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【オメガ シーマスター300】シーンを選ばないヴィンテージ調が魅力のヘリテージダイバーズ

  • 2025年9月27日
  • 2025年9月26日
  • OMEGA

オメガの「シーマスター」は、1948年の登場以来、ダイバーズウォッチとして多彩な進化を遂げてきたコレクションです。その中でも「シーマスター300」は、ブランドの歴史と先進技術を体現するヘリテージラインとして、現行ラインの中でも独特の魅力を放っています。

本稿では、このシーマスター300の特徴やデザインを、歴史的背景を踏まえつつご紹介いたします。ダイバー300Mを筆頭とするモダンダイバーズとは一味違う魅力に、ぜひ一度触れてみてください。

初代シーマスターから派生したプロフェッショナルモデルを復刻

初代シーマスター

シーマスター300という名前の初出は、1957年のことです。1948年登場の初代「シーマスター」から派生した「プロフェッショナル三部作」の1種にあたり、とりわけ潜水に向けて設計されたダイバーズウォッチとしてリリースされました。

本稿でご紹介するシーマスター300は、この初代モデルを現代の技術で復刻したダイバーズウォッチとなっています。

ちなみに、このシーマスター300と合わせて、耐磁腕時計「レイルマスター」、クロノグラフウォッチ「スピードマスター」も同時にリリースされています。

初代モデル(Ref. CK2913)の登場

シーマスター300のオリジナルは、先述の通り、プロの潜水士や調査チームの要求に応えるべく開発されたコレクションです。

初代シーマスター「300」のトリロジーモデル

特殊なOリングガスケットを備えた、ねじ込み式リュウズや厚みのある風防によって、当時としては先進的であった300mの防水性能を実現していたほか、優れた視認性もしっかりと確保されていました。

とりわけ、暗所での判読性を極限まで高めた黒文字盤に白抜きのインデックスと太い針の組み合わせは、後年のダイバーズウォッチ設計に大きな影響を与え、一つの様式を確立したとされています。

2014年にはリバイバル、そして刷新を重ねる

初代モデルの製造終了後、その歴史的価値とデザインの普遍性から、シーマスター300はヴィンテージ市場で高く評価され続けることとなります。この需要に応える形で、オメガは2014年にシーマスター300を復刻。

その後、2021年にさらなるアップデートが実施され、より厳格な精度・耐磁基準を満たす「マスタークロノメーター」として生まれ変わりました。同時に、文字盤をサンドイッチ構造にするなど、デザイン面でも初代モデルの意匠をより色濃く反映したリニューアルが行われ、現在の形に至っています。

忠実な復刻。シーマスター300の5つのデザイン特徴

現行のシーマスター300の外観は、オリジナルモデルのデザインコードを継承しつつ、現代のオメガの製造技術によってディテールが洗練されています。その特徴を、主に5つの要素に分けてご紹介いたします。

ダイアルのレイアウト

シーマスター300のダイアルは、視認性を最優先したシンプルなレイアウトが特徴です。12時位置にブランドロゴ、6時位置にモデル名「Seamaster 300」を配する左右対称の構成は、初代モデルから受け継がれたもの。ムーブメントの性能表記などを排したミニマルなデザインによって、時刻の読み取りやすさに貢献するとともに、時代に左右されない普遍性がもたらされています。

立体感をもたらすサンドイッチダイアル

2021年以降のモデルでは、文字盤に2層構造(通称「サンドイッチダイアル」)が採用されています。これは、ベージュカラーのスーパールミノバを塗布した下層プレートの上に、インデックスとアラビア数字をくり抜いた上層プレートを重ね合わせたものです。この構造により、インデックスが文字盤面より一段低い位置に置かれ、光の当たる角度によって陰影が生まれる立体的な視覚効果を生み出します。

伝統にのっとった針の形状

時針には、先端が幅広の矢印型をした「ブロードアロー」が採用されています。このデザインは1950年代のオメガの時計に多く見られ、ブランドのヘリテージを象徴するディテールのひとつとして知られています。また秒針は、先端に円形のモチーフが付いた「ロリポップ」と呼ばれる形状をしており、これも初期のシーマスター300に見られた特徴的なデザインを継承しています。

ヴィンテージテイストを添えるベゼル

最新モデルのベゼルインサートには、「シュウ酸陽極酸化処理アルミニウム」が用いられています。

このインサートは、耐食性と耐摩耗性に優れるとともに、光沢を抑えたマットな質感に仕上げられています。そのルックスは、高い耐傷性を持つ一方で、モダンなダイバーズウォッチに用いられる光沢の強いセラミック製ベゼルとは対照的であり、ヴィンテージウォッチのような落ち着いた風合いを表情に与えています。

ケース、ブレスレットも妥協なし

装着感を高めるため、ケースとブレスレットの設計にも細かな配慮がなされています。風防には、側面から見ると緩やかなドーム状をしたサファイアクリスタルを採用し、クラシカルな外観を演出。前面をポリッシュで仕上げることで上品に見せつつ、サイドをヘアラインにすることでツールウォッチらしさも備えています。

ブレスレットは、初代モデルを思わせる力強い3連系。バックルに向かってコマの幅がわずかに狭まるテーパード仕様となっており、手首へのフィット感を向上させています。

見た目はシーマスター300の復刻、性能は現代基準

シーマスター300は、300m防水に加え、オリジナルを尊重したヴィンテージ感のある外観を持つ一方で、マスター クロノメーター認定を叶える最先端の機械式ムーブメントを搭載しています。

マスタークロノメーター認定

マスタークロノメーターの認定書

現行モデルの心臓部である自動巻きキャリバーは、スイス連邦計量・認定局(METAS)による8つの厳格なテストに合格した「マスター クロノメーター」認定機です。この認定は、一般的なスイスクロノメーター(COSC認定)よりもさらに厳しい日差0~+5秒という高精度を保証するだけでなく、耐磁性をはじめとする、腕時計の機能全般が最高水準にあることを証明するものとなっています。

15000ガウスの超耐磁性能

先述のマスター クロノメーター認定の重要な要素の一つが、15000ガウスという極めて高いレベルの耐磁性能です。これは医療機器であるMRIの強力な磁場にも耐えうる水準であり、日常生活に存在するスマートフォン、PC、バッグの留め具といった磁気製品からの影響を事実上受けません。これにより、磁気帯びによる時計の精度低下という、全ての機械式時計が抱えるリスクを根本から排除しています。

コーアクシャル脱進機

ムーブメントには、オメガ独自の「コーアクシャル脱進機」が採用されています。これは、時計の精度を司る脱進機(エスケープメント)における、部品間の摩擦を大幅に低減する機構です。動力の伝達効率が高く、部品の摩耗が少ないため、長期にわたる精度の安定性に寄与します。結果として、メーカーが推奨するオーバーホール(分解掃除)周期は8年~10年と、一般的な機械式時計の約2倍の長さを実現しています。

【ラインナップ】素材とカラーによるバリエーション

現行のシーマスター300は、ユーザーの好みに応じて選択できる、複数の素材およびカラーバリエーションを展開しています。最後に、その代表的なモデルをご紹介します。

ステンレススティールモデル(234.30.41.21.01.001/234.30.41.21.03.001)

ケースとブレスレットにステンレススティールを使用した基幹モデルです。文字盤のカラーとして、初代モデルの意匠を最も忠実に再現したブラックと、海に挑むダイバーズウォッチを印象付けるブルーが用意されています。いずれもブレスレット仕様とレザーストラップ仕様から選択可能です。

オメガ 234.30.41.21.03.001のケース全貌画像

ブロンズゴールド(234.92.41.21.10.001)

ケース素材に、オメガが独自開発した合金「ブロンズゴールド」を使用したモデル。この素材は、37.5%の金(9K)をベースに銅やパラジウムなどを配合しており、一般的なブロンズに比べて耐食性が高く、緑青の発生が抑えられています。肌に優しく、また経年による色合いの変化が緩やかで、独特の温かみのある光沢が長期間にわたって保たれる特性があります。

サマーブルー(234.30.41.21.03.002)

2023年にシーマスター誕生75周年を記念して発表されたコレクションの一部です。最大の特徴は、文字盤に施された「サマーブルー」と呼ばれる美しいグラデーション。合わせて、スーパールミノバもライトブルーカラーに変更されており、モダンな一面を獲得しています。

オメガ 234.30.41.21.03.002のリストショット

ちなみに、このサマーブルーはシーマスター300の防水性能(300m)を反映した色合いであり、マットな質感によって光の当たる角度でほのかに表情を変えます。

ケースバックには特別仕様として、ギリシャ神話の海神ポセイドンと2頭のシーホースが描かれた記念のレリーフが施されました。

まとめ

オメガ シーマスター300は、オリジナルのデザイン要素を尊重したタイムレスな外観でありつつも、現代的な性能を備えた魅力的なリバイバルウォッチです。その普遍的な特長の数々から、同じ防水性を持つシーマスターの看板機「ダイバー300M」と並んで、シーマスターの定番に数えられるでしょう。

スタイリッシュなモダンスポーツウォッチと一味違う1本をお探しの方は、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

この記事の監修

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