【ロンジン マスターコレクション】190年の重みを感じさせるベストセラーモデルを紹介

1832年の創業以来、パイロットウォッチを中心に信頼に足るコレクションを多くリリースしてきたロンジン。
スイスメイドの伝統を重んじながらも、比較的手の届きやすい価格帯のモデルを多く取り揃えており、愛好者だけでなく腕時計初心者まで幅広い層からの評価を集めています。

今回は、そのブランド創立190周年を記念したマスターコレクション「L2.793.4.73.2」をご紹介いたします。各所で伝統的な時計の美しさが息づく本作は、ロンジンが積み上げてきた歴史の重みを存分に感じられるモデルとなるでしょう。

輝くシルバー文字盤とブルースティール針の美しさ

今回ご紹介する「マスターコレクション L2.793.4.73.2」は、ロンジンの創業190周年を記念するモデルとして発表されました。

マスターコレクションは、ロンジンが積み上げてきた伝統を象徴するクラシカルなコレクションが多く揃うシリーズ。190周年を祝する本作はそのコンセプトがより強調された一本となっており、各所で見せるトラディショナルな一面が魅力のドレッシーなモデルとなっています。

L2.793.4.73.2の全体的なデザイン

「L2.793.4.73.2」は、ロンジンの創業190周年を記念して発表されたモデル。マスターコレクションらしく最低限の装飾・機能で構成されており、クラシカルで端正な仕上がりが魅力です。

中でも、ザラつきのあるシルバーの文字盤や彫り込まれたアラビア数字のインデックス、ブルースティールの針などはクラシカルの王道を征く意匠。ロンジンが190年の歴史で積み上げてきた伝統が感じられるものとなっています。

ケース直径は40mm、厚さは9.35mmと標準的なサイズ感。ふっくらとしたベゼルやケース裏など肉感のあるフォルムも本作の特徴のひとつです。

文字盤とインデックス

本モデルは、ダイアルにこだわりと魅力が詰まった1本です。
シルバーダイアルの表面はサンドブラスト加工によってザラつきのある繊細な質感に仕上げられ、インデックスと磨き上げられた針が際立ちます。

アラビア数字のインデックスは、プリントではなく彫刻。CNCスイス型旋盤という時計部品の加工に特化した機械による彫金ですが、加工には1枚あたり約80分もの時間を要すほど繊細なつくりです。

文字盤の外周には、見返しとも呼ばれるインナーリングがあり、ドットのミニッツマーカーが施されています。
リーフ型の時分針と秒針は青焼きとも呼ばれるブルースティールが採用され、クールトーンのシルバー文字盤との相性も抜群です。

いずれのディテールもロンジンの高度な時計製造技術があってこそで、本作の魅力を語る上で外せません。

ケースとベゼル

ケースはステンレススティール製。ケースサイズは、直径40mmと標準的な大きさで洗練されたダイアルデザインも相まって使いやすいモデルとなっています。

丸みのあるふっくらとしたベゼルは、ケースと同じくステンレススティール製。
文字盤はサンドブラスト加工により艶感と反射が抑えられていますが、ベゼルにはポリッシュ仕上げが施されておりより一層輝きが際立っています。

ケース裏はシースルーになっており、搭載されているムーブメントL888の動きが鑑賞可能。
ケース裏外周には、『THE LONGINES MASTER COLLECTION』の刻印にくわえ、記念モデルらしい『190th Anniversary』が筆記体で記されています。

ベルトとバックル

ベルトはダークグレーカラーのアリゲーターストラップ。シルバーの文字盤によく馴染み、高級感がありつつもやわらかで上品な雰囲気を漂わせます。

本モデルのアリゲーターストラップは、マスターコレクションでは初となる「バローロ」加工が施された革が使用されています。バローロとは、植物タンニンを使用した“鞣し（なめし）”の手法のことで従来のなめしよりも革の経年変化を楽しめるのが魅力です。

尾錠はトリプルセーフティのフォールディングクラスプを採用。プッシュボタン式の開閉機構により、ワンタッチで操作できる便利な機能となっています。

シンプルイズベストな機能性

ここからは「L2.793.4.73.2」の機能面についてくわしくご紹介します。
本モデルには複雑でハイテクな機能は搭載されていません。しかし、その単純明快さが本モデルにおける魅力のひとつといえるでしょう。

ムーブメント

本モデルのムーブメントに選ばれたのは、機械式の自動巻「L888.5」です。
ムーブメントメーカーであるETAのエボーシュをもとに作られており、シリコン製ひげゼンマイの採用によって耐磁性に優れているのが特徴。

また、シリコンはその特性から、金属と比べて軽く、衝撃に強いため変形しづらい、耐食性にも優れているなどムーブメントのパーツとして非常に有用な素材です。

裏ぶたはシースルーバック仕様のため、ムーブメントが稼働する様子を鑑賞できるでしょう。

プロフェッショナルウォッチも多く手がけてきたロンジンにしては、本作を少々物足らなく感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、シンプルということはそれだけメンテナンス性、剛性に優れており、長年の使用でも安心して使えるモデルとなるでしょう。

パワーリザーブ

パワーリザーブは約72時間と、3日間ほどの余裕があり申し分ありません。
平日しか着用しない場合や他の時計と併用する場合でも、3日以内であれば頻繁にゼンマイを巻き直したり時刻を合わせる必要がないものとなっています。

耐久性（信頼性）・防水性

3気圧防水と日常生活で着用する分には十分な防水性です。
ただし、ストラップがレザーであることを考えると、手洗いなどで濡れたまま放置するとシミになる恐れがあるため注意が必要です。

L2.793.4.73.2のサイズ感

ケース直径は40mm、ラグ幅は21mmと標準的なサイズ感です。
厚さは9.35mmと、日付表示やGMTといった複雑な機能が搭載されていない分、やや薄く仕上がっています。

一見するとコンパクトな印象を受けますが、実際に装着すると40mmケースのしっかりとした大きさが感じられます。
これは、肉感のあるベゼルを含めケース自体にボリュームがあること、そしてダイアルのインナーリングにより実際の大きさよりも小ぶりに見えるためです。

ケースを真上からみるとボリュームを感じられるものの、厚さは9.35mmと薄型寄りで重さも約69gと軽量。
腕へのフィット感も良く長時間の着用でも負担がかかりづらい点は魅力です。

大人のお洒落に映える時計、高級機エントリーモデルにも

渋ささえ感じるほどのシンプルさですが、輝きを抑えたシルバーカラーのダイアルやエングレービングのインデックスなど、ディテールにこだわりが見られるL2.793.4.73.2。
一方で約35万円という価格帯は、ロンジンのみならず高級時計のエントリーモデルとしてもおすすめです。

クラシカルなデザインではありますが、ドレッシーさは強くないためカジュアルなパーティーシーンにも。
グレーのレザーベルトが綺麗めながらもやわらかさを演出してくれるため、グレーとの相性が良いカーキやベージュのカジュアルスタイルとも合わせられます。

アフターサービス・特典

ロンジンのモデルは購入日から5年の保証が付いてきます。

時計本体およびストラップの経年変化や部品の摩耗、不注意による破損や不具合は保証の対象外となるため注意しましょう。
くわえて、ロンジンが認定している修理業者以外の第三者が施したサービスや修理を起因とする不具合においても保証対象外のためご注意ください。

機械式腕時計の魅力は、メンテナンス次第で何十年も使い続けられることです。
長く愛用するためには、オーバーホールと呼ばれる腕時計のメンテナンスが必須。

特に、ロンジンの「コンプリートメンテナンスサービス」は、ロンジンのモデルを知り尽くした時計職人の手によって行われるため、長年をかけて使っていくモデルには欠かせない機能と言えるでしょう。なお、ロンジンでは6〜8年ごとのオーバーホールが推奨されています。

ロンジンの190周年を記念する特別なレギュラーモデル

今回ご紹介したロンジンのステンレススティールタイプのL2.793.4.73.2は、ブランドの創業190周年を記念するモデル。
しかも、本数限定ではなくマスターコレクションのレギュラーモデルとして発表されました。

細部にまでこだわりが見られるコンテンポラリースタイルは、正真正銘オトナ向けと言って良いでしょう。ロンジンの190周年を記念する本作とともに、次なる200周年に備えてみてはいかがでしょうか。

ロンジン マスターコレクション
L2.793.4.73.2の詳細スペック

ケース

ダイアル＆針

ムーブメント＆機能

ストラップ