グランドセイコーの本流というべき「44GS」の伝統はそのままに、現代風にアレンジされた手巻き式ドレスモデルが登場しました。トレンドに則ったコンパクトケースにはシンプルなワントーンカラーが採用されており、高い汎用性も期待できる一本です。
当記事では、このSBGW291の特徴や洗練されたデザインについて詳しく解説いたします。
【グランドセイコー SBGW291】
44GS現代デザインの最小モデル
1967年に登場したグランドセイコーの44GSは、現在のグランドセイコーのデザインコードである「セイコースタイル」の礎となった、まさにマイルストーンと呼ぶべきモデルです。
現在では、そのスタイルを現代風にアップデートした「44GS現代デザイン」モデルが登場しており、いずれも44GSの本質を踏襲しつつも、モダンなエッセンスが取り入れられました。
本作はその44GS現代デザインを採用しており、極めてコンパクトなケースにその哲学を詰め込んだ、なんともテクニカルなモデルとして登場しました。
【グランドセイコー SBGW291】
どこからでも輝いて見える時計
シルバートーンで統一された美しい外観
本作はステンレスケースにシルバーダイアルを採用した、シルバーのワントーンモデルとなっています。しかしながら、針、インデックスといった表示部は際立つよう多角カットでデザインされており、時間の視認は全く問題ありません。
また、サンレイパターンのシルバーダイアルは洗練された印象が持たされており、ビジネス、ドレスシーンを中心に多くのシーンへの親和性を備えています。
さらに、シンプルな手巻きメカニカルモデルゆえに、ダイアルデザインが洗練されている点もポイントです。「AUTOMATIC」や「Hi-BEAT」といったロゴが無い点は、手巻き式モデルゆえの個性と言えるでしょう。
面と面がしっかりと際立つミニマルケース
本作のケースは、36.5mmと非常にコンパクトに収まっています。このサイズは44GS現代デザインモデルとしては最小であり、最近の小型化のトレンドにも合致するものと言えます。
加えて、44GSで確立された「燦然と輝く時計」が実現しており、歪みのない仕上げ、造形はあらゆる角度か鏡面を楽しめるようになっています。
これはグランドセイコーの巧みなザラツ研磨技術によるもので、はっきりとした稜線で面が際立つケースは、ミドルサイズモデルながら十分な存在感で手元を彩ります。
ガラスはボックスタイプになっており、腕時計に厚みを与えるとともに、クラシカルな印象も演出しています。
一体感のあるグレーのクロコダイルレザー
グレーのクロコダイルレザーはシルバートーンの本作と非常に相性がよく、細身で着用感にも優れています。3つ折れバックルも使い勝手が良く、日常のワードロープに取り入れたい腕時計と言えます。
【グランドセイコー SBGW291】
男女問わず使いやすいサイズ感
44GSシリーズは通常なら38mmまたは42mm程度であるところ、このモデルは最小クラスとなる36.5mmのケース径を採用しています。厚みも11.6mmと薄型であり、性別問わずに使えるサイズ感とデザインは本作の魅力のひとつと言えるでしょう。
このコンパクトサイズは手巻きムーブメントの採用によるもので、自動巻き上げ機構のローターの分だけケース厚が薄くなり、弓状に支えるラグの柔らかいラインも映えるようになっています。
【グランドセイコー SBGW291】
無駄を削ぎ落とした機能性
SBGW291は、クロノグラフやGMTといった機能はなく、日付表示すらない非常にシンプルなモデルとなっています。しかし、その分非常に安定した構造を備えており、高い信頼性が期待できます。加えて、洗練されたデザインが主流のドレス、ビジネスウォッチとしては、なんとも魅力的な選択肢となるでしょう。
コンパクトな手巻きムーブメント「Cal.9S64」
本作は、2011年より使用されている信頼の手巻き機械式ムーブメント、キャリバー9S64を搭載しています。決して多機能ではありませんが、自動巻きローターが無いため、裏蓋から丹念に作り上げられたバックビューを楽しめるようになっています。
約72時間のパワーリザーブがあるため、実用性も十分。着用前にゼンマイを巻き上げる動作がきっと楽しみになるでしょう。
防水性
10気圧の防水性が備わっており、日常使いには問題ありません。機会は少ないとは思いますが、スポーツや水辺でのアクティブシーンの際は外すようにすべきでしょう。
【グランドセイコー SBGW291】
コンパクトな44GSデザインモデルのメリットとデメリットとは?
シンプルで洗練されたデザインを特徴とする本作ですが、そのあまりの無駄の無さにはメリットとデメリットがあると言えます。
メリット
シンプルなデザインと控えめなカラーのおかげでビジネスもフォーマルも問題なく、幅広いファッションにも違和感なく馴染むなど、非常に高い汎用性が持ち味です。
ストラップがブラックではなくグレーに近いカラーだからこそ、ビジネスもフォーマルもモダンファッションでも、そつなくこなせる懐の深さを備えているのでしょう。
デメリット
差し色にするファッションアイテムとしての着けこなしや、スポーツ向けの多機能を求める方には不向きと言えます。また、レザーストラップであるため、汗や雨の濡れで劣化が早まってしまいます。こまめな手入れが必要となります。
【2023年新作】同ケースのブレスレットモデルが登場
2023年11月には同じく36.5mm径ケースを採用した、黒と白の2色のブレスレットモデルが登場しています。いずれもダイアルの中心から太陽のような放射が広がっており、あらゆるシーンで使いやすいモデルとなっています。
ペアウォッチの選択肢にもぜひご検討ください。
まとめ
当記事では、GSでも比較的コンパクトなサイズ感が特徴的なシルバートーンモデルをご紹介いたしました。ノンデイトかつ手巻きタイプの非常にシンプルな一本ですが、着用してみればたくさんの魅力を実感いただけると思います。
ペアウォッチのみならず、パートナー間で共有するシェアウォッチにもおすすめのサイズ感ですので、ぜひ一度お試しくださいませ。
グランドセイコー Heritage Collection SBGW291の詳細スペック
詳細
外装 | ステンレス 裏ぶた:スクリューバック |
---|---|
ガラス材質 | ボックス型サファイア |
コーティング | 内面無反射コーティング |
ケースサイズ | 横 36.5mm 縦 42.7mm 厚さ 11.6mm |
バンド幅 | 18 mm |
バンド材質 | クロコダイル |
中留 | ワンプッシュ三つ折れ方式 |
腕周り長さ(最長) | 182 mm |
ムーブメント | 9S64 |
駆動方式 | メカニカル 手巻 |
駆動時間 | 最大巻上時約72時間(約3日間)持続 |
静的精度 | 平均日差+5秒~-3秒 |
携帯精度 | 日差+10~-1秒 |
防水 | 日常生活用強化防水(10気圧) |
耐磁 | あり |
重量 | 66 g |
その他 | 石数 24石 |