
140年以上にわたって、国産腕時計の最前線であり続けてきたセイコー。日常を豊かに彩るプレザージュ、過酷な環境に応えるプロスペックス、世界と繋がるアストロン、伝統を受け継ぐキングセイコーといった多彩なブランドを展開することで、幅広いニーズに対応しています。
本記事では、そんなセイコーが誇るコレクションの中から、2025年の春夏に登場した新作モデルを厳選してご紹介します。
プロスペックス 2025年新作
スポーツやアウトドアといったシーンで、プロフェッショナルの要求に応える高性能シリーズ「プロスペックス」。記念モデルやコラボレーションが豊富に揃います。
セイコーダイバーズ60周年記念限定モデル

1965年の国産初のダイバーズウォッチ誕生から60周年を記念し、プロスペックスの最高峰ライン「マリンマスター」と、主力ライン「ダイバースキューバ」から特別な限定モデルが登場しました。「マリンマスター」からは、深海の神秘的な世界をイメージした精緻な波模様のダイアルが特徴の「SBEJ023」が世界限定600本でリリース。ケースにはダイヤシールドを施したチタンを採用し、600m飽水用防水という卓越したタフネスも実現しています。

一方、「ダイバースキューバ」からは、荒々しい海の波をダイナミックな型打ちパターンで表現した2モデルが登場。ファーストダイバーを再解釈した「SBDC213」と、1968モデルをルーツにもつGMTモデル「SBEJ027」がそれぞれ世界限定6,000本で展開され、いずれも300m空気潜水用防水をはじめとするスペックアップが施されています。
プロスペックス 1968 ヘリテージ GMT「SBEJ029」

1968年発売のダイバーズウォッチをもとにしたGMTモデルからは、300m空気潜水用防水にスペックアップした新作が登場しました。マリンスポーツのあるライフスタイルをイメージしたブルーセラミックベゼルと、ホワイトシルバーのダイアルが、爽やかでクリーンな雰囲気を演出します。直径42mm、厚さ13.3mmのケースを持ち、微調整可能なバックルを備えたことで、日常生活でも常に快適な着用感を提供します。
ダットサン 240Z コラボレーション

1970年代に世界的な人気を博したスポーツカー、日産「ダットサン 240Z」とのコラボレーションが実現しました。ラインナップは、機械式クロノグラフ「SBEC029」(世界限定500本)と、機械式3針モデル「SBDC219」(世界限定2,500本)、そしてソーラークロノグラフ「SBDL121」(世界限定4,000本)の3種が登場。
いずれも象徴的なカラーリングやデザイン要素を随所に取り入れており、車好き、時計好き双方の心をくすぐる特別なモデルに仕上がっています。
東京2025世界陸上記念モデル

セイコーがオフィシャルタイマーを務める「東京2025世界陸上競技選手権大会」を記念した限定モデルも登場しています。GPSソーラーモデル「SBED015」(国内限定250本)と、ソーラークロノグラフ「SBDL119」(世界限定6,000本)の2種で構成されており、いずれも大会メインカラーである「江戸紫」をカラーリングに採用。裏ぶたには大会ロゴとともに「OFFICIAL TIMER」の文字が刻まれ、セイコーの計時技術への誇りを感じさせます。
JAWS 50周年記念限定モデル「SBDY137」

映画史に残る傑作『ジョーズ』の公開50周年を記念した、世界限定5000本の特別なダイバーズウォッチです。海面を表現したグラデーションダイアルには、光の角度によってサメのデザインが浮かび上がるというユニークな仕掛けが隠されています。他にも、裏ぶたに劇中のオルカボートとサメの背ビレがマーキングされるなど、ファン垂涎のディテールが満載の1本です。
PADIスペシャルエディション

恒例となった、世界最大のダイビング指導団体PADIとのスペシャルエディション。エメラルドグリーンのグラデーションダイアルが美しい「SBDC205」と「SBDY135」が登場しました。いずれも水中から見上げた光と水面の揺らぎをモチーフとしており、ダイアル上部を中心としたサンレイパターンが、豊かな表情を演出します。
アストロン 2025年新作モデル
GPS衛星からの電波で、常に正確な時を刻むアストロン。グローバルに活躍する現代人のための最先端ウォッチでは、限定、コラボモデルに加え、Nexterのレギュラーモデルもラインナップに追加されました。
Starry Sky 2025 限定モデル

星空の下で咲き誇る夜桜をデザインソースとした「Starry Sky」シリーズが登場。GPSソーラークロノグラフ「SBXC171」(世界限定1,500本)、GPSソーラー「SBXD029」(世界限定1,500本)、そしてソーラー電波モデルの「SBXY089」(国内限定800本)と「SBXY091」(国内限定800本)がラインナップ。オールブラックのケースに、ラメ入りのパープルグラデーションダイアルを組み合わせ、幻想的な情景を腕時計に描き出します。
国境なき医師団 2025 コラボレーションモデル

セイコーが支援を続けるNPO「国境なき医師団」とのコラボレーションモデルが、今年も登場しました。ラインナップはGPSソーラー「SBXC173」(世界限定800本)とソーラー電波「SBXY093」(国内限定500本)の2種。ホワイトシルバーのダイアルに団体のブランドカラーである「レッド」をアクセントにした、清廉かつ力強いデザインを特徴としています。また、ファーストエイドキットをイメージしたスペシャルケースも付属します。
ネクスターシリーズ

アストロンの主力であるネクスターシリーズからは、多彩なレギュラーモデル「SBXC175」「SBXC177」「SBXC179」「SBXC181」に加え、2025年限定モデル「SBXC180」(世界限定1,500本)がラインナップ。純チタンケースにダイヤシールドを施したことで、高い堅牢性と、ラグのないスタイリッシュなデザインが両立されています。特に「SBXC181」ではブルーセラミックスを効果的に採用し、爽やかな雰囲気に仕上げています。
キングセイコー 2025年新作モデル
1960年代に、グランドセイコーと並ぶセイコーの最高峰として登場したキングセイコー。高い精度と優れたデザイン哲学を打ち立てたマイルストーンであり、2022年のコレクション復活を経て、その魅力をさらに強めています。
キングセイコー VANAC

1970年代に人気を博した「VANAC(ヴァナック)」シリーズが、最新のメカニカルムーブメント「キャリバー8L45」を搭載して蘇りました。レギュラーモデルとして、「SDKV001」「SDKV003」「SDKV005」、そして世界限定700本の「SDKV007」がラインナップ。
当時の独創的なケースデザインやブレスレットを継承しつつ、現代的なスペックへと昇華させています。さらに、ボックス型のサファイアガラスやねじロック式りゅうずなど、細部にまでこだわり抜いた作り込みが魅力です。
プレザージュ 2025年新作モデル
セイコーの機械式時計製造技術と日本の伝統工芸を融合させたプレザージュ。そのダイアルには、職人たちの卓越した技が凝縮されています。
クラフツマンシップシリーズ

プレザージュの真髄であるクラフツマンシップシリーズから、日本の伝統工芸をダイアルに宿した特別なモデルが登場しています。セイコー創業期の懐中時計をオマージュした「SART009」は、琺瑯職人・横澤満氏が手掛ける純白の琺瑯(ほうろう)が特徴。色褪せない白とローマ数字のコントラストが気品を漂わせます。
対照的に、「SART011」は艶やかな黒が魅力の漆ダイアルを採用。手作業で塗り重ねられた漆が、吸い込まれるような深みを生み出しています。そして世界限定1,200本の「SARX127」は、有田焼の「無釉」ダイアルという新たな表現に挑戦。磁器ならではの温かみのある質感が、これまでにない個性を放ちます。これら3モデルは、約72時間のパワーリザーブを誇るメカニカルムーブメントを搭載し、日本の美とセイコーの技術が見事に融合を果たしています。
クラシックシリーズ
セイコーのデザインの神髄を体現するクラシックシリーズからは、直径36mmのコンパクトケースを持つ3モデル「SARX129」「SARX131」「SARX132」が登場。いずれも約72時間持続のメカニカルムーブメント「キャリバー6R51」を搭載し、日常生活用強化防水(10気圧)を備えた実用性の高いモデルです。
ステンレススティールケースにダイヤシールドを施し傷つきにくさを高めており、エレガントなゴールドカラーのモデルもラインナップ。性別を問わない手元にフィットし、あらゆるシーンで活躍する、信頼できるパートナーです。
まさかの“PEPSI”コラボレーションモデルも登場!

世界中で愛されるドリンクブランド「ペプシ」との、初となるコラボレーションモデルがセイコー 5スポーツから登場しました。
1990年代と現在のペプシロゴをそれぞれモチーフにした2モデルがラインナップ。1990年代ロゴを表現した「SBSA261」は、爽やかなホワイトシルバーのダイアルに青と赤のカラーリングが映えるデザイン。一方、現行ロゴをフィーチャーした「SBSA263」は、ペプシの「グローブ」ロゴを全面に大胆にあしらっています。
いずれも裏ぶたに各時代のロゴがデザインされ、ペプシ缶を模したスペシャルボックスに収められるなど、遊び心に満ちた世界限定7000本の特別なタイムピースです。
まとめ
2025年も、セイコーからは多彩な新作モデルが登場しています。特に、50年ぶりの復活となったキングセイコー VANACや多彩なコラボモデルの数々には注目であり、その一つ一つが、異なるコンセプトとストーリーを持ちながらも、「常に時代の一歩先を行く」というセイコーの精神を色濃く反映しています。
この記事の監修




