切削工具メーカー 協和精光株式会社が立ち上げた時計ブランド、ミナセ。
時計づくりに欠かせない精密な工具を作り出すメーカーだからこそ実現する、巧妙な設計構造や技術力に優れるブランドです。
そして、ミナセを代表するのが「ヒズシリーズ」。
ケースインケースという独自の構造を採用したアイコニックなシリーズです。
本記事では、そんな既成概念を超えたデザインで魅力を放つヒズシリーズから「ディヴァイド(DIVIDO)」についてご紹介します。
ミナセ「ディヴァイド」の特徴
象徴的なケースインケースデザインに惹かれるのをはじめ、ミナセの執念とも言えるべきこだわりが詰まっているディヴァイド。
それらのこだわりや、特徴について解説していきます。
超立体空間を生み出すケースインケース
ディバイドを含め、ヒズシリーズにはすべて「ケースインケース」が採用されています。
通常のケースに加えて、文字盤や別枠となっているインデックスも、ムーブメントを覆う『2つ目のケース』となっている構造です。
そのため、ケース同士の間に空間が生まれ、文字盤が浮いているかのように見えるのです。
ミナセがもっとも得意とする加工技術「ザラツ研磨」
ケースの仕上げの前に施す下地処理のことで、ゆがみのない美しい面を作ることができるものです。通常、時計のケースは鍛造して切削したものをバフで磨いて完成となります。しか しバフで磨く前に下地処理としてザラツ研磨を施すことで、磨いた面は歪みが小さくなり、スカッとしたクリアで美しい鏡面加工ができるようになるのです。か つてはスイスのメーカーも採用した手法ですが、現在、日本製の高級時計以外で見ることはほぼありません。
「DIVIDO(ディヴァイド)」では、ケースの14面だけでなく、文字盤やインデックスにもザラツ研磨を加えています。
独自のラウンドケース
ラグがケースの前面に乗っかっている独自のラウンドケースも、ディヴァイドにおける象徴的なデザイン。
繊細な職人技によって完成しているパーツ、構造とともに、シャープでかっこいい印象に映ります。
このようなシャープな面の印象は、ミナセがもっとも得意とするザラツ研磨の技術があってこそ。
歪みのない、圧倒的な美しさに仕上げます。
印象的な雪平模様の文字盤
ケースインケースの所以、2個目のケースである文字盤も非常に印象的です。
直線的でエッジの効いた外装、インデックスとは相反する、雪平模様をベースとしています。
雪平模様は、繊細で柔らかな陰影を表現し、日本ブランドらしい上品さも演出します。
単なるかっこよさや、ケースインケースの構造に惹かれるだけではない、もっと奥深い魅力を感じさせる一つが、この文字盤なのでしょう。
グリーンやブルーの明るいカラーであっても、雪平模様の独特な光の取り込み方で、とても上品で大人な印象に映ります。
モノクロのデイト表示
ディヴァイドのデイト表示機能は、今日の日付と前後1日ずつ表示されます。
全モデル共通して、モノクロのデザインと視認性の高いアラビア数字を採用。
高いデザイン性を維持しながら、使いやすさも確保しています。
カットされた風防から顔を出すのも、粋なデザインです。
ミナセ「ディヴァイド」のメリット・デメリット
ミナセのディヴァイドは、どのような印象に映るのでしょうか。
その印象によるメリット・デメリットについてお話ししていきます。
静かに、強い個性を主張できる
アイコニックなデザインのケースインケースにより、静かに、強く、個性を主張できます。
ラウンドケースのメタルモデルと言えば王道ですが、この浮かんでいるような文字盤は、誰が見ても惹きつけられる、どこか幻想的な魅力を持っています。
時計で上品に個性を出したい、一目置かれたいといった方にピッタリ。
また、ありきたりなメタルモデルの高級時計に飽きてきた…と思っている方にもおすすめです。
そんな退屈さを解消してくれます。
スーツスタイルからカジュアルにまで合わせられる
ビジネスシーンでのスーツスタイルには、言うまでもなく相性抜群。
エッジの効いた外装や、角度によって変わる文字盤の表情などが光り、個性のないノーマルなスーツでさえも上質なものに見せられるでしょう。
プライベートで着用するのであれば、程よくカジュアルダウンしたラバーストラップモデルが最適です。
華やかなシーンには合わせにくい
幻想的でシャープさもあるデザインですので、自分らしくかっこよく決めたいときは個性が光ります。
しかし、パーティーや煌びやかな雰囲気にはそぐわない場合も。
美しさにもさまざまな解釈があるため、そのようなシーンでは正統派なドレスウォッチやレトロなデザインの時計がおすすめです。
まとめ
日本屈指の技術をもった時計ブランド、ミナセの「ディヴァイド」をご紹介しました。
ミナセにしか実現できない、ディヴァイドならではの魅力を感じていただけましたでしょうか。
外装だけでなく、時計の中の『空間』をこれだけ演出し完成させているモデルは、そうないはず。
ケースインケースをはじめ、各所に見られるこだわりや美しさは、100年後も語られるほどの価値があります。
この魅力はぜひ一度、あなたの目で確かめてみてください。