![【ミナセ・URUSHI 漆】伝統工芸を閉じ込めた最高峰モデルを紹介 イメージ画像](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_makie_img01.jpg)
今回ご紹介するのは、日本発の高級時計ブランド「ミナセ(minase)」の『URUSHI 漆』コレクション。
切削工具メーカーから始まったミナセがつくる時計は、随所に巧みな技術と職人の意匠が感じられます。
なかでも、漆作家とのコラボレーションとなる『URUSHI 漆』は、日本の伝統工芸を強く感じる芸術的コレクション。
3つのコレクションの魅力とミナセの時計づくりにおけるこだわりをご覧ください。
ミナセの原点、ブランドの歴史
ミナセの母体は、切削工具メーカーである協和精工株式会社です。
1963年、金属などで使う精密加工ドリルの製造からはじまった協和精工株式会社は、その技術力を駆使して時計メーカーからの複雑な注文にも応えていきます。
これをきっかけに、時計に使われる「ケース」を専門としたケース製造メーカーとしてもビジネスを展開。
時計メーカーの要望に応えるために培ったノウハウや技術、そして製造に必要な工具も独自に作りあげたことで、2005年、時計ブランド「ミナセ」を立ち上げます。
2017年には、ブランドの念願であったオリジナルのムーブメントを完成させ、2018年に発表した『SEVEN WINDOWS』に搭載し見事完売。
時計の設計開発から製作までを一貫するマニファクチュール化を実現しました。
ミナセのつくる最高峰モデル、3つの信条
ミナセの時計づくりには、他社にはないこだわりといえる特徴が3つあります。
それがこちら。
- ザラツ研磨
- MORE構造
- ケースインケース
「ザラツ研磨」とは、加工技術のひとつで外装の下地処理のことです。
ザラツ研磨を施すことでなめらかで歪みのない美しいケースに仕上がります。
もともとケース製造をおこなっていたミナセにとって、ザラツ研磨で培われた技術は相当なもの。
かつては高級時計のメッカであるスイスでもおこなわれていましたが、ザラツ研磨は職人の技術が大きく反映されるため、現在は日本の高級時計でしか用いられない技法となりました。
「MORE構造」は、“組木細工”から着想を得たもので外装の全部品を分解できる仕組みのこと。
ミナセのコンセプトでもある「100年後も語り続けることのできる時計作りを目指す」を実現するために考案され、劣化したり摩耗したりした部品のみを交換し永く使えるように考えられました。
「ケースインケース」は、その名の通りケースの中にケースがある構造のこと。
ケースインケースにより、ミナセの特徴であり魅力でもある、立体的かつ独創的なデザインを実現しています。
ケースに使われている部品はすべてザラツ研磨が施されており、一切の歪みのない面が輝きをみせてくれます。
【URUSHI 漆】3つのコレクション
ミナセの「URUSHI 漆」には、現在3つのコレクションが展開されています。
ここからは『蒔絵』『絞漆』『銀蒔』の、それぞれの特徴や魅力をご紹介。
筆者おすすめのモデルもピックアップしました。
URUSHI 漆|蒔絵(まきえ)
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 蒔絵](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_makie_img02.jpg)
蒔絵コレクションは、現在4つのモデルを展開。
『四季・小紋・吉野桜・山桜』は、日本ならではの四季を表現したもので、漆作家の箱瀬 淳一氏が文字盤を手がけています。
既存コレクションである「SEVEN WINDOWS」をベースにつくられており、風防と裏蓋、ケースに施された“7つの窓”が特徴。
抜け感があり超立体的な構造を強く楽しめます。
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 蒔絵 作業工程1](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_makie_img04-1024x576.jpg)
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 蒔絵 作業工程2](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_makie_img03-1024x576.jpg)
蒔絵|小紋(VM15-LBKMA2-SSD)
『小紋』とは、同じ柄が同じ方向を向いて繰り返された柄のことです。
本モデルでは、3つの小紋が描かれています。
単調で古めかしい印象を持たれやすい小紋ですが、3つの柄を用いることでそうした印象を払拭。
落ち着いた色味でありながら、地味さはなく上品な華やかさが魅力の1本です。
URUSHI 漆|絞漆(しぼうるし)
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 絞漆](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_shibo-urushi_img01-1024x576.jpg)
絞漆は、現在『緋色の幻・錫(かすみ)・こがねの揺らぎ・貝の宙』の4モデルを展開中。
漆に卵の卵白を混ぜた絞漆を使用した技法のことで蒔絵同様、漆文字盤は箱瀬 淳一氏が手がけています。
既存コレクションの「DIVIDO」をベースにしており、多面体が織りなす立体的な構造とシャープさが特徴。
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 絞漆 作業工程1](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_shibo-urushi_img03-1024x576.jpg)
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 絞漆 作業工程2](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_shibo-urushi_img04-1024x576.jpg)
紋漆|錫(かすみ)(VM14-RBKKA2-SSD・VM14-RBKKA2-SSD)
絞漆を塗った上から錫鈖を撒いて“かすみ”を表現した1本。
「錫鈖」とは、錫(すず)を粉状にしたものです。
もやのように浮かび上がる模様は、見る者によって見え方が変わるようなおもしろさ、美しい儚さが感じられます。
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 絞漆](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/shibo-urushi_header01-1024x576.jpg)
URUSHI 漆|銀蒔(ぎんまき)
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 銀蒔き](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_ginmaki_garally04-1024x576.jpg)
銀蒔は、現在同じ柄で青・赤・緑の色違いのモデルを3つ、それぞれラバーとステンレスのブレスレットから選べます。
文字盤は、漆作家であり蒔絵師の島本 恵未氏が担当。
他コレクションのような凝った装飾などはありませんが、洗練された美しさや煌めきが飽きのこない魅力的なコレクションです。
コレクションのベースは、絞漆と同じく「DIVIDO」からつくられています。
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 銀蒔き 作業工程1](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_ginmaki_img01-1024x576.jpg)
![MINASE ミナセ URUSHI 漆 銀蒔き 作業工程2](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/05/minase_ginmaki_img02-1024x576.jpg)
銀蒔(VM14-RBKUBL・VM14-RBKURE・VM14-RBKUGR)
「URUSHI 漆」のなかでも、もっともシンプルなデザインの銀蒔。
漆にそれぞれの染料を混ぜて文字盤に塗り、蒔絵を施してつくられています。
シンプルだからこそ漆の美しさが際立ち、職人の腕が試されるもの。
光のあたり方で表情を変える文字盤は、星空や宇宙のようにも感じられるでしょう。
URUSHI 漆、伝統工芸と職人技が魅せる日本の美しさ
ミナセの時計は、どれも独創的で日本の美しさが詰まっており、まさに芸術作品のよう。
とくに今回ご紹介した「URUSHI 漆」は、漆作家とのコラボレーションであり唯一無二の最高峰モデルです。
今回は各シリーズの一部のモデルしかご紹介できませんでしたが、他モデルも美術館で保管されそうなほどに繊細で秀逸なものが揃っています。
漆文字盤の美しさとミナセの技術を詰め込んだケースの立体感、ぜひ手にとってご覧ください。
この記事の監修
![腕時計販売店 HARADA](https://hrd-web.com/apps/note/wp-content/uploads/2023/06/harada_new_shop-150x150.jpg)