
2025年、ジュネーヴ開催のウォッチズ&ワンダーズに、唯一の国産腕時計ブランドとして参加したグランドセイコー。当記事では、そこでも発表された新作モデルから、4本の魅力的なモデルをご紹介いたします。ラインナップは、「SLGB003」「SLGC007」「SLGC009」「SBGW323」の4種。注目はやはり、年差±20秒を実現した新作スプリングドライブ「SLGB003」でしょう。
エボリューション9 コレクション 9Rスプリングドライブ U.F.A.「SLGB003」
発売予定:2025年6月

SLGB003は、グランドセイコーのデザイン哲学「エボリューション9スタイル」の最新作。究極の精度を追求した初の「スプリングドライブ U.F.A.(Ultra Fine Accuracy)」搭載モデルとして登場します。
最大の特徴は、ぜんまい駆動でありながら、年差±20秒という、超高品質のクオーツ式時計に匹敵する精度を実現したスプリングドライブムーブメント「キャリバー9RB2」です。

このムーブメントの製造では、約3か月間のエージング(慣らし)を経て特性が安定した、ごく少数の高性能な水晶振動子のみを採用。さらに、温度特性に優れた新設計のICを組み合わせ、これらを真空にパッケージングすることで、温度変化、湿度変化、静電気、光などの外部影響を極限まで抑えることに成功しています。これにより、年差という圧倒的な精度が実現されました。

加えて、本機では、長期間の使用によるわずかな精度変化を補正できる緩急スイッチを、スプリングドライブとして初めて搭載しています。9Fクォーツに搭載されていたこの機構は、メンテナンス性の確保と、年差という類まれな精度に不可欠な機能となっています。さらに、パワーリザーブも約84時間を備えました。

ダイアルでは、スプリングドライブムーブメントの故郷である信州で見られる「樹氷」の神秘的な美しさを、精緻な型打模様で表現しています。淡いブルーで彩られたダイナミックなパターンが、光の当たり方で表情を変え、繊細な煌めきを放ちます。
ケースとブレスレットには、軽量で耐傷性・耐食性に優れるブライトチタンを採用。グランドセイコーとして初めて、工具を使わずに2mm単位で3段階(計6mm)のスライド調整が可能な微調整機構付き中留を備えており、常に最適な装着感を実現します。

また本作では、低重心設計と幅広のブレスレットによる安定した装着感、鏡面とヘアライン仕上げを組み合わせた端正なケースデザイン、高い視認性を確保した針、インデックスなど、「エボリューション9スタイル」に基づく実用性と美しさが両立されています。
無金利分割払いなら月々わずか
42,100 | 44,500 | ||
25,300 | 25,300 | ||
18,000 | 24,000 | ||
15,100 | 23,100 |
以下記事でより詳しくご紹介しております。>>
ヘリテージコレクション 9Sメカニカル 「SBGW323」
発売予定:2025年5月

SBGW323は、グランドセイコー独自のデザイン文法を確立した歴史的モデル、「44GS」を現代的に解釈した、「44GS現代デザイン」シリーズの1本です。
グランドセイコーの機械式時計が作られる「グランドセイコースタジオ 雫石」から望む雄大な岩手山の山肌に着想を得た、ブランドを象徴する「岩手山パターン」。本作では、この繊細な型打ち模様のダイアルに、岩手県の県花であり、春の訪れを告げる「桐(南部の紫桐)」が持つ柔らかな紫色が採用されました。光を受ける角度によって陰影が移ろい、趣深い表情を見せる手巻メカニカルウォッチに仕上がっています。

歪みのない鏡面と、きめ細やかなヘアライン仕上げのコントラストが美しい多面構成のケースは、まさに「44GS現代デザイン」の真骨頂。ステンレススチール製のケースは、現代のライフスタイルに合わせやすい横36.5mmという絶妙なサイズ感で設計されています。
最大巻上時約72時間(約3日間)持続の手巻メカニカルムーブメント「キャリバー9S64」を搭載。安定した精度はもちろんのこと、りゅうずを巻き上げる心地よい感触も魅力です。
エボリューション9 コレクション 9Sメカニカル クロノグラフ SLGC007
発売予定:2025年5月

SLGC007は、グランドセイコーのデザイン哲学「エボリューション9スタイル」に基づき、スポーティに設計された高性能メカニカルクロノグラフです。
ダイアルは、グランドセイコースタジオ 雫石から望む、厳冬期の岩手山が魅せる情景からインスピレーションを得ています。澄み渡る青空を映し、うっすらと青みがかった新雪が降り積もる様子を、スノーブルーの色合いと、岩手山の尾根を表現した繊細な型打ちパターンで表現。さらに、岩稜と新雪のコントラストを表す二層構造のダイアルが、奥行きと立体感を生み出しています。

ムーブメントは、グランドセイコー初のメカニカルクロノグラフムーブメント「キャリバー9SC5」を搭載しています。Ten beat(10振動)のハイビート、Three days(約3日間)のロングパワーリザーブ、Automatic(自動巻)、ChronoGRAPH(クロノグラフ)という、4つの特徴から、「テンタグラフ」の通称が付けられたムーブメントです。垂直クラッチ、コラムホイールといった高品質なクロノグラフ機構を採用しており、正確な計時と確実な操作感を実現しています。

ケースはブライトチタン製で、素材由来の軽やかさと、低重心設計、幅広のブレスレットの融合によって、良好な着用感が実現されました。ザラツ研磨による歪みのない鏡面とヘアライン仕上げのコンビネーションも、力強さと洗練性を両立させています。
スポーツコレクション メカニカル クロノグラフ SLGC009
発売予定:2025年8月

SLGC009は、ブランドのシンボルである「獅子」の威厳と力強さをデザインソースとしたクロノグラフウォッチです。先進素材と高性能ムーブメント、「キャリバー9SC5」の融合が果たされており、スポーツコレクションのフラッグシップモデルと呼ぶべきタイムピースに仕上がっています。

本作のケースは、獅子の屈強な前足(爪)をモチーフとした、大胆で塊感のあるラグを特徴としています。その腕をしっかりと掴むような力強いフォルムは、ザラツ研磨による歪みのない鏡面と、金属の質感を際立たせるシャープなヘアライン仕上げによって、くっきりと強調されました。
また、ダイアルでは、百獣の王である獅子の「たてがみ」が風になびく様子が有機的なパターンで表現されており、威厳とエレガンスが両立されています。

ケースとブレスレットには、グランドセイコー独自の先進素材「ブリリアントハードチタン」を採用。これは標準的なステンレススチールの約2倍の硬度を持ち、傷がつきにくい特性を備えています。加えて本作では、操作性の高いプッシャーを備えるなど、実用性に配慮した造形も備えました。

ストラップには、従来のシリコンストラップの2倍以上の引っ張り強度を持つ、新開発の高強度ラバーストラップを採用。またケース裏面からは、キャリバー9SC5の精密な構造や、仕上げを見ることができます。
まとめ
2025年に発表されたグランドセイコーの新作モデルは、ブランドの伝統と革新が見事に融合した、魅力あふれるラインナップとなりました。
SBGW323は、44GS現代デザインに日本の自然美を繊細に映し出し、SLGB003は、年差±20秒というスプリングドライブの新たな境地を開拓しました。
そして、高性能メカニカルクロノグラフ「テンタグラフ」を搭載するSLGC007とSLGC009は、それぞれ岩手山の情景と獅子の威厳という異なるテーマを、エボリューション9スタイルとスポーツコレクションのデザインコードに乗せて表現しています。
これらの新作のご購入は、ぜひグランドセイコーサロンである株式会社ハラダへご相談くださいませ。
この記事の監修

- 資格:日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
担当ブランド:Grand Seiko、NORQAIN
腕時計販売店ハラダのオンライン担当。
腕時計の撮影、オンライン上でのマーケティング全般を担当。
最新のトレンドからクラシックなモデルまで、幅広い腕時計の情報を提供し、特に日本の腕時計ブランドであるグランドセイコーの魅力を発信することに注力。グランドセイコーの精密な技術と美しいデザインについて詳しく紹介し、時計の選び方や魅力を伝える事に生きがいを感じている。