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【フランクミュラーはなぜ人気?オススメモデルは?】
天才時計技師が作り上げた一大ブランドの魅力をご紹介

1992年に創業し、瞬く間に一流ウォッチブランドの仲間入りを果たしたフランクミュラー。
老舗の多い腕時計ブランドの中では比較的歴史が浅いとされていますが、現在では時計愛好家はもちろん、腕時計に明るくない人にまでも名前が知られている、超有名ブランドです。

伝統的な時計作りやデザイン様式を尊重しつつも、遊び心を感じさせるスタイルや複雑機構によって幅広い年齢層の時計ファンから高い評価を獲得しており、創業30周年を迎えた今でもその勢いの衰えを感じさせません。

さて、中四国最大級の規模を誇るフランクミュラー正規代理店である当店では、そんなフランクミュラーについて「なぜ人気なのか」というご質問をいただくことが少なからずあります。

そこで当記事では、天才時計師が作り上げたブランドであるフランクミュラーが人気を集める理由についてご紹介いたします。

 

 

天才時計師が生み出したブランド
フランクミュラーとは

フランクミュラーのデフォルメ写真
フランクミュラー氏

フランク・ミュラーは、時計の歴史を200年進めたとされる伝説的時計師「アブラアン ルイ・ブレゲ」の再来とも呼ばれる天才時計師の名です。

ブレゲのデフォルメ写真
アブラアン ルイ・ブレゲ氏

その時計師としての才能はまさに天賦のものと言っても差し支えありません。
10代の頃から時計の本場ジュネーブにて時計職人を志して時計学校へと入学し、20歳には卒業制作として非常に複雑な機構であるパーペチュアルカレンダーを制作。3年間で得るべき単位をわずか1年で修得し、名門時計学校を主席で卒業しています。

卒業後には数々のオリジナル機構を搭載したタイムピースを生み出し、コレクターや博物館が有する希少な時計の修理をこなすなど、その独立時計師としての地位を確固たるものにしました。

そして1992年には現ウォッチランドグループCEOであるヴァルタン・シルケマス氏とともに、ウォッチブランド「フランク・ミュラー」を創設。現代まで続く一流ウォッチブランドを生み出すに至ったのです。

ちなみに現代時計ブランドに精通されている方はご存知かもしれませんが、こちらのヴァルタン氏は新鋭ウォッチブランドであるクストスの生みの親、サスーン・シルマケス氏の実父でもあります。

その後フランクミュラーはブランド創設の6年前に作り上げていた「トノウカーベックス」を記念すべき第一作目として発表、一流ウォッチブランドとしての地位さえも確立していくこととなります。

トノウカーベックスのりゅうずを巻いている写真

近年では、ブランドの新時代を象徴する「ヴァンガード」に、ステンレススチールの使用でブランドの間口を広げた「カサブランカ」、1920〜30年代の古典的なスタイルにアール・デコ様式を融合させた「ロングアイランド」など、ブランドのフラグシップを張れる名機がいくつも登場しています。

 

 

なぜフランクミュラーは人気なのか

フランクミュラーが人気を集める理由はいくつもありますが、今回は特に「精密精緻な時計作り」「独自のデザイン性」「遊び心あふれる機構、デザイン」「独自のブランディング」「豊富なバリエーション」に注目してご紹介いたします。

 

時計の真髄に迫る精密精緻なものづくり

フランクミュラーを分解した画像

フランクミュラーは前述の通りまさに天才と呼ぶべき時計師ですが、そのフランクミュラーの名を冠するコレクションの数々もその名に恥じない非常に精密精緻なものとなっています。
熟練の職人たちが手作業で組み上げるため1人あたり1日に7本しか組み上げることができず、自動化されずに丁寧に磨き上げられたタイムピースはまさに一つの芸術品、アートと言えるでしょう。

その徹底した時計作りを証明するかのように、コレクションの裏蓋には複雑機構を極める「Master of Complications」というスローガンが刻まれており、目の肥えた時計愛好家たちを唸らせる逸品が多く揃っています。

ウォッチランドを写した写真

そしてフランクミュラーのコレクションは全て、時計作りの本場スイスのジュネーブ近く、ジャンドゥに所在を置く「フランクミュラー ウォッチランド」にて作られています。

ここでは、コンプリケーションムーブメントの設計や各種デザインに加え、複雑機構の組み立て、ブランドの魅力の一つであるアースティックな貴金属の細工まで、全てのコレクションの製造が行われています。

 

優美な曲線美が光る独自のデザイン性

フランクミュラーといえば一目でそれとわかるそのデザイン性も魅力的です。
現代に続く腕時計の一つの流行に薄型化がありますが、それとは真逆をいくような厚みと丸みが巧みに活用されています。

官能にも似たエレガンスを醸し出すその曲線美、それでいて腕時計の本質を尊重したデザインは、フランクミュラーというブランドを象徴するものと言えるでしょう。

ロングアイランドの曲線美がわかる写真

例を挙げるならば、ロングアイランドのレクタンギュラー(長方形)も腕にピッタリとフィットするよう時計全体が湾曲したデザインとなっており、手首に巻くという腕時計の本質に基づいたデザインとなっています。

トノウカーベックスの曲線美がわかる写真

また、アイコニックなトノウカーベックスは、どの方向から見ても丸みを感じられるフォルムが採用。ブランド独自の曲線美を存分に楽しめるコレクションとなっています。

そしてフランクミュラーの独自デザインといえば、同氏が作り上げたビザン数字も外せないでしょう。

ビザン数字がわかるインデックスの写真

一般的なアラビア数字に並々ならぬ優美さを与えたビザン数字は、ブランドのコレクションが彷彿とさせる1920〜30年代独特の雰囲気を加速。
クラシカルなテイストで腕時計の伝統に寄り添いつつも、その大きさゆえ視認性に優れており、実用性とデザインの両面でこだわり抜かれたアラビアインデックスなのです。

加えてこのビザン数字を引き立てるのが、腕時計の顔とも言えるダイヤルです。
エナメル技法「シャンルベ」や王道の装飾「ギョーシェ」など、伝統的な装飾を駆使した盤面はインデックスとの良好な相性はもちろん、腕時計全体にエレガンスかつタイムレスな印象を与えています。

ギョーシェが光るコルキスの写真

腕時計の伝統へのリスペクトと実用時計ならではの実用性の確保。簡単なようで非常に難しいこの両立を、類い稀な技術力で実現しているのがフランクミュラーの魅力と言えるでしょう。

 

デザイン、複雑機構から感じる遊び心

カラードリームの写真

カラードリームにジョーカー、ヴェガスにクレイジーアワーズ。
フランクミュラーのコレクションはそのユニークなデザインや複雑機構が人気を呼んでいます。

この魅力の根底にあるのはまさしく「遊び心」。思わず目が惹かれるデザインに腕時計の常識からかけ離れた複雑機構は、ブランドの持つ遊び心が存分に表現されたものと言えるでしょう。

また、その複雑機構やデザインにはブランドの誇る先端技術が大いに用いられており、いわば「本気」で遊び心が表現されているのも魅力的です。

フランクミュラーの彫金や部品の写真

しかも、実際にフランクミュラーの職人たちから「コレクションの組み上げに遊び心を感じている」という発言が飛び出しているのはご存知でしょうか。

フランクミュラー氏の最も優れている点は、頭の中の引き出しをそのままリアルに再現できる技術力、表現力を持ち合わせていることです。
同氏の頭の中ではきっと、単純に時間を表示するということ、腕時計というモノに対して無限の解釈があるのでしょう。

そして、彼のエッセンスを受け継ぐ時計師たちは、その無限の可能性に対して遊び心を感じずにはいられないはずなのです。

遊び心を感じるフランクミュラーのコレクション

もちろん他のブランドのモデルでも、ユニークな機能やデザインで遊び心を表現するモデルは無数に存在しています。
しかし腕時計の本質、伝統を尊重しつつ、”本気で”遊び心を表現しているブランドは、フランクミュラーこそが最高峰ではないでしょうか。

 

フランクミュラーにしかできないブランディング

ブランドの代名詞である複雑機構ですが、フランクミュラー氏はその分野において「不可能を可能にした男」であることをご存知でしょうか。
現代において各ウォッチブランドがその技術力の証明にも使う複雑機構、「トゥールビヨン」や「ミニッツリピーター」ですが、これらの機能を初めて腕時計に採用したのが実はフランクミュラーその人なのです。

一目でフランクミュラーとわかるコレクション

ここで昔話をすると、フランクミュラーがブランドを創設する前、時代はポケットウォッチ(懐中時計)が主流であり、腕時計の需要はまだまだというところでした。
その上、腕時計はポケットウォッチに比べ小さいため当時の技術では複雑機構が搭載できず、時計愛好家たちは腕時計に目もくれずにポケットウォッチばかりを収集していたのでした。

しかし、フランクミュラーはその卓越した先見性により、懐中時計の時代の終焉と腕時計時代の到来を予見。サイズの問題で腕時計に搭載するのは不可能と言われた複雑機構の数々を次々と手元の小さなケースに実現したのです。

結果的に、彼の予想通り携帯時計の主流は懐中時計から腕時計へと移り変わり、彼の名前はコンプリケーションウォッチの代名詞になったのでした。
この逸話こそが、同氏が時計の歴史を200年進めたアブラアン-ルイ・ブレゲの再来と呼ばれる所以なのです。

グラビティトゥールビヨンモデルの写真

そして、現代ではそんなフランクミュラー氏の名を冠したブランドは、それだけで他社が真似できないブランディングを持ち合わせます。

多くのブランドが図らずしも、その機構やデザインをブランド同士で共有する現代では、どうしても似通ったデザイン、機構を搭載したモデルが世に溢れています。
しかし、コンプリケーションウォッチをスタンダードにした天才時計師とその弟子たちが手がけた時計は、決して他ブランドが真似できない唯一無二の輝きを放つのです。

 

豊富なサイズ、素材、デザインの種類で幅広いニーズに対応

フランクミュラーといえばそのバリエーションの多さも魅力の一つと言えます。

文字盤の種類の豊富さ

ロングアイランド、トノウカーベックスに代表されるモデルにはジェンダーレスなデザインが採られており、サイズを変えることでメンズ、レディースそれぞれで豊富なラインナップが揃っています。

また、ステンレススチールから貴金属、ダイヤの装飾など時計を構成する素材も多彩な種類が使われており、普段使い用の時計からドレスウォッチまで選ぶことができます。

スポーティなテイストを感じるヴァンガード

デザインもインデックスに特徴的なディテールを施したものであったり、流行のスポーティモデル、フェミニンな印象が強調されたシリーズなど、手元への個性の演出にも事欠きません。

 

 

フランクミュラーの人気シリーズを紹介!

ここからは、フランクミュラーのコレクションの中でも特に人気の高いシリーズをご紹介いたします。もちろんここで紹介するシリーズ以外にもフランクミュラーの魅力が存分に詰まったシリーズがいくつもリリースされているので、フランクミュラーのコレクションを購入する際に迷った時の参考程度にお考えください。

 

トノウカーベックス

トノウカーベックスを腕に巻いた写真

フランクミュラーがブランド創設と同時に発表した、最もアイコニックなモデルの一つと言えるのがこのトノウカーベックスです。
トノウは「樽」、カーベックスは「湾曲」を意味しており、その名の通り樽型の美しい曲線形が魅力のモデルです。

後述するカサブランカとの区別でもある文字盤全体に施されたギョーシェ彫りはビザン数字を引き立たせ、腕にフィットするケースで実用性もしっかりと考慮されています。

発表から30年たった現代でも非常に人気のシリーズであり、フランクミュラーの真髄に迫る傑作と名高いモデルです。

 

ロングアイランド

ロングアイランドを腕に巻いている写真

観光、避暑地として有名な地名が名付けられた、レクタンギュラー(長方形)のケースで手元に存在感を演出するコレクションです。
手首に沿うようなケースで見た目以上に着け心地に優れており、広い盤面を活かした自由度の高いデザインが魅力のシリーズと言えるでしょう。

1920〜30年に一世を風靡したアール・デコ様式がデザインに取り入れられており、モダニズムに真っ向から立ち向かうエレガンスを楽しむことができます。

その独自の審美性は女性からも高い人気を誇り、非常にレディースモデルが多いシリーズでもあります。

 

ヴァンガード

ヴァンガードを手首に巻いた写真

フランクミュラーが”時の形”のニュースタンダードとして提唱する、スポーティテイストが魅力のシリーズです。

現代で言うラグジュアリースポーツウォッチのようなウォッチフェイスが目を惹くシリーズですが、しっかりとそのデザイン文法にはアール・デコ様式が組み込まれており、ブランド特有のエレガンス、タイムレスな魅力をしっかりと感じ取ることができます。

近年では涼やかなマリンテイストを取り入れた「マリナー」や「ヨッティング」といったモデルも人気を博しており、その多様性でも人気を集めるシリーズです。

 

カサブランカ

カサブランカの写真

かつてヨーロッパの上流階級が訪れていたサハラ砂漠近くの避暑地、モロッコ・カサブランカ。
その名前を借りたトラベルウォッチがこのシリーズです。

トノウカーベックスと似た形状のケースとなっていますが、文字盤の仕上げやインデックスへの夜光の使用など、こちらではアクティブさが強調されています。

実はフランクミュラーで初めてステンレススチールケースが使われたシリーズであり、フランクミュラーのトノウケース人気の火付け役と呼ばれています。

このシリーズだけの特徴として文字盤には色落ちの防止があえて施されておらず、使い込むほどに味が出る仕掛けとなっています。

 

 

フランクミュラーは正規店でこそ買うべき

ハラダのフランクミュラーブティックの写真

フランクミュラーはここまで紹介した通り非常に複雑な機構やデザインを採用した、熟練の時計師が組み上げるタイムピースです。
そして、複雑な機構は部品数が多くなるため、オーバーホールをはじめとする定期的なメンテナンスは必須と言えるでしょう。

オーバーホールは購入店を利用する手もありますが、高い技術を要するフランクミュラーにおいては、正規代理店であるワールド通称のメンテナンスを利用したいものです。

しかし、ワールド通商は並行輸入品(フランクミュラーないしワールド通商が関与しない輸入品)についてはオーバーホール等の正規サービスを行わないとしています。要は並行差別が採られているのです。

そのため真に時計のことを考えるなら、正規販売店での購入がオススメです。
万が一コンプリケーションモデルのメンテナンスを粗悪な修理業者を依頼してしまうと、修理ができない場合があるのです。

また、フランクミュラーは海外ブランドとしては珍しい認定中古腕時計販売も行っています。
お財布との兼ね合いが気になる方は利用してみるのもいいかもしれません。

 

 

まとめ「フランクミュラーは唯一の魅力を持つブランド」

ここではフランクミュラーの人気のワケと人気シリーズについて詳しく説明いたしました。

今では独立時計師が立ち上げた時計ブランドは決して珍しくありませんが、その先駆けとも言える存在がフランクミュラーで、それゆえにフランクミュラーは他ブランドには真似できない魅力を持つことがお伝えできたなら幸いです。

フランクミュラーを購入する際の参考に少しでもなれば幸いです。