その力強い存在感、ダイナミックなデザイン性が魅力のダイバーズウォッチは、決してただの腕時計ではありません。高い防水性能、水圧に耐えられる堅牢性、潜水時間を計測できる機能、深海の暗闇に対応できる視認性など、その名の通り、潜水に特化した多くの機能を持っています。
また、本格的なスペックのものは、JIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)の厳格な規格に則って設計されており、その性能が保証されているのです。
本記事では、ダイバーズウォッチの基本的な特徴から、各種規格、そして実際に規格に準拠している本格的なモデルまで詳しくご紹介します。
ダイバーズウォッチの魅力をより深く知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ダイバーズウォッチとは?
ダイバーズウォッチは、その名のとおりダイビングなどの水中活動に特化した時計です。19世紀に防水時計が誕生したのちに、海洋産業の発展や軍需の増加に合わせて進化を重ねてきました。近年では、ツールウォッチとしての魅力に加え、ファッションアイテムとしての需要も高まっており、日常使い用の時計としても魅力的です。その特徴について確認していきましょう。
高い防水性能
ダイバーズウォッチの最も基本的な特徴は、高い防水性能です。200m以上の防水性能が基本であり、日常生活においては水濡れの心配がほとんどありません。また、防水性能は基本的にダイアルに記載されていますが、気圧表記(BAR/ATM)と潜水深度表記(ft/m)で表示されることが多いです。
現在でも防水性は、ケース製造技術の進歩に合わせて進化を続けており、中には6000m防水を超えるモデルも登場しています。
堅牢性と耐圧性を備えた設計
高い防水性を備えるダイバーズウォッチは、もちろん耐久性も優秀。ステンレススティールやチタン、セラミックを採用した外装は、高いタフネスを実現しています。
また、いかなる環境でも正確な計時を可能とするため、ムーブメント自体にも耐久性が備わっていることが多い印象です。結果的に大ぶりなサイズのコレクションが多くなっていますが、腕時計の存在感を重視する方にとっては魅力的な選択肢となりうるでしょう。
潜水時間の計測
ダイビング時には、ガスボンベの残量との兼ね合いもあり、潜水時間の計測が極めて重要となります。そのため、ダイバーズウォッチには通常、秒数が記された回転ベゼルが搭載されています。また、逆回転防止機能によって、仮にズレたとしても、万にひとつも潜水時間が長くなることはありません。命を預けるツールに不可欠な機能のひとつと言えます。
中にはインナーベゼルを採用し、リュウズでベゼルを固定する、古風なモデルも登場しています。
視認性
光が届かないほどの深海では、視認性の確保が難しくなります。そのため、多くのダイバーズウォッチの表示部には夜光が充填されており、暗所でも時間をしっかりと確認できるようになっています。
近年はその技術も進化しており、一度たっぷりと光に当てることで、長時間光り続けてくれます。日常生活でも役立つ機能となってくれるでしょう。
ダイバーズウォッチの規格に準拠した本格派モデルも
JIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)といった規格では、防水性、機能性などで、ダイバーズウォッチはこうあるべきという基準が定められています。本格的なダイバーズウォッチについては、この規格に準拠していることが多く、信頼に足るモデルと呼べるでしょう。
潜水に特化した追加機能も
ダイバーズウォッチの特徴には、時計内部に入り込んだヘリウムガスを排気する「ヘリウムエスケープバルブ」や、簡単な調整でダイバースーツの上から着用できる「エクステンションバックル」といった機能も挙げられます。
よりツールとしての魅力を追求するのであれば、これらの機能の有無も選択の基準とすると良いでしょう。
JIS(日本工業規格)とISO(国際標準化機構)について
より本格的なダイバーズウォッチを選びたいのであれば、JIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)等の規格に準拠しているかを重視すると良いでしょう。
どちらも、良質なダイバーズウォッチに必要な品質および性能を定めたものであり、これらの規格に準拠したダイバーズウォッチを選ぶことで、よりツールとしての魅力が高まります。
なお、ISOおよびJISで推奨されているダイバーズウォッチの性能は、比較的似通ったものとなっています。
JISおよびISOで定められたダイバーズウォッチとは
ダイバーズウォッチは、現在の規格ではISO 6425および、JIS B7023でその性能が規定されています。
ISOを参考とすると、ダイバーズウォッチは、「少なくとも水深100mの潜水に耐えるように設計され、暗闇で見える視認性と、潜水時間を示す安全な測定システムを備えた時計」とされています。つまり、実際の潜水に使用できるだけでなく、着用者の命を守る機能も必須となっているのです。
その他にも、耐熱衝撃性、耐塩水性、耐衝撃性といったタフネスも条件が多く定められており、本格派ダイバーズウォッチを目指すのであれば、これらの条件を満たすのが肝要となるわけです。
なお、これらの規格は更新されることも珍しくなく、各ブランドもそれに合わせて腕時計のアップデートを続けています。
ハラダ厳選!おすすめのダイバーズウォッチ4モデルをご紹介
最後に、ハラダが厳選したおすすめのモデルをご紹介します。
各ブランドからおすすめする4つのモデルは、プロのダイバーからも高く評価されているものばかりです。
それでは、ダイバーズウォッチの魅力をおすすめモデルと一緒に深掘りしていきましょう。
【グランドセイコー SLGA023】ダイバーズウォッチの精緻な美と高性能
まずは、紳士的なイメージのグランドセイコーから、波のうねりを表現したダイヤルが印象的な「SLGA023」をご紹介します。
デザインと特性
グランドセイコーのSLGA023は、美しさと機能性の絶妙なバランスを持っています。
ダイバーズウォッチにふさわしい、ダイナミックな波のうねりを感じるダイヤルは力強さと同時に、大人の静けさをも表現されているようです。
ブルーのダイアルとセラミック製の逆回転防止ベゼルは、海の美しさと堅牢性を象徴しています。
ベゼルは耐摩耗性に優れ、長期間の使用でも美しさを保ちます。
防水性能は200mまで確保。プロのダイバーが深海で活動する際にも安心できる水深です。
また、本モデルはセイコー独自のスプリングドライブを搭載しており、高い精度で時間を計測できます。
ダイビング中は時間測定が命に関わる場面も多いですが、そのような緊急時でも頼りになる時計です。
視認性も高く、夜光塗料が施されたインデックスと針で、暗い水中でも時間をはっきりと確認できます。
特に、秒針の先端が赤く塗られているのは、一瞬で時間を認識できるように工夫されています。
全体的なバランスがよい信頼の一本
SLGA023の最大の魅力は、全体的なバランスの良さです。
デザイン、機能性、耐久性が一体となって、非常に高いレベルで調和を達成しています。
価格帯は高めですが、価格に見合った品質と性能が確保されています。
また、グランドセイコーのブランド力もあり、所有するだけで一種のステータスともなり得るでしょう。
本モデルは、ダイバーズウォッチとしての基本的な要件をしっかりと満たしながら、それ以上の価値を提供しています。
美しいデザインと高性能は、ダイビングだけでなく、日常生活での使用にも十分に応えてくれるでしょう。
【ロンジン ハイドロコンクエストL3.780.4.96.6】海と活躍するエレガンスな選択
2本目におすすめするモデルは、ロンジンのハイドロコンクエストL3.780.4.96.6です。
爽やかなブルーが、どのようなシーンやスタイルにもフィットするでしょう。
デザインと特性
ロンジン ハイドロコンクエストは、スイスの時計メーカー、ロンジンが提供するスポーツコレクションの一つです。本モデルは、ステンレススティールとセラミックを組み合わせたケースを持ち、スクラッチレジスタントなサファイアクリスタルガラスに両面に複層無反射コーティングが施されています。
ダイヤルはブルーのサンレイで、アプライドのアラビア数字とインデックスが特徴です。
また、シルバー「ポリッシュ」の針にはSwiss Super-LumiNova®が使用されています。
本モデルは、防水性能が30気圧まであり、ねじ込み式のリューズと逆回転防止ベゼルを装備。ダイビング時に安心して使用できる設計となっています。
コスパのいいデイリー使いのダイバーズウォッチ
ロンジン ハイドロコンクエストは、エレガンスと高性能を兼ね備えたモデルとして多くの人に愛されています。
自動巻きのムーブメント(L888)は、約72時間のパワーリザーブを備えています。
ブレスレットはステンレススティールで、ダブルセーフティのフォールディングクラスプと一体型のダイビング用延長ピースが付いています。
コストパフォーマンスが高く、普段使いにも好適なダイバーズウォッチと言えるでしょう。
【シチズン MARINEシリーズ NB6021-17E】深海から日常までの信頼性
3本目は、シチズンが生み出す本格派のダイバーズウォッチです。
「フジツボダイバー」として愛された、機械式ダイバーズウオッチ「チャレンジダイバー」のデザインを継承しています。
デザインと特性
シチズンのMARINEシリーズ NB6021-17Eは、プロフェッショナルダイバーから日常使いまで幅広く対応するダイバーズウォッチです。
シチズン独自のチタニウム加工技術と表面硬化技術(デュラテクト)を施した「スーパーチタニウム」を採用。
ステンレスに比べて40%軽く、5倍以上の表面硬度を持つこの素材は、耐久性と快適性を高めています。
磁力による時刻のズレを防ぐ「第2種耐磁」機能も備えており、スマートフォンやタブレットから発生する磁力にも強いです。
防水性能は200mと、プロのダイバーにも十分なスペックを持っています。
また、逆回転防止ベゼル、ねじロック式のリューズ、夜光(針+インデックス)など、ダイビングに必要な機能が充実しています。
日常使いからプロまで使えるフジツボダイバー
シチズン MARINEシリーズ NB6021-17Eは、1977年発売の「チャレンジダイバー」のデザインを現代にアップデートした形で登場しています。
機械式(自動巻き+手巻き)のムーブメントを搭載し、約42時間のパワーリザーブ。
重量は108g、厚みは12.3mmと、バランスの取れたサイズ感があります。
特に、本モデルを選ぶことで持続可能な未来への貢献もあり、製品の年間売上の1%が地球に還元されるという取り組みも行われています。
【オメガ シーマスター PLANET OCEAN 6000M コーアクシャル マスター クロノメーター 45.5MM】極限の深海へ
最後にご紹介するおすすめモデルは、オメガ シーマスターシリーズからの一本です。
水深6,000m(20,000フィート)もの防水性をもつ本モデルは、まさに究極のダイバーズウォッチといえるでしょう。
デザインと特性
オメガのシーマスター PLANET OCEAN 6000Mは、極限の深海探査に対応するダイバーズウォッチとして設計された見事な一本です。
45.5mmの堅牢なO-MEGASTEEL製ケースは、ポリッシュ仕上げのブルーセラミック製ベゼルとホワイトエナメルのダイビングスケールを備えています。
ドーム型のサファイアクリスタルガラスを通して見えるラッカー仕上げのホワイトダイアルには、ブルーのアラビア数字と18Kホワイトゴールド製の針、インデックスが配置されています。
堅牢性と高い機能性を持ちながらも高級感溢れる一本
本モデルは、水深6,000m(20,000フィート)までの防水性能を持ち、ISO 6425:2018に準拠しています。
特に注目すべきは、オメガが特許を取得した、伸縮可能な折りたたみ式ラック&プッシャーを備えたO-MEGASTEEL製ブレスレットです。
ダイビングの際の長さ調整やサイズ調整が容易になっています。
また、ケースバックのグレード5チタン製メダリオンには、オメガを象徴する中央のシーホースと共に、ソナーエンブレムがエングレービングで刻印されています。
極端な環境での使用にも耐えうる堅牢性と高い機能性を持ち合わせながらも、高級感あふれるデザインと素材を採用している点が特に魅力です。
価格は1,958,000円と高価ですが、その価値は十分に感じられる一本として大変おすすめです。
ダイバーズウォッチ、その深い魅力と選び方
ダイバーズウォッチは、ただ時を知るための道具を超え、ダイバーの命を守るアイテムと呼べます。
深海の探査者、冒険家はもちろんのこと、スタイルにこだわる人にとっても、信頼性と美しさを兼ね備えた逸品となってくれるでしょう。
また、本記事で紹介した各モデルは、ISOやJISといった厳格な規格に準拠しており、デザイン性と機能性を高いレベルでバランスさせています。
特に、グランドセイコー、ロンジン、シチズン、オメガのモデルは、その代表例といえるでしょう。
腕時計は、その人自身を表現するアイテムでもあります。
高い防水性能と優れたデザインを求めるなら、これらのダイバーズウォッチは間違いなくおすすめです。
購入を検討されている方は、ぜひ一度手に取ってその魅力を体感してみてください。