機械式時計の奥深い機構と機能の世界-誰もが魅了される理由

機械式時計の奥深い機構と機能の世界
誰もが魅了される理由

時計の本来の役割は"正確な時刻"を知らせることです。
スマートフォンやお手頃な時計でも時刻を確認することは十分ですが、技術の追求と進歩に伴い"機構(内部の仕組み)"と"機能"が次々と開発されユーザーを虜にしている機械式時計。
今回は、12の機構と機能をご紹介いたします。
さっそくユーザーを魅了し続けるディープな世界へ足を踏み入れていきましょう。

 

 

1.アラーム Alarm

1.アラーム Alarm

目覚まし機能やタイマー機能など、定時時刻を音や振動で知らせる時計です。
機械式時計の動力源の"ぜんまい"をエネルギーとしています。
内部をハンマーが叩いて音を出すしくみを取り入れており、デジタル電子とは違う深い味わいのある音色が響きます。
小型化、そして音の鳴り響き方など実現化するまで研究が重ねられた繊細で複雑な技術がアラーム機構を実現させました。

 

 

2.ビックデイト Big date

独立した2つの“日付窓”でその名の通り、日付を大きくみせる表示方法のひとつです。
10の位には0〜3、1の位には0〜9の数字をそれぞれに印刷したタイプが採用されています。
視認性の高さと強い存在感が魅力的です。

 

 

3.月齢表示(ムーンフェイズ) Moon phase

3.月齢表示(ムーンフェイズ) Moon phase

その日の"月の満ち欠け"を盤上の小窓に表示しています。
現代ではデザイン性に人気や面白さが先行していますが、実は重要な情報を示唆してくれています。
漁業関係の方やヨット競技などには、"海の潮"の満ち引きの情報が必要となります。
つまり、1日目の新月(大潮)、7日の上弦の月(小潮)、15日目の満月(大潮)、22日目の下弦の月(小潮)また新月に戻るまでの周期(29.5日)の太陰暦を時計の小窓に収めました。
ムーンフェーズと空に浮かぶ月をみて暦を感じられるロマンのある時計です。

 

 

4.レトログラード Retrograde

レトログラードは"逆行"を意味しています。時計の針は通常円運動が基本ですが、扇型に針が運行し特殊な動きをみせます。
時刻やカレンダーを表示する機構で、たとえば月曜日をスタートとするカレンダーなら、レトログラードの曜日針は月曜からスタートし日曜が終えたら針は元の位置までジャンプして戻りまた月曜からスタートします。
ダイナミックかつ迅速に始点に戻ります。

 

 

5.ジャンピングアワー Jumping hours

短針の代わりに、文字盤に設けられた小窓に数字で時刻を表示する方法です。
この数字がジャンプしたように瞬時に切り替わるためこのように呼ばれています。
また、現在ではレトログラード式の分針と組み合わせるのが一般的となっています。
機械式なのに、デジタル表示の要素を兼ね備えた機構を持つ時計です。

 

 

6.パワーリザーブ Power reserve

機械式時計は自動巻きと手巻きがありますが、どちらもぜんまいが動力源です。
ぜんまいをリューズがほどけていく力で動いています。
そのぜんまいのエネルギーがあと何時間残っているか示すものです。

 

 

7.ツインバレル Twin barrel

ぜんまいを収納した"香箱"を2つにした機構です。
今までは、香箱は1つしか納められておらず一度巻き上げたぜんまいの駆使時間は、30時間。
1日しか腕時計は動きませんでした。
しかし、天才時計技師アブラアン・ルイ・ブレゲの発明によりツインバレルが誕生し、60時間以上駆使時間が可能となりました。

 

 

8.レギュレーター Regulator

文字盤上に、時針、分針、秒針をそれぞれ個別に配置してあります。
通常は時計を中心とする軸が1本ですが、3本の軸が必要になるため内部構造が複雑なつくりになっています。
もともとは時計職人が時刻調整する際に、時・分・秒のミスをなくすために設計されたものでした。
現在では、独創的なデザインをもち強い個性を放ちます。

 

 

9.GMT Greenwich Mean Time

一般的にGMTといえば、経度0度に位置するイギリス/ロンドンのグリニッジ天文台を通る子午線を基準とした世界標準時のことを指しますが、24時間針(GMT針)と24時間目盛の回転ベゼルによって2カ国の時間を知ることができるクローバルな時計です。
常に意識しておきたい地域国の時刻を24時間時計(GMT針)で知ることができます。

 

 

10.UTC(協定世界時)Universal Time Coordinated

前項でお伝えしたGMTとUTCの機能としては同じです。
GMTが天文学的な世界標準時に対して、UTCはセシウム原子を利用した原子時計を元にした世界共通標準時です。
1000年間で1秒の誤差しかないという正確さでこの世界時にうるう秒を加えることで誤差が0.9以上にならないように調整されています。

 

 

11.ワールドタイム World time

11.ワールドタイム World time

世界主要都市の時刻を、1つの時計で確認することが可能です。
腕時計の文字盤やベゼルに世界の代表的な都市が表示されており、ダイヤルやリューズの操作によって知ることができる独創的なデザインです。
2ヵ国の時間を表示するGMT機構とは異なり、自分のいる場所、また世界主要都市の時刻を1つの時計で確認することが可能です。

 

 

12.デュアルタイム Dual time

1つの時計で2つの時間が表示できます。
GMT機構と同じ仲間ですが表示方法に違いがあります。
デュアルタイムは、文字盤に小さなサブダイヤルと針と通常の時計を同時に機能させ、それぞれが時・分針を備えているため時刻の読み取りがスムーズです。
こちらの表示機能が一般的ですが、ケースの表の裏で表示させている構造もあります。

 

 

機械式時計のディープな世界

職人の集大成とも言える機械式時計の奥深い世界は、いかがだったでしょうか。
まさに一流の芸術作品。
長い歴史と伝統があり世代を超え愛される理由に納得ができました。
高級腕時計の代名詞である機械式時計は、日々のメンテナンスが必要となりますがその分自分が育てている感覚でさらに愛着が沸きます。

そんな一生モノのパートナーともいうべき1本と出会い、人生をより豊かに過ごしてみませんか。

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