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【時計取扱注意書】
ハラダで時計をご購入されたお客さまへ

本ページでは、ハラダの店舗またはネットショッピングで時計をご購入されたお客さまに向けて、末長く時計を愛用していただくための使用上の注意やよくあるご質問等をご紹介します。

初めて時計をご購入するお客さまはもちろん長年時計をご愛用されてきたお客さまも、素晴らしいウォッチライフのためにぜひご活用ください。

 

 

はじめに

当ページでご紹介するのは時計に関する一般的な注意事項であり、時計の型番、性能によっては必ずしも当てはまるものではないことをご了承ください。

詳しくはお持ちの時計の取扱説明書をご覧になるか、当店スタッフにお問い合わせください。

 

 

動力関連

時計は搭載しているムーブメントや機能によって動力、稼働時間(パワーリザーブ)等が異なります。自分の時計がどうやって動いているかを把握し、電池交換や巻上げの目安を決めておけば急な時計の停止を防くことができます。

 

 

機械式

機械式時計には自動巻と手巻の2種類があり、どちらも巻き上がった「ぜんまい」のほどけようとする力で時計を動かしています。自動巻の時計は着けてさえいれば日常動作によるローターの回転でぜんまいを巻き上げてくれますが、手巻のものはりゅうずを定期的に手回しして巻き上げなければなりません。また、機械式時計は放置しておけば停止してしまうので、止まっている状態や1日時計を使わなかった際には手巻きで4、50回巻き上げてからの使用を心がけましょう。

一般的に機械式時計の最大巻上げ時の稼働時間(パワーリザーブ)は2〜3日間ほどですが、7日間以上連続で稼働するモデルもリリースされています。

 

 

クォーツ式

電気で動く電子回路(IC) が搭載されているクォーツ時計には電池が必須です。

基本的に電池の寿命は2年前後ですが、購入時に時計に入っている電池は製造後の動作チェック用のモニター電池なので、メーカーの出荷からご購入までの期間によっては2年より短期間で止まる場合があります。

2年以内での電池切れを無償でサポートしてくれるメーカーもあるので、ご購入の参考にしてください。

 

 

スプリングドライブ

スプリングドライブは「ぜんまい」の力で動いているため、機械式と同様に巻き上げて使います。なお、クォーツ式のように電子回路(IC)が搭載されていますが、「ぜんまい」の解ける力によって内部で発電しているので電池は不要です。

 

 

ソーラー(光発電式)搭載モデル

ソーラーモデルやシチズンのエコ・ドライブ搭載モデルは、暗所に長期間放置していない限り光で発電及び充電を行い時計を動かし続けます。安定した電力供給のために数ヶ月に一度太陽光の下で数十分充電するのがオススメです。また、レディースモデル等のケース径の小さなモデルは内部のソーラーセルの面積が小さいため、長時間の充電を心がけましょう。

 

パワーリザーブはメーカーやモデルによってさまざまですが、中にはフル充電で1年以上稼働し続けるモデルも存在しています。

  • 針飛び

光発電搭載モデルは残り充電量が少なくなりパワーセーブ状態になると、運針が2秒に1回に変わります。これは針飛びと呼ばれ、要充電の合図となっています。

 

 

その他

ブローバ社のアキュトロンは上記の動力方式と異なり、時計を動かすことによって発生する静電気により発電、充電を行い、時計を動かします。基準としては1時間(徒歩なら6000歩)ほど時計を動かすと1日分の電力が蓄えられます。

 

 

時計の精度について

ムーブメントの種類やメーカーによって特に左右されやすいのが時計の精度です。同じ機械式でもメーカーが違えばで数倍もの誤差が出ることも珍しくないため、ここでご紹介する数値は目安程度にお考えください。

なお、時計の精度は基本的に決められた時間でどれだけ本来の時間との”ズレ”が発生するかを表しています。例えば、月差±20秒であれば1か月あたり20秒前後の遅れや進みが発生することを示しています。

 

 

機械式

機械式時計はぜんまい等の物理的な力で動いているため、電気で動くクォーツ式には精度で劣ります。

一般的に機械式時計は1日あたり10〜15秒程度の誤差(日差±10〜15秒)が発生し、精度に直結するてんぷの振動数が高い、いわゆるハイビートモデルであれば日差数秒程度の誤差が生じます。

なぜ誤差が発生するのかは、ぜんまいで動くおもちゃやオルゴールを想像すればわかりやすいかもしれません。ぜんまい駆動のものは残りの巻き上げが少なくなると動きが遅くなったり、オルゴールであれば流れる音楽がゆっくりになります。これと同じことが機械式腕時計の内部では起こっており、時計の精度に影響が出てしまうのです。

 

 

クォーツ式

クォーツ式は、水晶に電流を流すと決まった周期で振動する現象を利用し、電子回路(IC)で1秒1秒を制御する時計です。水晶振動子は1秒間に何万回と振動するため、それを参照して精度が決まるクォーツ式は必然的に機械式より精度が高くなります。1か月あたりの誤差は10〜15秒程度(月差±10〜15秒)とされています。

内部部品の精度にもよりますが、クォーツ式時計の精度は基本的に水晶振動子の質によって変化します。1秒あたりの振動数が多く安定している振動子であればあるほど、高精度の時計を作ることができます。

 

 

スプリングドライブ

スプリングドライブはクォーツ式と同様に水晶振動子とICによって時計を制御しているため、誤差は1か月あたり10〜15秒程度の誤差(月差±10〜15秒)になっています。ぜんまい駆動の時計としては世界最高峰の精度と言えるでしょう。

 

 

電波時計(GPS電波時計、標準電波時計)

電波時計は、衛星(GPS)または標準電波送信所より送られる原子時計(世界一正確な時計)の情報を受信し時刻を調整するクォーツ式時計です。毎日決められた時間に正しい時刻へ修正するため、限りなく正確に近い時計かも知れません。

送信所がない地域であったり、電波が受信できない環境ではただのクォーツ式時計になってしまうので注意しましょう。ちなみに電波の受信、時刻修正は主に深夜帯に行われています。

 

 

時計全般の取扱上の注意事項

ここからは時計全般に共通する、注意、禁止事項をご紹介致します。付随して防水や耐磁性といった時計の性能についてもご紹介しますので、お手持ちの時計の性能把握にお役立てください。

 

 

【重要】カレンダー操作禁止時間

カレンダー機能を搭載している腕時計は20時から4時の間、絶対に日付を変更しないでください。(デジタル表示のものは除く)この時間帯は日付の表示を変更するためにカレンダー用の歯車がカレンダーディスクと噛み合っており、無理に操作を行うと歯車が変形し、最悪の場合破損する危険があります。

 

 

磁気について

磁気を発しているものに時計はなるべく近づけないようにしましょう。バッグの留め具等はもちろん、スマホやパソコン、テレビのような映像や音楽を発するものにも強力な磁石が使われています。超高耐磁ウォッチでもない限り、最低でも10cm程度は時計との距離を空けるようにしましょう。

  • なぜ磁石に近づけてはいけないのか

ムーブメントの方式を問わず、時計の内部部品は一般的に磁石の影響を受けやすい素材でできています。そのため磁石の時計への影響は火を見るより明らかですが、さらに恐ろしいのが磁気帯びです。一定時間磁力に晒された鉄などの素材は自らも磁気を発するようになり、時計は正常な動作ができなくなります。

  • 磁気帯びした場合どうすればいいのか

万が一時計が磁気帯びしてしまった場合、磁気抜きを行うかパーツを交換する必要があります。少しでもおかしいなと思った際はお近くの時計店にお持ち込みください。

 

 

防水性能

アンティークウォッチでも無い限り、大体の腕時計はある程度の防水性能を備えています。しかし水で絶対に壊れない訳ではなく、激しい雨や入浴には耐えられない場合もある為、自分の時計の防水性能をしっかり確認しておくことが肝要です。なお、防水性能は冷水のみに適用され、りゅうずを確実に閉めておかなければ発揮されません。

メーカー表記の防水性能の基準(1bar=約1気圧)

日常生活防水(3.5〜5気圧防水)

手洗いなどの軽い水しぶき程度であれば問題ありませんが、激しい雨や水流に直接打たれると壊れる可能性があります。

強化日常生活防水(10〜20気圧防水)

大雨に打たれても問題ありませんが、蛇口から出るような強い水流を直接受けると故障します。

潜水用携帯時計(〇〇m防水)

時計を着用して指定された深さまで潜水しても問題ありませんが、使用後は必ず時計を水道水で洗い流してください。サビ、劣化等の原因となります。

 

※「〇〇気圧防水」と「〇〇m防水」の違い

  • 「〇〇気圧防水」・・・全く動きのない水の中に時計を沈め、〇〇気圧をかけた際に影響がない。
  • 「〇〇m防水」・・・〇〇mにまで沈めて動かしても何ら影響を受けない。

「1気圧防水=10m防水」であると勘違いされがちですが、実際は別物です。「〇〇気圧防水」の時計は水中で動かした時に加わる水圧が考慮されていないため、潜水等には耐えられません。逆に「〇〇m防水」の時計は指定された深さまでであれば、水中で動かしても全く影響を受けません。

 

 

衝撃について

時計は腕に巻く超精密機械です。衝撃に特別強く作られた時計でない限り、スポーツや激しい動きの際は外すことを心がけましょう。

 

 

保証、メンテナンスについて

腕時計を長く使っていくためには定期的なメンテナンスが必須です。近年では各メーカーが充実したアフターサービスを提供しているので、積極的に利用しましょう。

 

 

メーカー保証期間、対象

ほとんどのメーカーは購入時から一定の期間の品質を保証する「無償保証期間」を設けており、保証期間内での自然な故障であれば無償で保証してもらえます。ただし「落とした、水が入ってしまった」等の所有者の過失による故障は対象外となります。また、ベルト、ケースといった外装部分のキズ等も保証の対象外となる場合が多いです。

詳しくは下記ページをご覧ください。

 

 

メンテナンス(コンプリートサービス、オーバーホール、電池交換)

  • オーバーホールについて

腕時計は長年の使用により、内部部品の金属疲労であったり油切れを起こしてしまい正常に動作しなくなる場合があります。時計を長持ちさせるために、機械式、クォーツ式問わずオーバーホールによって定期的な洗浄、注油、部品交換を行いましょう。機械式であれば4〜5年に1回、クォーツ式であれば5〜7年に1回がオーバーホールの目安です。

オーバーホールは時計修理店にも依頼できますが、インターネットや販売店を介しメーカーに直接依頼することも可能です。

  • 電池交換

電池交換は時計店に依頼すれば安く済ませられますが、メーカーによっては各種性能のチェックが付随するので公式の電池交換を利用するのも一つの手です。