腕時計はステンレスとチタンどちらを選ぶ?それぞれの強み・弱みと注目モデル - 高級時計 正規販売店 ハラダHQオンラインショップ

腕時計はステンレスとチタンどちらを選ぶ?それぞれの強み・弱みと注目モデル

腕時計にはステンレススティールやチタンをはじめ、さまざまな素材が使用されています。もちろん素材によって、ケースのデザインはもちろん重量や強度・装着感なども変わるため、腕時計選びの際はその特徴を理解の理解が重要でしょう。

この記事では、ステンレスとチタン、それぞれのメリット・デメリットに加え、各素材を使用したハラダ厳選モデルについてご紹介します。

高級腕時計に使われるケース素材とは

高級腕時計に使われるケース素材は現在、ステンレススティールが主流です。ステンレススティールはさびにくい合金で、メインの成分に鉄(Fe)を使用し、他にクロム(Cr)・ニッケル(Ni)・モリブデン(Mo)などを添加しています。

腕時計のケース素材に多く使われるステンレススティールは「316L」ですが、他にも堅牢性やコストなどの要因で、さまざまなステンレススティールが使われています。

そして、同様に高級腕時計のケースに採用される素材の中では、「チタン(Ti)」も採用されることの多い素材です。ステンレススティールと同様にさびにくい素材であるのに加え、軽くて強度に優れるという特徴があります。

もちろん、古くから高級時計に使われてきた金やプラチナ・銅・アルミニウムなどの素材も、今なお腕時計の素材として需要を集めています。

ステンレススティール製の腕時計のメリット・デメリット

高級腕時計に多く使用されるステンレススティールとチタン。どちらがよいか迷う方も多いでしょう。素材によって特徴が異なるため、それぞれのメリット・デメリットを押さえた上で選ぶのがおすすめです。

ステンレススティールのメリットは耐久性や耐食性の高さと、デザインの幅を広げる加工性の高さに、光沢のある質感。デメリットを挙げるとするならば、その重さと金属アレルギーのリスクが考えられるでしょう。ここからメリット・デメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

傷付きにくく耐久性が高い

ステンレススティールは、頑丈な鉄にクロムやニッケル、モリブデンなどを添加した合金のため、傷付きにくく耐久性が高い点がメリットです。

スチール(鉄を主成分とする合金)の場合は強度に優れる一方、さびやすいというデメリットがあります。対してステンレススティールは、クロムと酸素が結合し鉄の表面に薄い膜を作るため、鉄が酸素に触れることで発生するサビを抑えられます。

また、ステンレススティールは衝撃に強いだけでなく、手洗いや水中で使用してもさびにくいため、長く使いたい腕時計に適した素材と言えます。

加工性の高さで幅広いデザインを表現できる

ステンレススティールを採用した高級腕時計は、美しい光沢があり、その加工性の高さから、幅広いデザインを表現できます。

さらにステンレススティールは質感にも優れています。腕時計を身に着けた際の肌当たりが心地よく手触りも滑らかで、日常使いにも向いています。

近年は貴金属を使用したモデルよりも、むしろステンレススティールモデルに需要が集まっており、その実用性の高さが窺い知れます。

着用シーンによっては重く感じる

ステンレススティールは、腕時計に使われる素材の中では比較的重い金属素材です。そのため、装着シーンによっては重く感じる場合もあるかもしれません。

ステンレススティールに使われる鉄やクロム、ニッケルの比重と、アルミニウムやチタンのように軽量な金属の比重は、どの程度違うのでしょうか。以下に金属ごとの比重をまとめました。

<鉄・クロム・ニッケルの比重>

・鉄:7.87g/cm3

・クロム:7.19g/cm3

・ニッケル:8.90g/cm3

<アルミニウム・チタンの比重>

・アルミニウム:2.7g/cm3

・チタン:4.51g/cm3

鉄やクロム、ニッケルは、アルミニウムやチタンに比べて比重が大きいことが分かります。ステンレススティールは、スポーツで体を多く動かすシーンや1日中腕時計を着けて過ごす場合には重く感じる可能性があるため、使用するシーンも考慮して選ぶ必要があるでしょう

ニッケルアレルギーを起こす人もいる

ステンレススティールにはニッケルが含まれます。これらの素材は汗によって金属の成分がイオン化し肌から体内に入り込み、体内のタンパク質と結合することで、体が異物と見なしてしまい、アレルギー反応を起こす場合があります。

金属アレルギーが起きやすい金属はニッケルの他、クロムやコバルトなどです。ニッケルが含まれるステンレススティール製の時計は、人によってはニッケルアレルギーを起こすことがあります。

接した部分が赤くなる・かゆくなる、湿疹が出るなどの症状が見られた場合はニッケルアレルギーの可能性が考えられるでしょう。汗をかきやすいシーンでは着けない、腕時計を適度に外すなどの工夫が必要です。

チタン製の腕時計のメリット・デメリット

続いて、チタン製の高級腕時計のメリット・デメリットもご紹介します。

チタン製のメリットは軽量で衝撃やさびに強い点と、金属アレルギーが起きにくいこと。デメリットは、くすみやすさや光沢、重量感が足りないことに加え、純チタンであれば傷がつきやすいことが挙げられます。チタンの性質とともにそれぞれ解説します。

軽量で耐衝撃性・耐食性が高い

mrgフロッグマンの全体図

チタンはステンレススティールに比べて、より軽量で耐衝撃性や耐食性に優れています。

ステンレススティールに使われる鉄やクロム・ニッケルに比べ、チタンは約半分の重量です。長時間身に着けたりスポーツをしたりする際も、チタンなら重さを感じにくく快適に過ごせるでしょう。

またチタンは鉄やアルミニウムなど、一般に強度が高いとされる素材よりもさらに頑丈です。衝撃が加わっても壊れにくいため、ぶつけたり落としたりしがちなシーンでも着けやすいという魅力があります。水に強く腐食しにくい素材のため、スポーツや汗をかく場所などで装着したときに、さびにくいのもメリットです。

金属アレルギーが起きにくい

チタンは汗や水に溶けにくい性質を持つ素材です。酸素と結合して表面に溶けにくい不動態皮膜を作るため、金属アレルギーが起きにくいとされています。

ステンレススティールは汗をかくことで成分が溶け出しやすく、金属アレルギーを起こす可能性があります。一方チタンはこの現象が起こりにくく、アレルゲンが発生する心配がほとんどありません。

スポーツ中や長時間装着したい方、以前に金属アレルギーを起こしたことがある方などは、チタン製を選ぶとよいでしょう。

ケース表面が傷付きやすい

チタンは簡単には壊れない強度を持ちますが、硬度は金属の中で比較するとそれほど高くありません。中でも、純チタンはJIS1種・JIS2種などの種類がいくつかあり、数字が大きいほど硬度を持ち、また純度は低くなっていきます。純チタンはステンレススティールよりも硬度が低いため、比較すると傷つきやすいと言えます。

CVSTOS クストス メトロポリタン CVT-METRO-PS TT

ただし現在の高級腕時計に使用されるチタンは、純チタンに加工を施し合金化して硬度を高めたものが多い傾向です。グレード5チタンなどの合金化したチタンは純チタンの約2倍の硬度を持つため、傷付きやすさは軽減されています。

光沢や重量感が物足りない可能性がある

チタンは硬度がそこまで高くない素材ですが、難削材と呼ばれる加工が難しい金属に分類されます。加工の際に切刃が欠ける・切りくずが燃えるなどのトラブルが発生しやすいだけでなく、表面に光沢を持たせる仕上げにも高度な技術を要します。

そのためチタン製の腕時計では、ステンレススティールほどの輝きを出しにくく、光沢感のある外観に仕上げにくいのが難点です。

MRG-B5000D-1JR CASIO カシオ MR-G

ただしMR-Gのように、パーツをそれぞれ分割して磨き上げ、美しい表面仕上げを実現しているコレクションも登場しています。

またチタンは素材が軽量であることが特徴ですが、高級腕時計に重さそのものを求める方もいらっしゃるでしょう。軽い着け心地を魅力に感じる方にはマッチする反面、ある程度の重みがある腕時計を好むなら物足りなく感じるかもしれません。

ステンレススティールを使った高級腕時計

ステンレススティール製モデルは傷やさびに強く、美しい光沢やデザインを長く楽しめるのがメリットです。さらにチタン製モデルよりも比較的安価に購入でき、デザインも幅広いため、重さや金属アレルギーが気にならなければステンレススティール製を選ぶとよいでしょう。

ここではおすすめのステンレススティールモデルを紹介します。

グランドセイコー SLGA009

グランドセイコーのエボリューション9 コレクションは、「光と陰によって織りなす美」のような日本の美意識を取り入れた時計を展開しています。中でもSLGA009は、白樺林をイメージした和をデザインに取り入れながら、従来よりも高い視認性・装着性を備えた1本です。

グランドセイコー独自の駆動方式であるスプリングドライブの中から「キャリバー9RA2」を搭載しており、平均月差±10秒の正確さを誇ります。

約120時間(約5日間)のパワーリザーブを持ちながらも、オフセットマジックレバーを採用しケースの薄型化を実現。ケースサイズは横40.0mm、縦47.9mmと一般的ですが、厚さは11.8mmと薄いため、快適な着け心地を実感できます。

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オメガ デ・ヴィル プレステージ 434.10.41.21.03.001

オメガのプレステージは、代表コレクション「デ・ヴィル」のシリーズの一つ。高級腕時計に多く使用される「316Lステンレススティール」を採用した「434.10.41.21.03.001」は、優れた耐食性に加え、美しい輝きを放つ光沢のあるデザインが魅力の1本です。

注目すべきはそのフォルムとカラーリングであり、ドレッシーなフェイスと淡いブルーのダイアルは、あらゆるシーンへの汎用性を見せています。価格も比較的押さえられているため、オメガのエントリーモデルにもお勧めしたい一本です。

434.10.41.21.03.001に採用されている「キャリバー オメガ 8810」は、日差-4~6秒という高い精度に加え、1万5,000ガウス以上の耐磁性を備えています。パワーリザーブは約55時間で、マスタークロノメーターにも認定されているため、機能性は折り紙付きと言えるでしょう。

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チタンを使った高級腕時計

チタン製は比較的高価なモデルが多いものの、軽量で高い強度を誇り、アレルギーフリーで使用できます。腕時計を長時間装着する方やスポーツをする方、金属アレルギーのある方などは、チタン製の腕時計を選ぶと快適に着用できるでしょう。

厳選した高級ブランドの中から、デザインや機能性に優れるおすすめのチタンモデルを紹介します。

グランドセイコー SLGA019

グランドセイコーSLGA019は、グランドセイコーの工房から東南に位置する諏訪湖からデザインのイメージを得て作られたモデルです。静かな早朝の湖面に朝日が当たって輝く様子や、風が吹いてさざ波を立てる水面などを、深みのあるブルーダイアルで表現しています。

外装や裏ぶたにはブライトチタンを採用しており、重量112gと軽量なのが魅力。長時間身に着けても疲れにくい軽い装着感です。水に強くさびにくいため、汗をかくシーンでもアレルギーフリーで使用できます。

自動巻きのスプリングドライブ(手巻付き)は「キャリバー9RA2」で、最大約120時間のパワーリザーブを誇る5days仕様。高性能でありながら快適な装着感の薄型ケースに仕上げています。ケースサイズは直径40mmで薄型に仕上がっているため、ビジネスシーンなどでも使いやすいモデルと言えるでしょう。

【グランドセイコー SLGA019】諏訪湖の水面を映すスプリングドライブ5Daysモデル

クストス メトロポリタン CVT-METRO-PS TT

クストスのメトロポリタン コレクションは、「洗練された都会」をテーマに制作された、クストスの代表コレクションです。スポーティかつエレガンスさも兼ね備えたスタイリッシュなデザインは、世界各国の都市に溶け込みながらも圧倒的な存在感を放ちます。

本作は、縦51mm・横42mmのトノウ型ケースを採用した、モダンな印象の一本です。極太の針を採用したインディゴブルーのギョウシェ彫りダイアルは、タイムレスな魅力を放ちつつも、抜群の視認性を誇ります。

CVT-METRO-PS TTのケースやストラップに採用されている「グレート5チタン」は、純チタンよりも表面硬度が高く、優れた堅牢性と耐アレルギー性・軽快な着け心地を備えた魅力的な素材です。

自動巻きの機械式ムーブメントは約42時間の駆動が可能で、スケルトンのケースバックから鑑賞できます。伝統的な技法を受け継ぎながら高度な技術を用いて作られたこのモデルは、デイリーユースはもちろんコレクションにもおすすめな一本です。

【クストス CVT-METRO-PS TT】洗練されたギョシェ文字盤が魅力のシティウォッチ「メトロポリタン」

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カシオ オシアナス マンタ OCW-S7000A-2AJF

カシオのオシアナス マンタ OCW-S7000A-2AJFは深海を思わせる美しく深みのある青のカラーリングが印象的な1本です。サファイアガラスベゼルは透明感があり、奥深い青の表現でさまざまに楽しませてくれます。

魅力的なカラーデザインはもちろん、厚さ9.5mmの薄型ケースに集約された技術の数々も見逃せません。

ソーラー充電と電波式時計を融合したムーブメントは、日本だけでなく北米・ヨーロッパ・中国の電波を受信でき、正確に時を刻みます。光を動力に駆動するため電池交換も不要です。フル充電時は発電なしで約5カ月間も駆動するため、電池の残量を気にせず使用できます。

スマートフォンとリンクして世界27都市のワールドタイムを設定できる機能や、10気圧防水の性能も搭載。ケース・ベゼルにチタンを採用し、わずか83gの軽さを実現しました。

オシアナスの新星『OCW-S7000A-2AJF』青の魅力と最新技術が融合した限定モデル

素材ごとの強みを考えて腕時計選びを

ステンレススティール製の腕時計は、丈夫でさびや傷に強く、美しい光沢のある外観が魅力です。多くの腕時計に使われているため、幅広いデザインから好みに合う1本を選べるでしょう。

チタン製はステンレススティールよりも装着感が軽くて強度があり、金属アレルギーが起きにくいというメリットがあります。素材が持つ強みや装着シーンを考えて選ぶことで、自身に最適な腕時計が見つけられるでしょう。

この記事で紹介したステンレススティールとチタン製の腕時計は、デザイン性はもちろん優れた機能性も備えたモデルです。ステンレスとチタンの腕時計で迷っている方は、ぜひ商品ページから詳細を確認してみてください。

今回紹介したモデルに限らず、腕時計の購入を考えている方は、ぜひ創業90年の高級時計正規販売店HARADAのご利用をご検討ください。初めて高級腕時計を購入する際や、一風変わった時計を探している際にも、お気軽にお問い合わせください。

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