【ザシチズン 藍染文字板 AQ6110-10L AQ4091-56M】
ついに登場したジャパンブルーの年差エコ・ドライブモデルをレビュー
卓越した精度と実用性が魅力のシチズンのフラグシップシリーズ「The CITIZEN(ザ・シチズン)」。
そのクォーツシリーズは年差という研ぎ澄まされた精度を誇り、エコ・ドライブをはじめとする自社技術の数々を搭載することで実用時計の理想を追求しています。
当記事ではそんなザ・シチズンから、藍染された土佐和紙を文字板に用いたメイドインジャパンを象徴するコレクションをご紹介します。
藍染でしか生み出せない深みのある「青」で生み出された色彩美を、ぜひ一度ご覧になってください。
目次
ザ・シチズンおよび、高精度クォーツシリーズとは
「ザ・シチズン」は、シチズンが「時計の本質の追求」をコンセプトに、卓越した精度を誇る高品質の腕時計を多くリリースするシリーズです。
2021年には新作機械式ムーブメント「Cal.0200」を搭載するメカニカルコレクションを発表し、そのラインナップの幅をさらに広げました。
そのザ・シチズンの最もアイコニックなラインナップが、「高精度 エコ・ドライブ」シリーズです。年差という極めて優れた精度と、独自の光発電システム「エコ・ドライブ」を備える本シリーズは、腕時計としての圧倒的な完成度の高さから、本質を追求する「ザ・シチズン」というコレクションを象徴するシリーズになっています。
その文字板とりゅうずにはブランドロゴであるイーグルマークがあしらわれており、古くから人に寄り添い、遥か先を見渡す「鷲(ワシ)」がブランドの先進性を象徴しています。
エコ・ドライブと抜群の相性を見せる和紙文字板
ブランドの多くのクォーツモデルに搭載される光発電システム「エコ・ドライブ」は、優れた発電効率と省エネルギー技術によって、室内の弱い光であっても腕時計を動かし続けられる革新的な発電機構です。
ただし、基本的にエコ・ドライブは文字板を透過する光によって発電するため、実装のためにはどうしても文字板素材が制限されてしまいます。
そこで、文字板の個性の演出と、エコ・ドライブ機能の搭載を両立する文字板としてザ・シチズンに選ばれたのが、「和紙」でした。
和紙で作られた文字板は染色や蒔絵といった装飾で個性を演出できるだけでなく、職人の手作業によって作られるために完全に同じものは存在しないという特徴を持ち合わせています。
この和紙文字板によって、ザ・シチズンは従来モデルとは一線を画す個性を獲得し、エコ・ドライブを搭載しながらも、より奥深い表情の演出を可能としたのです。
ちなみに、ザ・シチズンの文字板には日本三大和紙の一つである”土佐和紙”から、0.02mmの極薄紙「土佐典具帖紙(とさてんぐじょうし)」が主に使用されています。
自然由来の「藍」が息づくザ・シチズン待望の藍染文字板モデル
2022年11月、そんなザ・シチズンの和紙文字板モデルから、藍染された文字板を使用したニューフェイスが発表されました。
これまでにも色とりどりに染め上げた和紙文字板を用いてきたシチズンでしたが、ジャパンブルーである藍に染められた土佐和紙の文字板はまさに唯一無二。非常に奥深い青の表現に成功しています。
腕時計の理想を追求しつつも日本の伝統を重んじてきた「ザ・シチズン」にとって、代々受け継がれてきた染色技法である「藍染」の採用はもはや必然と呼べるのかもしれません。
藍染工房「Watanabe's」による伝統技法を使った藍染
本作の製造にあたり、シチズンはこの藍染を名産地である徳島県の工房「Watanabe's」に依頼。伝統技法である「天然灰汁発酵建て(てんねんあくはっこうだて)」によって染め上げられた土佐和紙を採用しています。
この技法はいわゆる本場の藍染方法であり、蓼藍(たであい)という葉を乾燥・発酵することによって作られる蒅(すくも)をもとに、木灰汁などを加えて染液を発酵させます。
工房「Watanabe's」ではこの蓼藍の栽培から染色までを一貫しておこなっており、本作の和紙文字板ではその職人の技によって作り出された自然由来の色彩美を存分に楽しめるようになっているのです。
年差クォーツモデルから2種類の藍染文字板モデルが登場
今回のリリースでは、「年差±5秒エコ・ドライブ」と「Cal.0100 年差±1秒エコ・ドライブ」の2種類の藍染文字板モデルが登場しました。ここでは、それぞれのモデルの特徴・機能等について詳しく解説していきます。
なお、Cal.0100 年差±1秒モデルは特定店限定モデルとなっています。
Cal.0100 年差±1秒エコ・ドライブモデル「AQ6110-10L」
年差±1秒エコ・ドライブモデルは、その名の通り年差±1秒という精度を誇るザシチズンのハイエンドコレクションです。
これまでに限定モデルも含めて多くの年差±1秒モデルが登場してきましたが、和紙文字板モデルは本作で累計3本目。限定生産のモデルを除けば和紙文字板は初めての採用となるので、年差±1秒で和紙文字板を楽しみたい方には嬉しいリリースとなるのではないでしょうか。
そのウォッチデザインは、洗練された3針に薄型のケース、エレガンスを漂わせるワニ革バンドの採用など、非常にドレッシーな雰囲気が強いモデルとなっています。
デイト機能さえも廃した最低限の要素だけで構成された盤面となっており、藍染が生み出す深い青の表現を全面で楽しむことができるでしょう。
加えて、水晶(クォーツ)を模したラグや、切分にピッタリと重なる長い秒針など、高精度を象徴する意匠が盛り込まれており、年差±1秒という特別なモデルを持つ歓びを感じさせます。
横37.5mm×厚み9.0mmのケースはデュラテクトプラチナが施された独自のスーパーチタニウムを採用。
裏ぶたにはこれまで限定生産モデルだけの特徴だったシースルーバック仕様が採用され、黒ルテニウムめっきの美しい背面と独自のインダストリアルなストライプ模様を楽しめるようになっています。
本来シースルーバックは、機械式ムーブメントの精緻なメカニズムを楽しむために使われることの多い仕様です。しかし、本作に搭載されているクォーツムーブメント「Cal.0100」はシチズンの技術力の結晶と言えるムーブメントであり、クォーツモデルながら特例的にこの仕様が採用されているのです。
そのスペックには、最大充電時で約8ヶ月のパワーリザーブ(パワーセーブ作動時)、時差設定機能、5気圧防水と第1種耐磁を備えるなど、アクティブシーンを除けば普段使いに問題なく着用できます。
年差±5秒エコ・ドライブモデル「AQ4091-56M」
年差±5秒モデルは、上記の年差±1秒モデルから一転、スポーティテイストすら感じられるスタンダードデザインが採用されています。
こちらはデイト機能を搭載しており、各表示部に夜光塗料、リューズガードや10気圧防水を備えるなど、年差±1秒より日常使いが意識されたモデルとなっています。
ブレスレットとケース両方にデュラテクトプラチナが施されたスーパーチタニウムを使用しており、こちらでも堅牢性と見た目の美麗さが強調されました。
ケースサイズは40mm、厚みは12.2mmと使いやすいサイズ感になっており、カジュアル・ビジネスでの活躍が期待できるでしょう。
ムーブメントには年差±5秒モデルに標準搭載されているCal.A060を搭載。フル充電時には約1年半(パワーセーブ作動時)のパワーリザーブを発揮し、時差設定機能と第1種耐磁性能を備えます。
注目したいのがデイト機能であり、2100年まで調整の必要がないパーペチュアルカレンダーに加え、12時ちょうどに日付が切り替わるジャストカレンダー更新機能も搭載されています。
ザ・シチズンだけの充実したアフターサポート
ザ・シチズンのコレクションは、購入から10年間の無料保証期間が付属します。(MY CITIZEN シチズン オーナーズクラブご登録により10年間)
この10年間の間は自然に起こった故障であれば無償で対応してもらえる上に、追加で無償点検のサービスも提供されます。
この非常に長い保証期間は、そのままシチズンの品質に対する自信を表していると言えるのではないでしょうか。
毎日使いたいザ・シチズンだからこそ、品質に対するこのサービスと自信は着用者にとって非常に頼もしい存在となっています。
まとめ「藍染文字板を採用したハイエンドコレクション」
当記事では、ザ・シチズンのバリエーションにさらなる深みを与える藍染モデルについて詳しくご紹介しました。
技術派の国産腕時計ブランドとして確かな地位を確立しているシチズン。今回の藍染文字板は、そのメイドインジャパンのあり方を象徴するようなジャパンブルーに染め上げられています。
藍染の名産地である徳島に本拠を置く当店と致しましては、是非とも一度手にとっていただきたい腕時計になっております。
藍染文字板モデルは2022年11月17日発売予定です。予約も受け付けておりますのでぜひ一度ご相談くださいませ。