
オメガのスピードマスターは、NASAの公式装備に選ばれ、数多くの宇宙ミッションに寄り添ってきた歴史が有ります。当記事では、その原点ともいえるCK 2998を復刻したスピードマスター ファースト オメガ イン スペース「Ref.310.30.40.50.06.001」をレビューいたします。ムーンウォッチに先駆け、宇宙へ向かった伝説的ウォッチの魅力に迫ります。
初めて宇宙に向かったオメガウォッチ
オメガのスピードマスタープロフェッショナルは、NASAの公式装備に選ばれてからムーンウォッチと呼ばれるようになり、月に行った時計として知られるようになりました。しかしながら、このスピードマスターに先駆けて、宇宙へ向かったオメガウォッチがあるのはご存知でしょうか。

それが、「スピードマスター CK 2998」です。1962年10月3日、マーキュリー計画の一環で行われたシグマ7ミッションにおいて、宇宙飛行士ウォルター・シラーは、私物のこの時計を腕に、宇宙空間へと飛び立ちました。この瞬間、CK 2998は“宇宙に行った初のオメガ ウォッチ”として、歴史にその名を刻むこととなったのです。

当記事でご紹介するスピードマスター ファースト オメガ イン スペース『310.30.40.50.06.001』は、この記念すべき腕時計を現代に蘇られせたモデルです。
デザインはオリジナルの特徴を再現しつつも、素材や仕上げ、ムーブメントに最新の技術を取り入れ、オリジナルへの敬意と現代的な実用性が見事に融合。まさに、伝説を現代に昇華させた逸品として仕上がっています。
宇宙を旅した腕時計をリスペクトしたデザイン
『310.30.40.50.06.001』は、ヴィンテージ感あふれるディテールと現代的な技術が融合し、ロマンにあふれつつも、実用的な腕時計に仕上がっています。その魅力を詳しくご紹介しましょう。
極限まで洗練された美しいダイアル

『310.30.40.50.06.001』のダイアルは、1960年代の名機「CK 2998」のトーンを再現しつつ、現代的な美意識で練り上げられています。
CVDによるコーティングを施したグレーブルーのダイアルは、当時のヘサライトガラスを思わせるドーム型サファイアクリスタルの下で、サンレイ仕上げによって豊かな表情を描き出します。深みある色調と精緻な仕上げが調和し、時を超えた魅力を放つのです。

またバーインデックスとオリジナルを再現したアルファ型の時分針には、ブラウンがかったスーパールミノヴァが塗布され、ヴィンテージテイストを強調しながらも高い視認性を確保しています。
さらにバトン型の中央クロノグラフ秒針には、ホワイトのニスを塗布し、高い視認性を実現。加えて3時位置に30分計、6時位置に12時間計、9時位置にはスモールセコンドを備えたサブダイアルが配置され、それぞれに同心円状の繊細なパターンが刻まれています。
そして、現代のスピードマスターには見られない、ヴィンテージ風のオメガロゴも本作ならではの魅力です。往年の風格と現代の感性が交差する、完成度の高いフェイスといえるでしょう。
伝説的なドットオーバー90を再現したタキメーターベゼル

『310.30.40.50.06.001』に採用されたブラックアルミニウム製のベゼルインサートには、往年のスピードマスターに見られた“ドットオーバー90”が再現されています。
タキメータースケール上の90の数字の上にドットが配置されている仕様であり、1960年代の初期モデルに採用された特徴的なディテールです。こちらの意匠は、歴史的価値を重んじるコレクターや愛好家にとって特別な意味を持つ要素。クラシカルな佇まいに、知る人ぞ知るこだわりを宿した仕様と言えます。
スタイリッシュでシャープなケース
『310.30.40.50.06.001』は、直径39.7mmという、現行モデルと比べるとコンパクトなサイズに、洗練されたバランス感覚が宿るケースデザインが魅力です。
リュウズガードを省いたことで、スピードマスタープロフェッショナルとは異なるシンメトリーなラインが際立ち、全体としてシャープかつスタイリッシュな印象を放ちます。また表面には艶やかな鏡面仕上げが施され、光を受けて上品に輝く一方、側面にはヘアライン加工を取り入れることで、コントラストの効いた立体的な表情を生み出しているのです。クロノグラフのプッシュボタンも鏡面仕上げで統一され、指に心地よく触れる滑らかな操作感を実現。リュウズにはヴィンテージ調のオメガロゴがあしらわれており、細部へのこだわりが随所に感じられます。

ちなみに、ケースバックには象徴的なシーホースのメダリオンとともに、“THE FIRST OMEGA IN SPACE”、“OCTOBER 3, 1962”の文字が刻印されています。宇宙を旅した歴史的モデルへのオマージュとして、機能美と情緒を備えたケースといえるでしょう。
特許取得済システムを採用したブレスレット

本モデルに組み合わされた3列式のフラットリンクブレスレットは、ヴィンテージ調の佇まいと現代的な快適性を両立しています。左右のリンクに鏡面仕上げを、中央のリンクにはヘアライン加工を施すことで、光沢と落ち着きを織り交ぜた質感のバランスが見事に整えられています。
またバックル部には、オメガが特許を取得したコンフォートリリースシステムを採用。これはブレスレットの留め具付近のリンクにスプリングを内蔵することで、簡単な操作で長さの微調整が可能な機構です。長時間の装着でも快適なフィット感を保ち続けます。
さらに別売りのファブリックやレザー製ストラップとの交換可能で、シーンに応じたスタイルチェンジも容易。使うほどに馴染む、実用性と美観を兼ね備えたブレスレットです。
洗練された特別なボックスが付属

『310.30.40.50.06.001』には、特別仕様のボックスが付属します。
シックなブラックカラーで統一されたボックスには、上質なファブリック素材が用いられており、クラシカルで落ち着きのある雰囲気を演出。内部には柔軟性のあるクッション材が使用され、衝撃から時計をしっかりと保護します。
特筆すべきは、ボックスの蓋の内側に刻まれたディテール。オメガの象徴でもあるシーホースのメダリオンとともに、“THE FIRST OMEGA IN SPACE”、“OCTOBER 3, 1962”の文字があしらわれており、本モデルが持つ宇宙との強い結びつきを感じさせる仕掛けです。
パッケージそのものにも、ブランドの誇りと美意識が込められているといえるでしょう。
『310.30.40.50.06.001』による抜群の機能性を解説
『310.30.40.50.06.001』は、高いスペックを備えた高機能な逸品です。詳しくご紹介します。
METAS認定コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー3861搭載
『310.30.40.50.06.001』に搭載されているのは、手巻き式のコーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー3861です。現行のスピードマスター プロフェッショナルに搭載されているキャリバーと同じものであり、伝統と革新が融合した精密機構となっています。

本キャリバーは、スイス連邦計量・認定局(METAS)が制定したマスター クロノメーター規格に準拠し、10日間にわたる8項目の厳格なテストをクリアしています。スイス公認クロノメーター「COSC」を上回る水準で、日差0〜+5秒以内という高精度を保証する信頼性の高いスペックです。

さらにオメガ独自のコーアクシャル エスケープメントを搭載することで、摩耗を抑え、長期的な精度の安定を実現。加えてフリースプラングテンプとシリコン製ヒゲゼンマイの採用により、15,000ガウス以上という優れた耐磁性能を有しています。
そして約50時間のパワーリザーブを確保すると同時に、30分計・12時間計・クロノグラフ秒針による3カウンター構成により、正確な経過時間の計測も可能です。
手巻き式という点も相まって、時間を巻き上げる行為そのものが、所有する喜びを引き立てます。
優れた耐久性や堅牢性
『310.30.40.50.06.001』は、過酷な環境下でも安定した性能を発揮する優れた耐久性を有しています。
ケースとブレスレットには、高純度の316Lステンレススティールを採用。医療分野でも使われる素材で、高い耐食性と肌への優しさを兼ね備えています。海辺や山岳地などでも安心して使用できるでしょう。
ベゼルは軽量なアルミニウム製インサートを持ち、オメガ独自の陽極酸化処理によって通常の約2倍の硬度を実現。衝撃や擦れにも強く、美観を長く保ちます。
さらに風防には傷に強いサファイアクリスタルを採用し、日常使用での信頼性も確保しています。加えて15,000ガウス超の耐磁性と5気圧防水を有しており、磁気や水濡れの多い日常環境にも対応しています。高い信頼性を備えた逸品といえるでしょう。
『310.30.40.50.06.001』のサイズと使い心地

『310.30.40.50.06.001』は、39.7mmのコンパクトなケース径に13.4mmの厚みを加え、フィット感と重厚感を両立したモデルです。手首に自然になじみながら、適度なボリュームで確かな存在感を演出。重量は133gと程よく、装着時の信頼感にもつながっています。
ブレスレットには、オメガが特許を取得した「コンフォートリリースシステム」を搭載。留め具付近のリンクに内蔵されたスプリング機構が手首の動きや気温変化による膨張・収縮にしなやかに対応し、快適な装着感を保ちます。
さらに別売りのファブリックバンドやレザーストラップに交換すれば、軽快な着用感と新たな表情も楽しめる汎用性の高さも。スタイリッシュなデザインは、ビジネスからカジュアルまで幅広く活躍してくれるでしょう。
『310.30.40.50.06.001』はどのような方におすすめ?

『310.30.40.50.06.001』は、宇宙のロマンを日常に取り入れたい方にふさわしい一本です。1962年に宇宙を旅した腕時計のセカンドモデルへのオマージュとして誕生し、宇宙とのつながりを感じさせる意匠を随所に備えています。歴史を腕にまとうような特別な体験が味わえるモデルです。
また、ヴィンテージ感のある丈夫な時計を求める方にもおすすめ。グレーブルーのダイアルにアルファ針を組み合わせ、落ち着きのある上品な印象を演出します。加えて外装には316Lステンレススティールや高硬度アルミニウム製ベゼル、サファイアクリスタル風防を採用し、堅牢性と美しさを両立しているのです。
さらに、高機能な腕時計を探している方にも適しています。METAS認定のキャリバー3861を搭載し、優れた精度・耐磁性・パワーリザーブを備えた信頼性の高いモデルです。
オメガの保証
『310.30.40.50.06.001』には、5年間の国際保証が付帯します。材質や製造上の欠陥に対して有効であり、正規サービスセンターにて無償での修理が行われます。高精度な機械式時計を安心して長く愛用できる制度といえるでしょう。
ただし通常使用による摩耗や外装のキズ、落下などの事故や過失による故障については、保証の対象外となるため注意が必要です。
オメガの正規販売店で購入した際には保証書が同梱されており、保証を受ける際に必要となります。必ず大切に保管しておきましょう。
宇宙のロマンを宿した『310.30.40.50.06.001』をその手に!
『310.30.40.50.06.001』は、オメガの長い歴史と宇宙開発のロマンが凝縮された特別なタイムピースです。1962年に宇宙を旅した腕時計の精神を現代に引き継ぎ、ヴィンテージの意匠と最新技術を融合させた本作は、時計という枠を超えたストーリー性を宿しています。
CVDコーティングが施されたグレーブルーのダイアルや“ドットオーバー90”のタキメーターベゼル、ヴィンテージロゴをあしらったディテールなど、往年のスピードマスターへの敬意が感じられる仕上がり。
さらにMETAS認定のキャリバー3861は、高精度・耐磁性・耐久性をすべて備え、機械式時計としての実用性も極めて高いレベルに達しています。
ビジネスからカジュアルまで幅広く活躍するデザイン性も魅力で、時計を身につける喜びを改めて感じられるでしょう。ぜひ実際に体感してみてください。
スペック詳細
ラグの間のサイズ | 19 mm |
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ラグを含めた縦方向の長さ | 48 mm |
厚さ | 13.4 mm |
ケース直径 | 39.7 mm |
ケース | ステンレススティール |
ダイアルの色 | ブルー グレー |
クリスタル風防 | 内側に無反射コーティングを施した傷がつきにくいヘサライト風サファイアクリスタル |
防水 | 5 気圧 (50 メートル / 165 フィート) |
おおよその製品総重量 | 133 g |
キャリバー | オメガ 3861 |
ムーブメント | 手巻き |
パワーリザーブ | 50時間 |
ブレスレット素材 | ステンレススティール |
クラスプの種類 | コンフォートセッティング付きバタフライクラスプ |
機能 | クロノグラフ、クロノメーター、タキメーター、スモールセコンド、 マスター クロノメーター認定、超高耐磁性能ムーブメント |
保証 | 全てのオメガウォッチには、材質上または製造上の欠陥の修理を対象とする5年保証が提供されます。 保証の条件および制限については、取扱説明書をご参照ください。 |
この記事の監修

- 時計は単なる時間を知るためのツールではなく、個性やスタイルを表現する大切なアイテムであるという信念のもと、ハラダではお客様一人ひとりのライフスタイルに合った時計を提案し、長く愛用できる商品選びをサポートしています。
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