【キングセイコー SDKS009】復活した名機にはおしゃれなワインレッドダイアルも当てはまる

セイコーの機械式時計において、過去に惜しまれつつも幻となってしまったモデルがあるのをご存知でしょうか。

1960年代初頭、キングセイコー（以下、KS）はグランドセイコー（以下、GS）とともにセイコーを代表する精密腕時計として双璧をなす存在でした。しかし、安価で正確なクオーツ式時計の台頭により1975年に生産を終了。
近年までセイコーのアーカイブモデルのひとつでしかありませんでした。

しかしキングセイコーは、2022年に2代目モデルであるKSKを復刻し、継続して生産されるレギュラーシリーズとして完全復活を遂げたのです。

今回ご紹介する「キングセイコー SDKS009」は、キングセイコーのデザイン性を確立したKSKの特徴を再現し、ワインレッドのダイヤルカラーで目を楽しませてくれる大注目のモデルです。

【キングセイコー SDKS009】腕時計の歴史に金字塔を打ち立てたレジェンダリーモデル

初代KSは登場時から世間の注目を集め、防水性能を備えた2代目のKSでコンセプトやデザインが定まり、後に「KSK」の愛称で呼ばれるベースモデルが確立します。

このKSKとは「King Seiko Kisei」の略称で、「Kisei」は時刻合わせの際に秒針が止まる「秒針規制機能」の「規制」に由来します。ハック機能の方が聞き馴染みがある人も多いかもしれません。

ちなみに、当時のセイコーには「精度」を追求する高級ラインのグランドセイコーと、「デザイン」を追求する大衆ラインのキングセイコーというシリーズがありました。

KSKには、コレクターなら誰もが知る下記の特徴があります。

• 鋭くカットされ輝くインデックスは12時位置だけが異なるデザイン
• 時分針は極太で山型のドルフィンタイプで秒針は繊細なバータイプ
• リュウズ側面とケースバックの中央にはKSを証するクラウンマーク

KSKのアイコニックなこれらの特徴は今回のモデルにも引き継がれました。

【キングセイコー SDKS009】初代KSKモデルとの仕様やスペックの変更点を比較

KSKは熱狂的なコレクターがいるほどのモデルであるため、復活に際してオリジナルのコンセプトやデザインを損ねることなく忠実に再現されました。

では「キングセイコー SDKS009」が、オリジナルのKSKから進化した点をご紹介しましょう。

• 風防はアクリルガラスからサファイヤガラスへ
• 照り返しを抑えた内面無反射コーティングを採用
• ゼンマイの巻き上げは手巻き式から自動巻き式へ
• 最薄ムーブメントでケース厚は12.1mmから11.4mmへ
• 世界で1,700本の限定生産（うち日本割り当て分は700本）
• ケースバックには限定数のシリアルナンバーを刻印

2021年に限定復刻されたセイコーの創業140周年記念モデルはレザーブレスレットでしたが、今回のKSKではレトロ感満載の7連メタルブレスレットが採用されています。

【キングセイコー SDKS009】深いワインレッドに目が釘づけ｜おしゃれなデザインの数々

当時のKSKを忠実に再現すれば時代錯誤になるのではないか、という当初の心配は杞憂に終わります。

40年以上も前に確立したKSKの美学は、現代でも多くの人を惹きつけるほど至高の領域に近いことが伺えます。
魅力あるデザインの一つひとつを紹介していきましょう。

直線で構成されるインデックス

直方体の角がスパッとカットされ、面の美しさが際立つインデックス。

そのなかで唯一12時位置にあるパーツだけは、繊細な溝が交錯するライターカットが施されており、KSKを象徴する特徴的なデザインです。

KSKを感じるラグ形状

KSKらしいデザインとしては周知の事実でもあるこの特徴的なラグ形状。

コンパクトなケースから突き出たラグは、実際のサイズよりもひとまわり立派に見えます。

ラグは、ケース接合部から先へ向かうにつれて大きく切り取られシャープな印象で、手首に沿う形状が装着感を高めています。

目を引く渋めのワインレッド

渋めのワインレッドというだけでこのモデルを好きになってしまいます。

ダイヤルの仕上げは光の当たり方で濃淡が変わる緩めのサンレイパターンで、ワインレッドをさらに深い味わいにしてくれます。

また、その他のカラーリングに比べてコンテンポラリーな印象のあるワインレッドは、年齢を問わずに着用できるビジュアルを作り出しているのです。

着け心地の良い7連ブレスレット

エッジを効かせ思い切りの良いカットと、サンドブラスト仕上げが無骨な印象の7連ブレスレット。

そして、腕時計にレトロな印象を加えるとともに、手首の曲線にまとわりつくように沿ってくれる繊細な装着感。

ブレスレット・ケース・ラグに至るまで、表面仕上げは面ごとに鏡面とサンドブラストと使い分け、面と面の接合部分のメリハリが際立ちます。

ワンプッシュ両開き方式の尾錠

尾錠は、一般的な三つ折れ式ではなくワンプッシュで観音開きになる「両開き方式」。

尾錠を閉じた姿は、7連のコマのパターンがシームレスに並ぶ美しさがあり、この点においては三つ折れ式に優るといえるでしょう。

【キングセイコー SDKS009】軽快に着けられるコンパクトで低重心なサイズ感

ケース径は標準的なメンズドレスウォッチより若干コンパクトな37.0mm。
存在感を抑えたサイズで手首が細い方でもしっくりくるほど絶妙なサイズ感。

また、重量は時計の装着感や満足感が得られる程度の129.0gで、ケース厚は12.1mmと低重心であり軽やかな着け心地。

手首の位置まで傾斜する特徴的なラグ形状のおかげで、ケースと手首が密着し腕を振ってもしっかりとホールドします。

【キングセイコー SDKS009】シンプルでおしゃれな現行KSKの基本機能をご紹介

これだけは外せないベース機能は備えてそれ以外を削りきったシンプル設計のため、比較的トラブルに強いという安心感があります。

パワーリザーブ70時間

搭載するキャリバー6R31は、生活動作でもゼンマイが充分に巻き上がる高性能なムーブメントで、手巻き式も兼ねています。

そして、パワーリザーブは約70時間（約3日間）もあるため、時刻調整をする機会は格段に減るでしょう。休日に着けていなくても、月曜日の朝にも動き続けていてくれます。

ボックス型サファイアガラス

風防ガラスは天然のサファイアと同等のモース硬度「9」と非常に硬く、不意のスレや衝突にも傷が付きにくい嬉しい仕様。

切り立った台地状に盛り上がるクラシカルなボックス型風防ガラスは、腕時計に厚みが加わって威厳が増します。

日常生活用強化防水（10気圧）

10気圧防水は100ｍ防水と読みかえられ、日常生活で一般的に扱う水ならとくに心配のないレベル。

さらに、レジャーレベルならアウトドアアクティビティからマリンスポーツまで、幅広い対応が気にせずにできる点は嬉しいですね。

【キングセイコー SDKS009】おしゃれなワインレッドモデルのメリットとデメリット

キングセイコー SDKS009 を所有するメリットとデメリットをご紹介します。

メリット｜時代を超越するKSKモデルのデザイン

時代が変わっても色あせないシンプルさと存在感は、見る者を惹きつけてやみません。

また、長年愛用される条件でもあるムーブメントの安定感や正確さにも、確かなセイコークオリティーが息づいています。

KSKは腕時計史上に残る傑作であり、待望のレギュラー復活を果たしたモデルを所有する満足感を得られるのは大きなメリットです。

デメリット｜多機能を求めるニーズは満たさない

クロノグラフ・デイト表示・GMT・タキメーターなど、ダイヤル上に表示する情報量を求める場合は、このモデルではシンプルすぎて物足りないかも知れません。

幅広い場面でも身に付けられるシンプルさの要素として、ダイヤルは時刻表示のみに絞り込まれているからです。

キングセイコーSDKS009を動画で確認する

まとめ｜【キングセイコー SDKS009】ワインレッドのKSKはコストパフォーマンスに優れる

特別で希少なキングセイコーKSKモデルが、常時店頭に並ぶ現行生産品としていつでも買えるようになりました。

しかし、今回キングセイコーSDKS009と運命的な出会いを果たしたすべての方へお渡しするには、数が少ないかも知れません。

質実剛健を具現化したような「キングセイコーSDKS009」ですが、品質に見合わないほど低価格なのも魅力の一つです。

これから本格的な機械式腕時計をはじめる方にとって、性能・デザイン・価格のいずれにおいても最良のセレクトになることでしょう。

セイコー キングセイコー
SDKS009の値段・スペック

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この記事の監修

腕時計販売店 HARADA

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