ロンジンは、パイロットウォッチなどで知られる歴史あるブランドです。その長い歴史から、人気の高いヴィンテージモデルも多く中古市場に流通していますが、それらには付属書類がないこともあるでしょう。そのようなときは型番を参考にすると、そのモデルについての情報を得ることができます。
本記事では、ロンジンの型番の基本構成と各番号の見方について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
※本記事の内容は、2024年4月時点の情報です
ロンジンの型番に注目するメリット
ロンジンの型番の読み方を知っておくと、腕時計を購入する際などで、モデル特徴の把握に役立ちます。
ロンジンの腕時計の基本的な特徴は、型番から把握できるようになっています。もし、付属書類がない場合や人から譲り受けた場合でも、型番を見ればそのモデルが属するコレクションやケース素材などの特徴を、ある程度読み取ることができます。
オンラインショップで購入するなど、現物が手元にない場合にも活用できるので、ロンジンの腕時計の購入を検討している方はぜひ理解しておきましょう。
ロンジンの型番はどこに記載されている?
ロンジンの型番は、ケース(本体)の裏蓋に刻印されています。
例:L2.673.4.78.3
ただし刻印されているのは型番の一部のみです。ロンジンの型番は冒頭の「L」に続いて全部で8桁の数字で構成されていますが、ケースに刻印されているのは冒頭の5桁のみです。(上記の型番であればL2.673.4まで)
この5桁の数字は、そのモデルの「カテゴリー」「サイズ」「モデルナンバー」「ケース素材」に関する情報を示しています。
残りの3桁は「文字盤」「インデックスの種類」「ブレスレット・ストラップ」についての番号で、現品の外見からも分かりやすい要素です。そのため、刻印されている5桁だけでも、そのモデルについて知るための十分な情報を得られるでしょう。
なお、ケース裏蓋の外側などにある「シリアルナンバー」と型番は異なります。シリアルナンバーは個々の腕時計に固有の番号ですが、型番は同じモデルに共通する番号です。混同しないように注意しましょう。
ロンジンの型番の意味
ロンジンの腕時計の型番は、以下のように冒頭が「L」から始まり、その後に「.」ドットで区切られた8つの数字が続く構成になっています。
例:L2.843.4.93.2
冒頭のアルファベット「L」は共通なので、2文字目以降の数字に注目しましょう。ドットで区切られた各番号の意味は、それぞれ左から以下の順番で並んでいます。
【L2.843.4.93.2を例に、番号を振った図を示す】
1.モデルカテゴリー
2.ケースサイズ
3.モデルナンバー
4.ケース素材
5.文字盤のカラー・インデックスの種類
6.ブレスレット・ストラップの素材
各番号の読み方について、以下に詳しく解説します。
※以下に説明する番号の意味は、全モデルに当てはまるものではありません。例外モデルも存在します
1. モデルカテゴリー
Lに続く番号は、そのモデルが属する「カテゴリー」を表します。
ロンジンの型番は、コレクションごとに専用の番号が割り振られるのではなく、複数のコレクションをまとめたカテゴリー番号が割り振られます(1つのコレクションのみが該当するカテゴリー番号もあります)。
主なコレクションのカテゴリー分けは以下のとおりです。
番号 | コレクション |
1 | コンクエスト ヘリテージ |
2 | マスターコレクション/コンクエスト クラシック/レコード/ヘリテージ クラシック |
3 | コンクエスト/ハイドロ コンクエスト/ロンジン スピリット |
4 | エレガント コレクション/フラッグシップ/ラ グラン クラシック ドゥ ロンジン |
5 | ドルチェヴィータ |
6 | イクエストリアン |
8 | プリマルナ |
モデルカテゴリー番号が異なるモデルの具体例
例として、コレクション数が多いカテゴリー番号「2」「3」「4」のモデルを見ていきましょう。
カテゴリー番号「2」は、「マスターコレクション」や「ヘリテージ クラシック」など、伝統的でクラシックなデザインのモデルに付けられる傾向があります。
例:L2.793.4.73.2 マスターコレクション 190周年記念モデル 40mm
「3」は、ダイバーウォッチの「ハイドロ コンクエスト」や、パイロットウォッチの「ロンジン スピリット」などプロフェッショナルモデルに付けられるカテゴリー番号です。
例:L3.790.4.06.6 ハイドロコンクエストGMT 41mm
カテゴリー番号「4」のモデルは、「エレガント コレクション」や「ラ グラン クラシック ドゥ ロンジン」など、上品でエレガントなモデルが多く該当します。
例:L4.812.4.11.6 エレガントコレクション 39mm
2. ケースサイズ
ドットで区切られた2つ目、3桁の数字ですが、その最初の数字はモデルのケースサイズを表しています。
この数字では、そのモデルの大まかなケースサイズが分かるようになっています。「1~9」の番号が割り当てられ、基本的には数字が大きいほどケースサイズが大きくなる傾向にあります。
ロンジンは1〜4の数字を「スモール」、5を「ミディアム」、6〜9を「ラージ」に設定しています。実際のモデルを確認してみると、「1〜4」や「5」が割り振られているのはレディースモデルが中心で、21.5×29mmの小ぶりなスクエアサイズから、直径34mmのボーイズサイズまでが属しています。
一方、「6〜9」はメンズサイズが中心です。ロンジンのメンズモデルは直径36mm以上のモデルが数多く登場しており、直径40mmのマスターコレクション「L2.909.4.78.6」では「9」の数字が使われています。
しかしながら、直径47.5mmのリンドバーグ アワーアングルウォッチ「L2.678.4.11.0」には「6」の数字が使われているなど、特例も見られます。そのため、数字から腕時計のサイズ感を正確に推し量るのは難しくなっています。
3. モデルナンバー
3桁の数字の下2桁は、そのモデル固有のモデルナンバーを示しています。これは、いわゆる通し番号であり、ロンジンが定めたルールによって付けられています。
上記のケースサイズも含めると、3桁の数字はモデルごとにさまざまな数字が割り当てられるため、法則性を把握することは難しいでしょう。
モデルナンバーが異なるモデルの具体例
200~300番台は、ケースサイズが小さいレディースウォッチに多いモデルナンバーです。
例:L4.209.4.97.6 ラ グラン クラシック ドゥ ロンジン 24mm
400番台は、女性・男性問わず着用できる中間的なケースサイズのモデルが多く該当します。例えば以下に例として挙げるモデルナンバー「410」のロンジン スピリットは、ケースサイズ37mmとコンパクトで、女性はもちろん手首が細い男性などにもおすすめです。
例:L3.410.4.63.6 ロンジン スピリット 37mm
600番台以上のモデルナンバーは、大きめサイズのメンズウォッチに付くことが多いです。例えば同じロンジン スピリットでも、前述の「410」はコンパクトサイズですが、以下の「810」はケースサイズ40mmで大きめのモデルです。
例:L3.810.4.93.6 ロンジン スピリット 40mm
4. ケース素材
ドットで区切られた3つ目の番号は、そのモデルの「ケース素材」を表しています。
ステンレスやレッドPVDなどケース素材が18K素材ではないものは「0~4」が、18Kイエローゴールドなど18K素材のモデルには「6~9」が割り当てられます。「5」はその中間的な存在で、ステンレスと18K素材を合わせたコンビモデルの番号です。
ケースにダイヤモンドが付いているかどうかでも番号が異なります。番号ごとのケース素材の詳細は以下のとおりです。
なお、ここで登場するPVDは、素材に施されているコーティングを指します。ロンジンでは、イエローゴールドあるいはピンクゴールドカラーのPVDがしばしば使用されています。
番号 | ケース素材 |
0 | ステンレス(ダイヤモンド付き) |
1 | ピンクPVD、ブロンズ |
2 | イエローPVD、ブラックPVD |
3 | ステンレス+レッドPVDなど非18K素材のコンビ |
4 | ステンレス、セラミック、ステンレス+セラミック |
5 | ステンレス+18K素材のコンビ |
6 | 18Kイエローゴールド |
7 | 18Kイエローゴールド(ダイヤモンド付き) |
8 | 18Kローズゴールド |
9 | 18Kローズゴールド(ダイヤモンド付き) |
※一部例外があります
ケース素材の番号が異なるモデルの具体例
例えばケース素材の番号として「4」が付く以下のマスターコレクションは、ケース全体がステンレス製であることが分かります。
例:L2.909.4.78.3 マスターコレクション 40mm
同じマスターコレクションでも、以下のモデルはケースにはステンレスだけでなく18Kピンクゴールドが使用されており、番号も「5」が振り分けられています。
例:L2.793.5.77.7 マスターコレクション 40mm
ケース素材番号が「6」の以下モデルは、ステンレスとのコンビネーションではなく、ケース全体に18Kイエローゴールドが使用されています。
例:L2.844.6.71.2 マスターコレクション GMT 40.00mm
4. 文字盤・インデックス
ドットで区切られた4つ目の番号が示しているのは、文字盤・インデックスの特徴です。
2桁の数字で構成され、1桁目は「文字盤のカラー」を、2桁目は「インデックスの種類」を表しています。具体例は以下のとおりです。
1桁目の番号 | 文字盤のカラー |
0 | グリーン |
1 | ホワイト |
3 | ゴールド |
5 | ブラック |
6 | ブラウン |
7 | シルバー・グレー |
8 | パール |
9 | その他、ブルーなど |
※一部例外があります
2桁目の番号 | インデックスの種類 |
1 | ローマ数字 |
2 | バーインデックス |
3 | アラビア数字 |
7 | ダイヤモンド |
※一部例外があります
文字盤の番号が異なるモデルの具体例
例えば以下のモデルは、文字盤・インデックスの番号が「11」です。1桁目の文字盤カラー番号が「1」で「ホワイト」、2桁目のインデックス番号が「1」で「ローマ数字」であることが表されています。ペイントかアプライド(立体)かに関係なく、ローマ数字のインデックス番号は「1」で共通です。
例:L2.820.4.11.6 レコード 38.5mm
以下のモデルは「52」で、文字盤のカラー番号は「5」の「ブラック」、インデックス番号は「2」で「バーインデックス」が使われています。
例:L1.649.4.52.2 コンクエスト ヘリテージ 38mm
以下は、インデックスの種類が「3」のアラビア数字のモデルです。文字盤のカラー番号の「9」はさまざまなカラーで使われる番号ですが、こちらのモデルはブルーの文字盤です。
例:L3.821.4.93.6 ロンジン スピリット フライバック 42mm
5. ブレスレット・ストラップの素材
ロンジンの型番の最後の数字は、ブレスレット・ストラップの素材を表しています。具体的な番号の例と該当するブレスレット・ストラップの種類は以下のとおりです。
番号 | ブレスレット・ストラップの種類 |
0~5 | レザーストラップ |
6 | ステンレスブレスレット |
7〜9 | 非金属ストラップ |
A-Z | 非金属ストラップ |
※一部例外があります
ブレスレット・ストラップの素材番号が異なるモデルの具体例
例えば以下のモデルは型番の最後の番号が「3」で、アリゲーターのレザーストラップが使用されています。
例:L2.673.4.78.3 マスターコレクション 40mm
以下のモデルは型番の最後が「6」で、ブレスレットの素材はステンレス1種類です。
例:L3.802.4.53.6 ロンジン スピリット Zulu Time 39mm
以下はブレスレットにステンレスと18Kイエローゴールドの2種類の素材を使用したコンビモデルで、型番の最後には「7」が割り当てられています。
例:L2.893.5.97.7 マスターコレクション 42mmL3.821.4.93.6例:L2.893.5.97.7 マスターコレクション 42mm
ロンジンの腕時計のご購入は正規販売店へ
中古モデルを選ぶときや、オンラインショップで腕時計を探す際などに、型番の読み方を知っておくと便利です。ロンジンの型番からは、そのモデルが属するコレクションやケース素材など、多くの情報を読み取ることが可能です。
HARADAのオンラインショップでは、腕時計選びの参考にしていただけるよう、ロンジンの各モデルの商品ページで型番を分かりやすく表示しています。最大100回まで分割手数料無料のショッピングローンや、腕時計の無料点検などうれしい付帯サービスも充実しています。お気に入りの1本をお探しの方は、ロンジン正規販売店のHARADAをぜひご利用ください。
この記事の監修
- 時計は単なる時間を知るためのツールではなく、個性やスタイルを表現する大切なアイテムであるという信念のもと、ハラダではお客様一人ひとりのライフスタイルに合った時計を提案し、長く愛用できる商品選びをサポートしています。
当ブログでは、最新の製品レビュー、メンテナンスのコツ、時計に関するトリビアなど、腕時計に関する多岐にわたる情報を提供しています。
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