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【カンパノラ グローバルアートコレクション「天-TEN-」「地-CHI-」】
カンパノラ渾身のトゥールビヨンモデルをご紹介

「時を愉しむ」をモットーに、シチズンの類稀なる技術力で遊び心を表現するブランド、カンパノラ。クォーツムーブメントを駆使したコンプリケーションモデルをリリースする傍ら、スイスのムーブメント製造における名門、ラ・ジュー・ペレのムーブメントを搭載したメカニカルコレクションも多く生み出してきました。

そんなカンパノラのメカニカルコレクションに、2022年、ついに複雑機構であるトゥールビヨンを搭載したコンプリケーションモデルが登場しました。

「グローバルアートコレクション」と名付けられ、壮大な「天」と「地」というモチーフを文字盤に表現した2モデルは、スイスの伝統技巧と日本の伝統工芸の融合によって「グローバルアート」と呼ぶにふさわしい仕上がりを見せています。

当記事では、そんなカンパノラ渾身のトゥールビヨンモデルについて詳しく解説いたします。

現在、当店に「NZ3000-19P 地 -CHI- グローバルアートコレクション」が一本のみ入荷しております。なお、現在本作をウェブにて購入できるのは、全世界で当店のみとなっております。

 

 

唯一無二の腕時計を生み出す「カンパノラ」

カンパノラのロゴ画像

カンパノラは国産腕時計メーカーであるシチズンが展開する一大ブランドです。
これまでに光発電システムであるエコ・ドライブや、独自の新素材「スーパーチタニウム」を生み出してきたシチズンですが、カンパノラはその卓越した技術力を遊び心の表現に向けたブランドとなっています。

グランドコンプリケーションモデルの写真

ラインナップには漆塗りや蒔絵といった伝統工芸を駆使した唯一無二のコレクションが多く登場しており、その「時を愉しむ」というコンセプトに基づいたクリエーションが人気を集めています。
中でも一大シリーズである「コンプリケーションコレクション」では、精密なクォーツムーブメントによって腕時計の複雑機構が再現されており、機械式モデルと比べて気軽に腕時計の至高を体験できます。

 

 

2022年登場のマスターピース
「グローバルアートコレクション」

グランドコンプリケーションモデルの写真

今回登場したグローバルアートコレクションは、日本とスイスのロマン同士を融合させることで「世界のどこにもない芸術品を作る」というコンセプトで作られたモデルです。

漆塗、蒔絵、螺鈿(らでん)細工といった日本の伝統工芸美と、スイス時計製造の至宝であるトゥールビヨン。この2つの組み合わせによって「グローバルアート」と名付けられた本モデルは、表面で日本の伝統技法、裏面でスイスの伝統技巧を堪能できる、まさに芸術品(アート)と呼べる仕上がりを見せています。

その文字板デザインは、大いなる時間の流れを象徴する「天」と「地」がモチーフとなっており、伝統工芸士 儀同哲夫氏が手がけた漆塗りと蒔絵、螺鈿細工は壮大な世界観を再現しています。

文字板とムーブメントを組み上げている様子

なお、「天」と「地」はそれぞれ世界限定で5本のみが販売されています。

 

 

天才時計師が生み出した複雑機構「トゥールビヨン」

グローバルアートコレクションの紹介に先駆け、今回カンパノラに初めて採用された複雑機構「トゥールビヨン」について詳しく解説します。

なお、トゥールビヨンの他にも複雑機構は多く登場していますが、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダーの3つは知名度、完成度が極めて高く「世界3大機構」と呼ばれています。

かの有名なフランク ミュラー氏は、このトゥールビヨンを他の複雑機構と共に腕時計に搭載したことで、そのあまりに卓越した時計技術を証明したのでした。

 

トゥールビヨンとは?

トゥールビヨンは、時計の技術を200年進めたと言われる天才時計師「アブラアン・ルイ・ブレゲ」によって発明されました。

その仕組みは、精度に大きく関わるヒゲゼンマイなどの部品を「キャリッジ」と呼ばれるケースの中にひとまとめにし、そのケースを1分間に1回転させることで部品に加わる重力を分散するようになっています。
この回転するキャリッジの中でヒゲゼンマイが収縮する様は渦巻きのように見えたことから、「渦」を意味するフランス語「トゥールビヨン」と名付けられました。

ちなみに、このキャリッジが1分間に1回転することを活かし、秒針とスケールを配してスモールセコンドとする方法もあります。

さて、このトゥールビヨンの登場は1800年頃とされていますが、当時世界では腕時計ではなく前身である懐中時計(機械式)が主に使われていました。
この懐中時計、実際に使ってみるとわかるのですが、腕時計と違って地面と垂直に持つ事が非常に多い時計です。

ここで問題となってくるのが、ヒゲゼンマイの存在です。ヒゲゼンマイは、規則正しく伸縮を繰り返すことで機械式時計の精度制御を担う部品です。
しかし、地面と垂直になることが多い懐中時計では、このヒゲゼンマイの伸縮が重力の影響をダイレクトに受けてしまうため、精度が安定しないと言う問題を抱えていました。

この重力による腕時計の精度への影響を「姿勢差」と呼びます。要は、時計の向きによってその精度に差が出てくるのです。

そして、この姿勢差の問題を解決すべくブレゲが開発した機構こそトゥールビヨンなのです。
もちろん、トゥールビヨンは決して簡単に製造できるものではなく、優れた時計技術と高い製造コストが必要となります。そのため、トゥールビヨンは多くのブランドで上位モデルにのみ搭載される機構となっています。

 

腕時計にもトゥールビヨンは必要?

トゥールビヨンは懐中時計に向けて作られた機構であるため、言ってしまえば腕時計に対してそこまで有効な機構ではありません。加えて、近年の機械式時計では姿勢差の問題がどんどん改善されているため、トゥールビヨンを搭載することで飛躍的に精度が良くなることはないとされています。

しかし、近年になっても多くのブランドはトゥールビヨンモデルを製造しており、人気の高い腕時計ジャンルのひとつとされています。

そもそも高級腕時計は、多くの電子機器に囲まれる現代社会において、ロマンやステータスの需要が大きいアイテムです。そしてトゥールビヨンは腕時計の最高峰の技術であり、規則正しくキャリッジが回転する様からは最大級のロマンを感じることができます。

そのことを踏まえると、トゥールビヨンを搭載した腕時計はロマンやステータスと言う側面であまりにも魅力的と言えるのではないでしょうか。

加えて、腕時計ブランドにとってトゥールビヨンの搭載はその時計製造技術が優れていることの証明に繋がります。そのため、腕時計という文化が無くならない限りは、この先もトゥールビヨンという機構は進化し続けることでしょう。

 

複雑機構、トゥールビヨンの種類は?

トゥールビヨンはその構造から大きく分けて3つのタイプが存在しています。

・ノーマルトゥールビヨン

フランクミュラーのグラビティトゥールビヨン

脱進機周りをキャリッジに収納し、ムーブメントの裏表からブリッジで固定する一般的な機構です。そのクラシックスタイルが最大の魅力であり、技術の進歩によって最近では多くのブランドが腕時計に搭載できるようになりました。

また、ノーマルトゥールビヨンはその構造上応用が効きやすいことも魅力と言えます。例えば、この写真のトゥールビヨンはオフセットトゥールビヨンと呼ばれ、まるで浮遊しているような回転で着用者を楽しませす。

・フライングトゥールビヨン

ブリッジを片側だけにするなどの工夫によって、まるでキャリッジが浮いているように見えるトゥールビヨンをフライングトゥールビヨンと呼びます。

ダイアルから回転するキャリッジの全面を楽しめることから人気が高く、最近では多くのブランドに採用されつつあります。
ただし、固定部を減らしたことでキャリッジの重さを極限まで軽くする必要があるなど、搭載には非常に高度な製造技術が必要となります。

・ジャイロ(多軸)トゥールビヨン

キャリッジが球体となっており、3軸によって3D回転を行う非常にユニークなトゥールビヨンです。盤面上を球体状のキャリッジが回転する様はまさに時計製造の至高と言えますが、製造には極めて高い技術力とコストが必要となります。2004年にジャガー・ルクルトによって製造されました。

 

 

グローバルアートコレクション 地 -CHI- NZ3000-19P

ここからはカンパノラのマスターピースであるグローバルアートコレクション「地」について詳しく見ていきます。なお、もうひとつのマスターピースである「天」につきましては、後日紹介を追加いたします。

伝統工芸士が「地」を表現した漆塗り文字板

地の漆塗り文字板

スイスと日本の伝統工芸が融合したグローバルアートコレクション。日本の伝統工芸として選ばれたのがカンパノラのアイコニックな意匠である漆塗り文字板です。

本作の文字板では、乾燥した漆の粉によって粗い表面を作ったのちに、金粉を蒔いて研ぎ出すことによって荒々しい黒と金の対比を表現。トゥールビヨンが時を刻む様子に情緒を与えています。

また、この金のグラデーションを持つ砂地模様は地球がモチーフとなっており、奥深い色彩によって万物の母たる地球の壮大さが表現されています。

地の時間表示

 

スイスの名門が作り上げたフライングトゥールビヨン

2012年にシチズンが買収したプロサー社の子会社にあたるムーブメントブランド「ラ・ジュー・ペレ」。完成度の高いクロノグラフムーブメントなどを主力とし、これまでに多くのスイスウォッチブランドにムーブメントを提供してきた名門です。

買収された後にはシチズンとパートナーシップを結んでおり、ザ・シチズンメカニカルCal.0200の開発協力や、カンパノラの機械式ムーブメントを手掛けるなど、シチズンの機械式時計における重要な存在となっています。

そして、このグローバルアートコレクションに搭載されたフライングトゥールビヨンもまた、このラ・ジュー・ペレ社によって作り上げられました。

地の時間表示

タイプはムーブメント裏面にのみブリッジを配したフライングトゥールビヨンであり、キャリッジのみで52点もの部品を要する非常に複雑な構造を採用しています。さらに、このフライングトゥールビヨンは同社の一般的なトゥールビヨンに比べて厚みが半分程度に抑えられており、軽さが重要とされるフライングトゥールビヨンの条件を難なくクリアしています。

薄型ムーブメントの組み立て作業風景

さらに、このキャリッジはスモールセコンドの役目も果たしており、ブランドロゴである「カンパノラ・ベル」を大胆にディテールに組み込むことでコラボレーションを達成。
もちろんこのカンパノラ・ベルも決してただのデザインアイコンというわけではなく、キャリッジの重心調整として採用するという隙の無さを見せています。

 

特注トゥールビヨンムーブメントCal.Y392

CAL.Y392

グローバルアートコレクション「天」「地」に搭載されるのは、ラ・ジュー・ペレ社渾身のトゥールビヨンムーブメントであるCAL.Y392です。

トゥールビヨンと時分針のみを備えたムーブメントには一切の無駄がなく、丹精な仕上げは極小ネジの一本にまでしっかりと行き届いています。また、キャリッジ内でヒゲゼンマイが伸縮を繰り返しながら1秒を刻む様は、トゥールビヨンだけが持つ時計製造のロマンを感じさせます。

マニファクチュールであるラ・ジュー・ペレによって、部品加工から仕上げ、装飾までの全てが行われたこのムーブメントには、継承されてきたスイス時計製造の伝統が確かに息づいています。

CAL.Y392のバックビュー

 

18Kホワイトゴールドの金無垢ケース

ケースの全容

伝統工芸師によって彩られたダイアルと、スイスの名門が手がけたトゥールビヨンムーブメントが収まるのは、歪みなく仕上げられた18Kホワイトゴールド製のケースです。このケースはムーブメントの薄型化によってスリム化に成功しており、快適な着用感が備わっています。

ここまでアーティスティックに仕上げられた腕時計の着用はどうしても躊躇してしまいがちですが、腕時計としての実用性はしっかりと押さえられていることがわかります。

ケースの全容

また、ケースバックにはシースルーが採用されており、黒めっきと丹念な仕上げが施されたムーブメントのバックビューを楽しめるようになっています。

 

世界でたった5本しかない特別仕様モデル

化粧箱に収められた「地」

たった5本ずつしか製造されないグローバルアートコレクションは、もちろんその付属品も特別仕様になっています。通常の数倍はあろうかというサイズの化粧箱に加え、保証書もシリアルやムーブメントについて表記された専用のものが用意されました。

化粧箱に収められた「地」

 

 

まとめ

カンパノラがついにリリースしたトゥールビヨンモデル、「グローバルアートコレクション」。日本とスイスの両方の伝統が息づく本作は、まさに芸術品と呼ぶべき漆塗り文字板とトゥールビヨンムーブメントを備えています。

現在ハラダ当店では、この「地」を1本のみ入荷しております。2023年現在、Webで購入できるのは世界で当店のみですので、ぜひ購入のご検討をお願いいたします。

もうひとつのグローバルアートコレクション「天」につきましては入荷次第紹介を追加いたしますので、続報をお待ちくださいませ。