多岐にわたるGショックの最高峰に位置する「MR-G」。その中でも、他と全く毛色の異なるモデルとして登場したのが、今回ご紹介する「カシオ GショックMRG-BF1000R-1AJR」です。
本作は、Gショックの本格ダイバーズラインであるフロッグマンを、MR-Gが誇るクオリティで再構築したコレクションとなっています。1993年の初登場以来、多くのダイバーたちに愛されてきた名機が見せる、さらなる進化を体感していただけると幸いです。
MASTER of Gの海担当「フロッグマン」
タフウォッチとして知られるGショックですが、さらなる過酷な環境に耐えられるよう設計された上位コレクションもラインナップされています。「MASTER OF G」と名付けられたこれらのコレクションは、陸、海、空、それぞれのフィールドで活躍するプロフェッショナルたちに向けた、専用の仕様を備えています。
フロッグマンはその中でも、ダイバーに向けた潜水用Gショックとして設計されたコレクションです。
通常のGショックには無い、飽和潜水もできる高い防水性に、潜水時間やインターバルタイム計測ができるダイビングスペックを搭載しており、潜水用時計として非常に高い完成度を実現。
さらに、その独特の”ゴツい”印象も唯一無二であり、誕生当時から多くのダイバーたちに愛用されてきました。
トレードマークは「潜水カエル」。ダイバー風のカエルが、フロッグマンという名前とその性能を体現しています。
MR-Gで完成度を最大限に高めたフロッグマン
MRG-BF1000R-1AJRでは、この人気ダイバーズウォッチ「フロッグマン」を、Gショックの最高峰ラインMR-Gの技術で再構築。潜水用Gショックというコンセプトはそのままに、洗練された仕上げと機能性、高級感が与えられました。その進化をひとつずつ確認してみましょう。
二重硬化処理を施した左右非対称のチタンケース
MRG-BF1000R-1AJRのケースには、他のMR-Gと同様に、軽量で錆びに強いチタンを採用。深層硬化処理とDLCコーティングを施すことで、メタルモデルらしい質感と錆びにくさ、耐傷性を獲得しています。加えて、丹念な仕上げが施されているため、高級感の演出も兼ねています。
なお、本作を真上から見ると、ストラップに対してケースがやや左寄りに配置された、オフセットデザインであることに気づきます。これは、水中でダイバーが操作しやすいように計算された形状であり、フロッグマンのアイコン的デザインとなっています。
ダイビング用に考案されたタフネス構造
本作のケースに使用されるチタンは加工が難しい素材であり、フロッグマンのオフセットデザインや均一な表面仕上げの実現には極めて高い技術が必要となります。
カシオはこの問題を解決するために、ケース、ベゼル、裏蓋など主要パーツから、りゅうず、ボタン、ビスなどの小型パーツに至るまで、その外装を70以上の部品に分割。それぞれに均一な仕上げを施すことで、チタンモデルながら高級感のある仕上がりを実現しています。
これだけパーツ分割を行っているにも関わらず、緻密な組み上げで高い防水性を実現しているのは、驚異的な技術力と言わざるを得ません。
また、各部品の間にフッ素ラバー製の緩衝体を噛ませたプロテクト構造によって、正面からの衝撃を緩和することにも成功。合わせて、ガラスを保護するフェイスガード機能も備えています。
その他、リュウズ、ボタン部にも保護パーツを組み込むことで、内部機械への衝撃も緩和されています。
機能性をギュッと凝縮した文字盤
ダイアルはグレーを基調とし、チタンの外装と色味を合わせています。また、表面をザラつきのある質感とすることで、視認性と個性を確保。メタリックブルーの差し色が時計全体をクールに飾り立てています。
このダイアル上では、ダイビングツールとして搭載されている様々な機能を管理できるようになっており、無駄のない表示が操作性を高めています。
文字盤中央にはMR-Gのロゴがゴールドカラーであしらわれており、最高峰モデルの威厳を感じ取れます。
ダイバーズスーツの上からも着用しやすいバンド
バンドには高い耐久性と着用感を兼ね備えるフッ素ラバー製のデュラソフトバンドを採用。軽快な印象でありながら、大ぶりな時計部をしっかりと手首に固定してくれます。このバンドは工具無しで取り外せるようになっており、メンテナンス、交換を簡単に行えます。
バックルには尾錠タイプ(ピンバックル)が取り付けられました。単純な操作で腕時計を着脱できるため、ダイバースーツの上から着用する際にも便利です。尾錠と遊環には64チタンが使用されており、こちらもタフネスは抜群。刻印されたMR-Gのロゴからもこだわりを感じられます。
トレードマークの表現もより洗練
裏ぶたには、純チタン製のスクリューバックが採用されています。中央には鮮やかなブルーのサファイアガラスが圧入されており、ここには初代フロッグマンのロゴが刻印されました。
サファイアガラスの採用は、内蔵アンテナの電波受信感度の確保のためであり、奥行きのある質感が最高峰モデルの特別感を強調しています。
MR-G フロッグマンのサイズ感は?
MRG-BF1000R-1AJRのケース径は49.7mmと、かなり大ぶりなサイズ感に仕上がっています。しかしながら、外装が占める割合が多く、ダイアルが小さく見えるため、意外と着用できる人の幅は広い印象です。一方で、腕時計の存在感を重視するのであれば、これ以上なく魅力的モデルに映るでしょう。
また、大径ケースは操作性、視認性を高めてくれる要素ですが、本作にも通常のGショックより大きいプッシュボタンとリュウズが取り付けられました。なお、このリュウズには、ロック時に「MR-G」刻印が常に水平をキープする特殊構造が採られています。これも、最高峰モデルらしいこだわりが見られるポイントです。
歴代フロッグマンから継承・進化した機能性
本作はISO規格に準拠したダイバーズウォッチであり、防水性はもちろんのこと、様々なダイバー仕様と機能を備えています。また、通常のGショックと同様の実用機能もしっかりと搭載しているため、マリンスポーツだけでなく、日常使いもできるダイバーズウォッチと呼べるでしょう。
タフソーラーと電波受信で常に正しい時間を表示。スマートフォン連携も
その他のGショックと同様に、本作もタフソーラーおよび電波受信機能を搭載しています。そのため、電波受信可能な場所では常に正しい時間を表示し続けてくれます。しかも、電池交換の必要はなく、一度フル充電を行えば最大で2年以上駆動し続けます。
また本作は、アプリ「CASIO WATCHES」を使えばBluetoothでスマートフォンとの連携が可能であり、デュアルタイムや、後述のダイビングログ、タイトグラフを管理できます。
飽和潜水が可能な200m防水
本作は、ISO規格200m潜水用防水機能を備えており、ガスボンベを使うようなダイビングでも着用できるモデルとなっています。この防水性は従来のフロッグマンと同等のレベルに設定されていますが、70以上の部品を組み合わせた本作は他モデルと根本的に設計が異なるため、ここでも進化が感じられます。
ダイブモード/タイドグラフモードを搭載
本作は3時位置の小窓でモードを管理します。ダイバーモード(12時位置の「D」マーク)に設定することで、潜水時間の計測、水面休息時間の表示、ダイビングログの取得が可能です。また、潮の干満を表示する「タイドグラフ(小窓内の1〜5時位置)」も搭載されているため、サーフィンや釣りといったマリンスポーツにも活用できるでしょう。
なお、タイトグラフはアプリ「CASIO WATCHES」との連携によって、表示する「タイドポイント」を設定できます。タイドポイントは世界中の3000を超える海沿いの地域から選択でき、その地点での干満だけでなく、時刻もデュアルタイムとして表示することが可能です。
視認性への配慮も
暗所でも時間を視認できるよう、高輝度LEDライトのスーパーイルミネーターが搭載されています。さらに、針・インデックスに夜光も塗布されているため、このLEDライト無しでも時間の確認が可能です。
本作をダイビングに使用する上での注意点
本作をダイビングで着用する際は、以下の項目に注意する必要があります。潜水時における、ダイバーズウォッチの誤用は命に関わることもあるため、使用前に認識をお願いいたします。
・りゅうずのねじがロックされていることを確認してからダイビングにご使用ください。
・充電不足や充電切れの場合は、充電をしてからダイビングにご使用ください。
・潜水の前に、船上など水上でダイブモードに切り替えてください。
・水に濡れた状態でりゅうずの操作はしないでください。
・充電量が少なくなると計測ができなくなり、カレンダーモードに切り替わります。
・ダイビング中は極端にライトを使用しないでください。極端にライトを使用した場合は、動作保護のためにダイブモードが終了し、針が停止します。また、一時的にすべての操作ができなくなります。
まとめ
当記事では、カシオ GショックのMR-Gから、最高峰のクオリティでリビルドされたフロッグマンをご紹介いたしました。ダイビングに必要な堅牢性と多彩な機能を備えた、通常のGショックとは異なる進化を見せる本機に、大きな魅力を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また本機はダイビングだけでなく、サーフィンやフィッシングといったマリンスポーツにも役立つモデルです。さらに、そのスタイリッシュなデザイン性はカジュアルファッションの外しとしても活躍が期待できるでしょう。
ぜひ一度お手に取っていただき、Gショック・ダイバーズの最高峰を体感していただけると幸いです。
カシオ G-SHOCK
MRG-BF1000R-1AJRの値段、スペック
基本情報
発売年月 | 2023年4月 |
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ケースサイズ(縦×横×厚さ) | 56 × 49.7 × 18.6 mm |
質量 | 132 g |
ケース・ベゼル材質 | チタン |
バンド | デュラソフトバンド(フッ素ラバー) |
構造 | 耐衝撃構造(ショックレジスト) 耐磁時計(JIS1種) |
防水性 | SO200m潜水用防水 |
時刻修正 | 電波時計 日本・北米・ヨーロッパ・中国地域対応 MULTIBAND6 |
使用電源・電池寿命 | タフソーラー(ソーラー充電システム) |
外装
ガラス | 内面反射防止コーティングサファイアガラス 球面・曲面ガラス |
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リューズ | ねじロック式リューズ |
裏蓋 | スクリューバック |
表面加工 | DLC処理+深層硬化処理 |
バンド装着可能サイズ | 150~220mm |
その他 | ネオブライト |
モバイルリンク/アプリ連携機能
モバイルリンク機能 | モバイルリンク機能(Automatic Connection、対応携帯電話とのBluetooth® 通信による機能連動) |
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アプリ | 「CASIO WATCHES」対応 |
アプリ連携機能 | 自動時刻修正 簡単時計設定 ワールドタイム約300都市 ダイビングログ タイドグラフ設定(世界約3300ポイント) 時計ステータス表示 セルフチェック 携帯電話探索 Premium Production Line生産証明書 |