ブランド横断型シリーズとして、さまざまな「色」をコンセプトにしたコレクションをリリースしてきたシチズン。その2023年度モデルとして、美しい海のブルーをデザインテーマとした「UNITE with BLUE」が登場しました。
表情豊かなブルーダイアルが美しいこれら7モデルですが、実はその色合いには全く色素が使われていない、非常に画期的かつユニークなものとなっているのです。
当記事ではこの2023年モデルについて、6月10日の発売に先駆けて全7種をまとめて解説いたします!
構造色インクによる「色の無いブルー」
本シリーズ「UNITE with BLUE」で特筆すべきは、光の反射で色彩を変える美しい青緑色のダイアルです。
海というテーマが持つさまざまな色合いを表現したこのダイアルは、一般的な腕時計に使われるラッカーなどの塗料が全く使われておらず、構造色インクと呼ばれる特別なインクで色付けされています。
富士フィルムが開発したこのインクは、色素となる染料や顔料なしで奥深い色彩を表現できる画期的な技術です。馴染み深いもので言えば貝殻やタマムシ、モルフォ蝶などが持つ色彩と同じ原理であり、インクの中に微細な構造を形成することで、色素が無くとも美しい色合いを表現できるのです。
なお、UNITE with BLUEでは、ガラスに独自技術である「クラリティ・コーティング」を初めとした無反射コーティングが施されています。これにより、室外問わず全てのモデルがその文字板の美しさを堪能できるようになっています。
「UNITE with BLUE」が備える実用機能
今回の「UNITE with BLUE」はブランド横断企画となっており、それぞれのモデルにシチズンの独自技術が存分に採用されています。ここではそれらの独自技術についておさらいしておきます。
エコ・ドライブ
シチズンのエコ・ドライブは、光をエネルギーに変換して時計を動かす技術です。
微弱な光からも発電できる優れた発電効率を有しており、わずかな電力で時計を動かせる省エネ技術によって室内灯でも十分に腕時計を動かすことができます。
加えて、電池の交換が不要であるため、メンテナンスの手間が大幅に削減されるだけでなく、シチズンのクォーツウォッチが持つ優れた精度を維持することができます。
さらにエコ・ドライブでは、充電が少なくなった際に自動でパワーセーブ機能が働くため、長期間光が当たらない状況でも問題なく腕時計を動かし続けてくれます。
UNITE with BLUEの7つのコレクションには、もれなくこのエコ・ドライブが搭載されています。
スーパーチタニウム
スーパーチタニウムは、独自の表面硬化技術「デュラテクト」を施して製造されたチタン素材です。ステンレス鋼に比べて5倍硬く、60%ほどの軽さしかない腕時計にとって理想的な素材であり、肌に対する優しさおよび耐スクラッチ性、耐錆性を兼ね備えています。
元来チタン素材は加工が難しい素材として知られていますが、シチズンはその優れた技術力によりこれをカバー。そこにデュラテクトを施すことでさらなる耐久性を与えることに成功しています。また、デュラテクトは11種類の異なる色と硬度のバリエーションが用意されており、スーパーチタニウムは腕時計の高級感や個性の演出にも役立つ素材となっています。
UNITE with BLUEでは、「エクシード」「アテッサ」「クロスシー」にこのスーパーチタニウムが使用されています。
電波時計&ダイレクトフライト
7モデルのうち、「シチズン エル」「プロマスター」以外の5モデルは電波時計となっており、自動で電波を受信し時刻を修正してくれるようになっています。
また、「エクシード」「アテッサ」「クロスシー」にはダイレクトフライト機能(クロスシーはハッピーフライト機能)が搭載されており、24都市のワールドタイムをリュウズによる簡単な操作で腕時計に反映できるようになっています。
正確な時間管理を要求されるビジネスはもちろん、海外旅行などでも役立つ機能と言えるでしょう。
奥深い「青」の表現が魅力的な7つのコレクション
最後に、UNITE with BLUEにラインナップされる7モデルのうちおすすめの4モデルについて解説いたします。「世界はつながっている。」をモットーに、それぞれのモデルで豊かな海の表情が表現されています。全てが本数限定モデルとなりますので、お気に入りのモデルは要チェックです。
なお、レディースモデルも用意されていますので、ペアウォッチにもぜひお選びください。
シチズン アテッサ「AT8188-64L」限定2400本
シチズンの独自機構が駆使された多機能チタニウムウォッチシリーズ「アテッサ」では、海底洞窟から見上げた景色がモチーフとなっています。本作の青は、太陽で煌めく水面と洞窟内にできる影のコントラストを表現。
ベゼルにはデュラテクトDLCを施し、光沢のあるブラックによって盤面全体が引き締められています。多くの実用機能が魅力のアテッサらしく、多くのシーンに当てはまるモデルとなるでしょう。
シチズン アテッサ「CB0215-18L」限定2200本
同じく「アテッサ」から登場した本作では、水面に映し出された奥行きのある青色が、文字板の様々な素材の重なりで表現されています。
ケースにはデュラテクトDLCが施されており、ストラップには再生素材を使ったブラックレザーを採用。構造色インクの文字板を引き立てるようなシンプルかつ力強いフォルムが魅力と言えるでしょう。
UNITE with BLUEコレクションの中でもスポーティさが際立つモデルですが、無駄を削ぎ落としたフェイスは高い汎用性も見せています。
シチズンコレクション「AS1060-54M」限定1200本
腕時計の基本的な要素を押さえたスタンダードラインである「シチズンコレクション」。こちらでは文字板と見返しリングの両方に構造色インクを使用しており、変わり続ける海の色が広々と表現されています。
シンプルな機能とデザイン性を採用した本作は、袖口に収まる極薄型のフォルムが特徴的。手元にエレガントな印象を与えてくれる、シーンを選ばない活躍が期待できるモデルと言えるでしょう。
シチズン クロスシー「ES9460-61L」限定1700本
かけがえのない時を生きるすべての女性に向けたレディースライン「クロスシー」では、輝くプラチナカラーのケースとバンドの中に、神秘的な海中の情景が閉じ込められています。
2時位置と8時位置には合計で4石のラボグロウン・ダイヤモンドがセットされており、静寂の海中に美しく立ち上る泡を表現。文字板の色彩と全ての輝きが調和し合う、見るたびに心安らぐモデルとなっています。
まとめ
富士フィルム開発の画期的でユニークなインクによって完成した「UNITE with BLUE」。構造色インクは既に芸術作品などでも活用されており、他のシチズンコレクションにも採用され始めています。
ちなみに、今回のカラーリングは青色が中心となっていますが、構造色インクではその他の色も再現できるため、以降のコレクションでも「色素の無い」奥深い色使いが期待できそうです。
他の腕時計にない個性をシチズンにお求めの方は、是非一度UNITE with BLUEコレクションをお試しくださいませ。