日本には昔から、五感を使って移りゆく季節の変化を楽しみ、また名残惜しむ感性があります。
国産腕時計ブランドであるグランドセイコーでは、そんな四季を愛でる日本の風情を腕時計のデザインに反映し、日本的で趣あるモデルを数多く輩出しています。
特に最近注目されているのが、4つの季節をさらに6つに分けた24区切りある節気の変化を、腕時計のカラーリングや仕上げ加工に投影したシリーズです。
当記事では、この24節気シリーズから4つの手巻きメカニカルモデルをご紹介します。
【グランドセイコー 24節気シリーズ】4つの手巻きメカニカルモデルが表す節気や時期とは
グランドセイコーがコンセプトとして掲げる「The Nature of Time(時の本質)」に基づいた4モデルでは、日本の24節気の中から以下の4つの節気が表現されました。
- 杪夏(びょうか):夏の終わり:8月下旬〜9月上旬
- 晩冬(ばんとう):冬の終わり:12月下旬〜2月上旬
- 暮秋(ぼしゅう):秋の終わり:9月下旬〜11月上旬
- 季春(きしゅん):春の終わり:3月下旬〜5月上旬
季節の終わりをその盤面に閉じ込めたコレクションからは、季節感を重要視するグランドセイコーの精神を大いに感じ取ることができるでしょう。
【グランドセイコー 24節気シリーズ】エレガンスコレクションの手巻きメカニカルモデルに共通するサイズ感
グランドセイコー エレガンスコレクションの24節気シリーズに共通する特徴について解説します。
外観や造形の特徴
ダイヤルとインデックス
ダイヤルは微細な繊維が重なり合った上質の手漉き和紙のような風合い。
インデックスは寄棟型(よせむねがた)の屋根のような形状で、12・3・6・9時位置のものは2本並べた太さがあり、全ての面が鏡面状に磨かれキラキラと反射します。
そして、時分針は中心から先端までまっすぐに稜線が連なるドルフィン針で、視認性が高く堂々とした形状。
ダイヤルはインデックスと指針、ロゴだけで、日付表示のない究極のシンプルデザインです。
また、手巻きモデルであるため文字盤に「AUTOMATIC」の表記さえなく、文字盤のディテールを全面で楽しめるようになっています。
ステンレススチールケース
ステンレススチールのケースは全面にザラツ研磨とポリッシュ仕上げが施されているため、どの方向からも歪みのない輝きを見ることができます。
また、細めのラグは先端に向かって手首に沿うような形状であるため、その着用感も良好です。
ケースバックに関してはシースルーバックを採用しており、ローターの無いムーブメントの装飾を存分に眺められます。
ボックス型サファイアガラス
モース硬度9のサファイアガラスは傷に強く、内面無反射コーティングによって反射や写り込みが抑制され、いつまでもクリアです。
クロコダイルレザー
型押しではない自然な竹腑模様(たけふもよう)は、クロコダイルレザーの自然なパターンで、同じ物が2つとありません。
柔らかくなめしたレザーは手首にフィットし、快適な装着感です。
ムーブメントの特徴
メカニカル手巻きムーブメントのキャリバー9S64を搭載し、通常使用時の携帯精度は日差+10~-1秒。
最大巻上時のパワーリザーブは約72時間(約3日間)を誇っており、実用時計としての十分なスペックが備わっています。
ケースのサイズ感
ケースサイズは、横:37.3mm、縦:44.3mm、厚さ:11.7mmであり、ケース径はメンズの主流である40mmより小さく、男女兼用で使えるほどです。
また自動巻きでデイト機能がないため、ケース厚はボックス型サファイアガラスでも11.7mmと、やや薄型で低重心に仕上がりました。
なお、10気圧の防水性も備わっているため、日常生活の水濡れ程度であれば問題なく使用できます。
腕時計の総重量
重量は61gと非常に軽やかで、終日腕に着けていても疲れにくくなっています。
こちらも女性の着用に嬉しい仕様と言えるでしょう。
【グランドセイコー 24節気シリーズ】エレガンスコレクションから4つの手巻きメカニカルモデルをご紹介
ここからは、4つのモデルそれぞれの特徴についてご紹介します。
(1)SBGW285|秋を前に深みを増すダークグリーン
夏から秋に移行する時期の「杪夏(びょうか)」は、朝晩の気温が下がりはじめ朝露が草花を濡らし風が涼しく感じ始める時期。
緑が一層成熟して濃度を増す深い緑を写し取ったようなレザーブレスレットは、朝露に濡れたようにしっとりと光ります。
(2)SBGW281|春を待ちわびる期待感のゴールド
冬から春に移行する時期の「晩冬(ばんとう)」は、厳しい寒さはピークを過ぎて暖かな日差しに春を期待する時期。
周囲で変化する香りが冬の終わりを告げています。
雪解けによって顔を出した地表の草のようなツヤ消しベージュのレザーブレスレットと、水面に映る太陽のようなシャンパンゴールドが美しい一体感を作り出しています。。
(3)SBGW287|燃える山々は情熱のワインレッド
秋から冬に移行する時期の「暮秋(ぼしゅう)」は、秋が深まり連なる山々が一斉に燃えるような赤に染まる時期。
豊かな実りの秋を過ぎ冬へと向かう名残惜しい気持ちを、凝縮した濃いワインレッドで表現。
まるで静かに燃える情熱のようでもあります。
グランドセイコーのレギュラーモデルとしては赤系の文字盤は非常に珍しく、そういった意味でも魅力的なモデルと言えるでしょう。
(4)SBGW283|宇宙まで続く透明なライトブルー
春から夏に移行する時期の「季春 (きしゅん)」は、初夏の若葉のすがすがしい香りを乗せた優しい風を、自分の体で受けて肌で感じる時期。
ダイヤルは淡くどこまでも透き通った青空、レザーブレスレットは日没と夜をつなぐ藍色の空を想起させます。
なお、近年の腕時計のトレンドであるライトブルーダイアルを採用しているため、4モデルの中でも極めて人気が高いモデルとなっています。
【グランドセイコー 24節気シリーズ】小ぶりのメンズ手巻きメカニカルモデルなら男女兼用で使用できる
これら4モデルのケースは、メンズには若干小さくレディースには若干大きい中間的なサイズ。
最近はジェンダーレスなデザインの衣服や腕時計などを、ご夫婦やパートナー間で共有できるものが増えています。
男女に偏らない当モデルの雰囲気なら、共有アイテムとしてそれぞれが楽しめるデザインとサイズ感であり、使い勝手が良いモデルと言えそうです。
また、色違いペアウォッチとしての選択肢にもおすすめのシリーズとなっています。
【グランドセイコー 24節気シリーズ】気軽に着用できる日常使いに適したシンプルなデザイン
どれもが大人の雰囲気に馴染む色気があり、男女問わずまた幅広い年齢層にも無理なくお使いいただけます。
手巻き式でノンデイトの小径モデルは、さまざまな時計を経験して最終的にたどり着く究極のシンプルデザインといわれ、身に着ける人やファッションを限定しない高い汎用性があります。
また、素材・性能・デザイン・ブランドのどれもが一流でありながら比較的手に入れやすい価格設定も魅力的と言えるでしょう。
パートナー間で共有できるハイパフォーマンスモデルとして、ぜひ購入をご検討ください。