン初の本格的なクロノグラフ機能付自動巻腕時計。クロノグラフの各針はハートカム方式による帰零機構。9時位置にクロノグラフ時針(12時間計)、3時位置にクロノグラフ分針(30分計) を配し、日/ 曜表示は、デザインバランスのため6時位置に縦に配置された。

駆動:機械式(自動巻)本中三針方式精度:-価格:18,000〜23,000円
12時位置にリュウズ、その両サイドにプッシャーを配した、競技用ストップウォッチのような顔立ちの自動巻モデル。計測に用いる針のみをオレンジに彩ることで、判読性を確保しています。そのキャッチーなシルエットは現代の「レコードレーベル」でも再解釈されており、“ツノクロノ”の愛称で世代を超えて親しまれています。
1974

アナログ光発電式腕時計(プロトタイプ)

太陽電池搭載のプロトタイプ(φ26.4-5.1mm)。「文字板に配列する」太陽電池をシャープと共同開発し、照射された光エネルギーを時計駆動用の電気エネルギーに変換し、ステップモーターを動かす機構を試作。単結晶シリコン太陽電池、ムーブメント電池部分にはコンデンサを装着。

駆動:電子式( 光発電)精度:-価格:非売品
世界初のアナログ式光発電時計の土台となった試作機です。分割されたソーラーセルや、立体的なインデックスリングを配したダイアルを特徴としています。一見するとソーラーセルは6枚に見えますが、そのうちの1区画は他のセルに仕上がりを寄せた別素材であり、デイデイト表示が設けられています。開発段階でありながら、発電面積を削ってまでデイデイトを搭載している点に、シチズンのこだわりがうかがえます。

技術的系譜を汲む現行モデル

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1974

クオーツ クリストロン

シチズン初のステップモーター(1秒運針) 採用の男性用アナログ式腕時計。変換機6極ステップモーター方式。ローターに躍制ばねを設けた構造。12時位置のLEDは1分間に1回点滅。「電磁帰零機構」を開発、搭載し、±30秒以内の進み遅れであればボタンひとつで修正可能。

駆動:水晶発振式(電池寿命 約1年)精度:±15秒/月差価格:55,000円〜62,000円主な機能:LEDシグナル、秒針停止機能、節電スイッチ、曜日和英切換え機能
ステップモーターを初搭載し、メーカーのクオーツ時計の基礎を確立したエポックメイキングなモデルです。便利な時刻調整機能やLEDシグナルなど、黎明期ならではの先進的なギミックを搭載。ラグを持たないシャープなケースと、ピッチの短いブレスレットによるソリッドな一体感は、「ザ・シチズン Cal.0200」を想起させます。
1974

アドレックス

新素材外装開発が盛んな時代に生まれた天然石ケース(黄虎目)を使った薄型自動巻腕時計(φ25.6-3.73mm 11-1/2型)。新規設計の「80系」を搭載。自動巻機構の巻上げには効率の良い片巻方式を採用している。りゅうず式外部微動緩急調整装置が組み込まれた。

駆動:機械式(自動巻)精度:−20秒〜+40秒/日差価格:68,000円〜78,000円主な機能:秒針停止機能、曜日和英切換え機能、外部緩急機能
パワーストーンとしても親しまれる「イエロータイガーアイ」を用いた自動巻腕時計。1970年代当時、ストーンダイアルを手がけるブランドは数あれど、ケース自体に天然石を用いたモデルは稀でした。剛性の問題からか、今ではあまり見られなくなった仕様ですが、磨き上げられたケースからは優れたクラフツマンシップが見て取れます。
1974

クオーツ リキッドクリスタル

シチズン初の男性用デジタル式クオーツ腕時計。デザインを含め、時、分、秒、AM/PM、日、曜のフル装備の機能は、デジタル腕時計のイメージを一新した。後に名称を「クオーツ クリストロンLC」と改めた。

駆動:水晶発振式(電池寿命 約2年)精度:±15秒/月差価格:98,000円主な機能:カレンダー和英同時表示、日付・秒切換え機能、秒0リセット機能
長方形型のケースを持つ、レトロな表情のデジタルウォッチ。液晶には、日常使いに求められる表示が網羅されており、日付と秒表示の切り替えや、時刻合わせに便利な「秒0リセット」機能も搭載されています。ちなみに曜日表示は、該当日以外が黒くマスクされる味わい深い仕様となっています。
1975

クリストロンLED

シチズン初のLED 表示式クオーツ腕時計(φ29.5-5.15/6.2mm)。海外での流行を受けて、日本でも製品化されたが、消費電流が多いため常時表示ができない、電池寿命が短い、など実用性に欠ける面があった。サンヨーのOEM モジュールを使用。電池2個。LED 表示体はガリウムリン。

駆動:水晶発振式(電池寿命 約1年)精度:±15秒/月差価格:38,000円〜48,000円主な機能:ボタンによる時・分・秒・月・日・午前・午後表示、自動輝度コントロール
世界的なブームに応えるかたちで、シチズンが開発した初のLEDモデル。消費電力の観点から、オンデマンド方式で発光して時刻を知らせる仕様が採用されました。縦方向のヘアラインで仕上げられたゴールドカラーの外装と、LEDの赤い表示がコントラストを成し、ソリッドかつ近未来的な表情を生み出しています。

TO BE CONTINUED

この先の歴史も、段階的に公開を進めてまいります。どうぞお楽しみに。

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受け継がれてきた技術と精神を、現行モデルからお確かめください。

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