時計のムーブメントとは?種類や見分け方、それぞれのおすすめ時計も紹介 - 高級時計 正規販売店 ハラダHQオンラインショップ

時計のムーブメントとは?種類や見分け方、それぞれのおすすめ時計も紹介

時計のムーブメントとは、腕時計の心臓部であり、時計を動かす機械部分のことを指します。中でも、機械式時計であれば非常に精密なパーツで構成されることもあり、小宇宙と称されることさえもあります。

現在、ムーブメントはさまざまな駆動方式や機構を採用したものが登場しており、そのバリエーションは非常に多岐にわたります。

そこで本記事ではムーブメントの種類や見分け方、それぞれのメリット・デメリットを解説いたします。おすすめの時計についてもご紹介しますので、ぜひ時計選びの参考にしてください。

時計のムーブメントとは

時計のムーブメントとは、針や日付表示などを動かしている内部機器を指します。車のエンジンに例えられることも多く、時計の心臓部となる部分です。

ムーブメントは時計を動かす仕組みや、精度の制御方法によっていくつかの種類に分類できます。時計選びをするときはムーブメントの種類や仕組みについて知っておくと、自分に合った時計を見つけられるでしょう。

ムーブメントの種類と、それぞれのメリット・デメリットについて解説

ムーブメントには駆動の仕組みによって複数の種類があり、時計の性能や価値に影響を与えます。形など見た目で時計を選ぶ人は多いですが、腕時計愛好家ともなると、そのムーブメントにまでこだわる人も少なくありません。

以下からご紹介するムーブメントについて、それぞれのメリット・デメリットを押さえると、好みの腕時計に辿りつきやすいでしょう。

ムーブメントの見分け方

ムーブメントはキャリバーと呼ばれることもあり、一般的にその種類や型番は「キャリバー〇〇」や「Cal.〇〇」のように表記されます。

また、ムーブメントはその駆動の仕方によって複数の種類が定められています。主な種類は次のとおりです。

・機械式・自動巻き
・機械式・手巻き
・クオーツ式
・スプリングドライブ

これらは大きく分けるとゼンマイで動く「機械式」と、水晶を使って動く「クオーツ式」に分けられます。また「機械式」に限り、ゼンマイを動かす仕組みの違いで「手巻き」と「自動巻き」の2種類に分けられています。

なお、セイコーもしくはグランドセイコー独自のムーブメントとして、「スプリングドライブ」も登場しています。このムーブメントは、機械式とクオーツ式のそれぞれの利点を併せ持っており、その独自性が魅力となっています。

また、これら3種は基本的にその秒針の動きによって見分けることができます。機械式とスプリングドライブの運針は「スイープ運針」と呼ばれ、盤の上を滑るように針が進みます。一方、クオーツ式の運針は「ステップ運針」と呼ばれます。特にクォーツ式は1秒刻みで動くため、見分けやすいでしょう。

以下から、ムーブメントの種類ごとの特徴を以下で詳しく解説します。

機械式ムーブメント・自動巻き

機械式ムーブメントの動力はゼンマイです。巻き上がったゼンマイが戻る動きを利用して針を動かしており、物理的な仕組みのみで時を刻みます。また、伝統的な仕組みであるため、高精度な機械式腕時計には職人の技術が必須となります。

現在一般的となっている自動巻き時計は、ゼンマイを巻き上げる必要がある機械式時計のデメリットをカバーした腕時計です。

ローターと呼ばれる半円型の金属部品を取り付けることで、腕が動くたびにローターが左右に振られ、連動してゼンマイが巻き上げられるようになっています。ちなみに、ゼンマイが自動で巻き上げられることから、オートマチック(Automatic)とも呼ばれます。

なお、職人技術が必要な機械式時計は、クオーツ式に比べて高額になってしまう場合がほとんどです。

機械式ムーブメント・自動巻きのメリット・デメリット

自動巻きは普段から着用してれば止まることはないため、時刻もズレにくく、高い精度を維持できます。

ただし、着用しない日が続くと止まってしまうため、正常な使用のためには毎日8〜10時間ほど適度に動かす必要があります。

また、自動巻きはローターなどの部品が多くなるので、後述する手巻きと比べてケースが若干厚くなるというデメリットもあります。

振動を与えるワインディングマシーンに保管する方法もありますが、毎日のように腕時計を着用する人に向いていると言えるでしょう。

機械式ムーブメント・手巻き

手巻き式の機械式時計は歴史が古く、伝統を重視する人にとっても人気が高いジャンルです。

手巻きの機械式ムーブメントは、時計の側面にあるリューズを自分で回転させることでゼンマイを巻き上げ、歯車を動かします。自動巻きと同様に物理的な力、仕組みだけで動いており、そのロマンは抜群。一方で精巧なつくりをしているため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

機械式ムーブメント・手巻きのメリット・デメリット

機械式のメリットは、構造が単純な点です。機械式時計は職人の技術が必要な繊細な機械なので、定期的に点検や修理をするなどのメンテナンスは欠かせません。しかし、手巻き式モデルはシンプルな構造のため、メンテナンス性が高い点がメリットとなります。

また、シンプルな構造はムーブメントのスリム化にも役立っており、手巻き式モデルは総じて、その薄型のフォルムが魅力となっています。

一方、手巻き時計は毎日リューズを巻き上げ直さないと徐々にゼンマイが緩み、精度が落ちてしまいます。この点はデメリットといえるでしょう。とはいえ、リューズを巻く作業自体を楽しむ愛好家も多い印象です。加えて、裏ぶたがガラスになっているシースルーバック採用のモデルであれば、ムーブメントのバックビューを丸々楽しむことができます。

クオーツ式ムーブメント

1969年、セイコーが世界で初めてクオーツ時計の「アストロン」を発表しました。内部に水晶(クオーツ)に由来する部品を使っていることから、クオーツ式と呼ばれています。

クオーツ式は電気を動力とし、水晶に電圧をかけて振動させることで、精度の制御に役立てています。電圧をかけられた水晶は、毎秒規則正しく振動するという特性を備えています。クオーツ式では、この振動を電子回路で信号に換えてステップモーターに伝え、針や日付表示を動かしています。

なお、このステップモーターを搭載せず、液晶パネルに時刻を表示する時計をデジタル時計と呼びます。

クオーツ式ムーブメントのメリット・デメリット

クオーツ式は電池を使って動くため、時計を身に付けていない間も止まらずに動くのがメリットです。リューズを巻く手間や常に身に付けておく必要がないので、扱いやすさは随一と言えるでしょう。量産しやすく手ごろな価格のものも多いので、複数の時計を洋服や気分に合わせて使い分けることも可能です。

また、クォーツの振動数を元にした1秒は極めて正確であり、1日で数秒ズレる機械式腕時計と異なり、1月に15秒ほどしかズレないモデルがほとんどです。電波受信機能によって自動修正してくれるモデルもあるため、腕時計に正確さを重視する場合はまず選択肢に加わるでしょう。

なお、クオーツ時計は電池を使って動いているため、定期的に電池の交換が必要です。また、基本的にモーターのトルクが弱く、重い針を使用できないなど、その拡張性はイマイチと言わざるをえません。

しかし近年ではクオーツ式も進化を重ねており、高級腕時計であればこれらのデメリットもカバーされていることが多い印象です。

スプリングドライブ・ムーブメント

スプリングドライブはセイコーが独自開発したムーブメントで、1999年に世界で初めて発売されました。

スプリングドライブはゼンマイで駆動し、水晶振動子で精度を制御します。つまり、機械式のパワーの強さと、クオーツ式の精度の高さを併せ持ったムーブメントといえます。

機械式時計の精度は日差±15秒といわれていますが、スプリングドライブの精度は月差±15秒を誇ります。この1日に1秒もずれない精度は驚異的であり、ぜんまい駆動の時計としては屈指の性能となっています。

スプリングドライブ・ムーブメントのメリット・デメリット

スプリングドライブは前述したとおり、機械式のパワーの強さと、クオーツ式の精度の高さを併せ持ったムーブメントです。

スプリングドライブはゼンマイを動力にし、水晶振動子と電子回路を使って速度をコントロールしています。電子回路によって動きが制御されているので、盤面が滑らかに動作します。機械式のパワーにより、大きく存在感のある針も付けられるため、デザインが豊富な点も魅力的です。

ただしスプリングドライブは大量の部品で構成されており、量産は難しいため、価格が高くなる傾向があります。手ごろな時計を探している場合、スプリングドライブは予算を超えてしまう可能性があるでしょう。

また仕組みが複雑なので、オーバーホールには専門的な知識や部品が必要です。民間の修理業者ではなく、専門の業者やメーカーに依頼するのが無難となるでしょう。

独自性の高いムーブメントは他にも

セイコーのスプリングドライブ以外にも、ブランドによる独自開発が行われたムーブメントは登場しています。ここでは一例として、オメガのコーアクシャルムーブメントについて紹介します。

コーアクシャルムーブメントは、コーアクシャルと呼ばれる脱進機を搭載したムーブメントです。その魅力は多岐にわたりますが、一番にはそのメンテナンス性の高さが挙げられるでしょう。機械式時計は通常、3〜5年でオーバーホールが必要であるのに対し、コーアクシャルムーブメントを搭載した腕時計は、8〜10年に1度のメンテナンスで済みます。

これは、脱進機に独自の形状を採用したことで、一般的な機械式時計に比べて摩耗が極端に少なくなったためです。定期的なメンテナンスを最小限に抑えたい方は、オメガのコーアクシャルムーブメント搭載モデルを選ぶのがおすすめとなるでしょう。

腕時計はどの種類のムーブメントを搭載するかによって、管理のしやすさや精度が変わる他、重さやデザイン、値段も大きく変わります。

ここでは、ムーブメント別におすすめ腕時計を紹介します。

機械式ムーブメント・自動巻きのおすすめ

機械式・自動巻きのおすすめのムーブメントは、ノルケインのキャリバーNN20/1です。精密で精度が高く、その性能がスイスの公的機関COSCによって認められています。

キャリバーNN20/1を搭載しているおすすめの時計は「ノルケイン インディペンデンス JP ブラックスクラッチ」です。70時間のパワーリザーブが特徴で、週末に時計を外していても動きが止まることがありません。ケースの背面がサファイアクリスタルで覆われているため、ムーブメントの動きを眺められるのも魅力です。

機械式ムーブメント・手巻きのおすすめ

機械式・手巻きのムーブメントを搭載した時計でおすすめなのは「オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」です。

月面着陸プロジェクトという歴史的なシーンに選ばれたモデルのデザイン性を継承しています。

搭載されているムーブメントは、キャリバー オメガ 3861。オメガの独自機構のコーアクシャルを搭載し、ストップウォッチ機能を備えたクロノグラフモデルです。その耐磁性や精度の高さは、スイスの2つの公的機関によってマスタークロノメーター認定されています。

クオーツ式ムーブメントのおすすめ

クオーツ式腕時計からは、シチズンのCal.0100が搭載されたモデルをピックアップしました。その誤差は1年間でたった1秒以内という極めて高い精度を誇り、光発電システムであるエコ・ドライブの搭載によって、電池交換の必要もなし。自然の力だけで動き続けてくれるモデルとなっています。

このCal.0100を搭載しているおすすめモデルは「ザ・シチズン 特定店限定モデルAQ6021-51E」です。ケースにはスーパーチタニウムを採用しており、軽やかかつ傷に強い点も魅力の一つとなるでしょう。

スプリングドライブ・ムーブメントのおすすめ

スプリングドライブはセイコー独自のムーブメントで、その精度の高さと安定性が魅力です。

中でもスプリングドライブムーブメントCal.9R86は、クロノグラフを搭載しており、その精度の高さがクロノグラフでもそのまま活かされています。さらに、約72時間のパワーリザーブを搭載しているので、土日に着用しない使い方でも問題ありません。

このCal.9R86が搭載されているおすすめのモデルは「グランドセイコー 9Rスプリングドライブ SBGC242」です。

18Kイエローゴールドを配した外観は華やかで、その存在感のある出立ちはカジュアルに合わせやすくなっています。

好みのムーブメントや時計を見つけてみて

時計の心臓部であるムーブメントには、ゼンマイの巻き戻る力で動かす「機械式」と、水晶に電力を流して動かす「クオーツ式」の2種類があります。さらに機械式は手動でゼンマイを巻く「手巻き」と、腕の振りを利用して自動で巻き戻る「自動巻き」の2種類に分かれます。

ムーブメントは種類ごとに機能が違うので、例えば腕時計を身に付ける時間が長い場合は自動巻き時計、気分や服装に合わせて付け替えたい場合は種類が豊富なクオーツ式時計を選ぶ、というように使い分けるのもおすすめです。

時計には今回紹介したムーブメント以外にも、ベゼルやケースなどの部品があり、いずれも時計のデザインや機能に欠かせないものです。お好みの一本を見つけて、時計のある暮らしを楽しんでください。

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