リーズナブルで精度も高いクオーツ時計は、時計愛好家に愛されています。しかし、なぜクオーツ時計の精度が高いか、高機能ながら価格を抑えて販売できるか、その理由を知っている方は少ないのではないでしょうか。
本記事ではクオーツ時計の仕組みや成り立ちなどの基礎知識から、そのメリットデメリットまで詳しくご紹介します。また、おすすめのクォーツ式時計として、今回グランドセイコーの9Fクオーツをピックアップいたしました。クオーツ時計について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
クオーツ時計とは
水晶（クオーツ）は外から電圧印加をかけると、規則的に振動する性質があります。クオーツ時計は、この性質を精度の制御に利用した時計を指します。
この規則的な振動は1秒あたり32768Hzとされており、その振動数をもとにしたクォーツ時計は極めて正確な1秒を刻むことができます。
簡単な仕組みとしては、時計内部で水晶に電圧がかけられており、生み出される32768Hzの振動がIC回路によって「1秒単位」の電気信号に変換されます。そして、この電気信号を受け取ったステップモーターが1秒ずつ秒針を動かすことで、クォーツ時計は時間を刻みます。このような1秒ごとの運針を「ステップ運針」と呼びます。
なお、クオーツ時計の電力には主にボタン電池が使われていますが、近年はソーラー発電方式、自動巻発電方式など、さまざまな方式のクオーツ時計も開発されました。
クオーツ時計の歴史
電圧印加時のクオーツの振動を時計に利用できないか、という試みは1920年代から始まりました。1969年にはついに世界初のクオーツ式腕時計「セイコークオーツアストロン35SQ」が発表。その技術が公開された後の1970年代に入ると、各時計メーカーがこぞってその量産化・高精度化に取り組むようになったのです
近年では、このクォーツ式の仕組みを活かした新ムーブメントも開発されています。特に有名なのが、機械式時計とクオーツ時計のそれぞれの利点を活かした「スプリングドライブ」であり、1999年にセイコー（現セイコーエプソン株式会社）によって生み出されました。
世界初のクオーツ時計
世界初のクオーツ式腕時計は、先述の通りセイコーが開発した「セイコークオーツアストロン35SQ」です。セイコーは1964年開催の東京オリンピックで公式計時メーカーを務めることになり、クオーツ時計の開発に注力しました。
卓上型の1号機の完成が1962年で、7年後の1969年には各パーツの小型化と省電力化により「セイコークオーツアストロン35SQ」の販売に成功しました。その精度は日差±0.2秒、月差±5秒という、当時の腕時計としてはあまりに卓越した性能を実現。以降、クオーツ式腕時計の量産化・高機能化に邁進していくことになりました。
機械式腕時計との違い
機械式腕時計とは、巻き上げられたゼンマイがほどける力を動力源とする腕時計のことです。機械式腕時計の内部には大小多数の歯車が格納されており、ゼンマイから個々の歯車へとエネルギーが伝わります。
クオーツ式腕時計と機械式腕時計との違いは、動力源です。クオーツ式腕時計は、電池などの動力源があれば放置しても時を刻み続けます。一方、機械式腕時計の動力源はゼンマイです。巻き上げたゼンマイが全てほどけてしまうと時計が止まってしまうため、定期的にゼンマイを巻き上げる必要があるのです。
ハラダが厳選しておすすめするクオーツ時計4選
高精度なクオーツ時計は、さまざまな価格帯やデザインのモデルが各種ブランド、メーカーより展開されています。これだけ選択の幅が広いと、どのクオーツ時計を選ぶべきか迷ってしまう方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、世界に誇る国産腕時計ブランド「グランドセイコー」の9Fクオーツより、おすすめモデル4選をご紹介いたします。
完成度の高いクオーツ時計をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
グランドセイコー 9Fクオーツ SBGX353
SBGX353は爽やかで美しい「雪白ブルー」のダイヤルが印象的なモデルです。和紙のような繊細な質感が特徴のダイヤルは、信州の山々に積もった雪の風紋から着想を獲得。同じデザイン性のスプリングドライブとのペアにも選べるモデルとなっています。
ボックス型のサファ イアガラスや、5面ダイヤカットが施された時分針に、クロコダイルのストラップが採用され、全体的にエレガントさや高級感が感じられます。また小ぶりなケースは主張しすぎず、使う人の個性を引き立ててくれます。男女問わず使いやすいサイズとデザインで、シェアウォッチとしてもおすすめです。
重さも47gと軽く、違和感なく軽快に着用できるでしょう。クオーツムーブメントには「キャリバー9F61」を搭載。カレンダー機能さえも持たないシンプルな機能性は好みが分かれるところですが、ダイヤルのディテールを広く楽しめる点は魅力となるでしょう。
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グランドセイコー 9FクオーツSBGP013
SBGP013は時計単独の時差修正機能「キャリバー9F85」を搭載したモデルです。時針のみを1時間単位で調整できる本機は、国外に出た際にそのタイムゾーンへ簡単に合わせられるため、クオーツ時計の持ち味である高精度を維持できます。グローバルに活躍する方や旅行の頻度が多い方におすすめしたいクオーツ時計です。
カレンダー（日付）機能付き、かつ、日常生活用強化防水（10気圧）という実用性の高さも魅力です。
デザイン性にも注目しましょう。すらりとした長い針がシャープな印象を与え、落ち着いたミッドナイトブルーのダイヤルとステンレスのケースも相まって、ノーブルな雰囲気を与えます。重厚なつくりながらケースは薄型で、ビジネスでもカジュアルなシーンでも使いやすいデザインです。
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グランドセイコー 9FクオーツSBGP001
SBGP013と同じ「キャリバー9F85」を搭載したモデルです。グランドセイコーの王道デザインである「セイコースタイル」を色濃く感じられるモデルで、機能性とデザイン性の両方を堪能できます。
セイコースタイルは、「燦然と輝く腕時計」をコンセプトとした、グランドセイコーの象徴的なデザインコードを指します。平たい面で下地処理を行う「ザラツ研磨」がその表面仕上げで活かされており、平面と平面が接する「稜線」をありありと浮かび上がらせています。他のグランドセイコーにも共通する点ですが、このザラツ研磨が叶えた歪みのない表面仕上げもSBGP001の魅力と言えるでしょう。
またダイヤルをよく見ると、微細な放射模様が浮かび上がっています。この放射模様を背景に、多面カットが施された目盛や数字、時分針が存在感を主張。ダイヤルの上を刻む鮮やかな青色の秒針もすっきりとした印象で、細部までこだわりぬいたデザインを感じられます。
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グランドセイコー 9FクオーツSBGX265
SBGX265はブルーのダイヤルとシンプルな針が、スポーティな印象を与えるモデルです。クオーツムーブメントは「キャリバー9F62」を搭載。コンパクトながら、日付表示を備えることで実用性を高めている点にも注目です。
ケースサイズは「横37.0mm×縦44.6mm×厚さ10.0mm」と、グランドセイコーのクオーツ式腕時計としては比較的コンパクトです。スーツの袖口にすっきり収まるので、時間を確認するときに袖口がもたつかないのがポイント。歪みのない表面仕上げも美しく、実用性に長けた一本です。
ストラップにはデフォルトでステンレススチールが採用されていますが、オプションでクロコダイル革にも変更できます。
グランドセイコーとしてはリーズナブルな価格で、エントリーモデルやビジネスに向けた腕時計の購入を考えている方におすすめのモデルです。
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クオーツ時計のメリット
クオーツ時計には以下のメリットが挙げられます。
・1日で1秒もずれない高精度
・価格がリーズナブル
・さまざまなブランドから選べる
・メンテナンスが容易
手頃な価格で入手でき実用性に長けているところが、クオーツ時計のメリットです。以下でクオーツ時計のメリットを詳細に解説します。
1日で1秒もずれない高精度
クオーツ時計の最たる魅力に、その高精度が挙げられます。機械式時計が1日あたりに数秒〜数十秒ほどズレるのに対し、クオーツの精度は「月差±15秒」程度が基本。つまり、1日に1秒もずれない精度を備えているのです。中には、年間で数秒しかずれないものも登場しており、長期間使用していても時間のズレを限りなく抑えられ流転が魅力と言えるでしょう。また、ゼンマイで動く機械式時計と異なり、ソーラー駆動や電池駆動するクオーツ時計は、持続的に時を刻み続けることが可能です。
価格がリーズナブル
機械式腕時計と比べると、クオーツ式腕時計の価格はリーズナブルです。グランドセイコーの機械式時計は60万円台が基本となりますが、クォーツ式時計に関しては本記事で紹介したグランドセイコー「SBGX265 Grand Seiko」のように、20万円台で購入できるものもあります。
クオーツ式腕時計がリーズナブルな理由は、クオーツの振動を利用したシンプルな構造をしているためです。非常に精密かつ、多くの部品で構成される機械式腕時計と比べると低コストで製造できるため、そのリーズナブルな価格が実現されているのです。
さまざまなブランドから選べる
前述したようにクオーツ時計は量産しやすく、さまざまなブランドから発売されています。
国産ブランドで言えば、セイコー、グランドセイコーに加えて、シチズンやカシオが代表的でしょう。もちろん海外発の多くのメゾンでも、ファッション性の高いクオーツ時計が多くリリースされています。
また、G-SHOCKのようにコレクション性が高いシリーズも展開されており、その選択肢の豊富さはリーズナブルなクオーツ時計ならではの魅力と言えるでしょう。
メンテナンスが容易
クオーツ式腕時計は、その構造ゆえ、メンテナンスが比較的容易とされています。また、そのメンテナンス周期は約4〜5年で、機械式と比べるとメンテナスの手間が少ないのがメリット。内部構造がシンプルなクオーツ式腕時計は外部環境の影響を受けにくく、電池が切れた、衝撃を与えて壊してしまったなどの要因がない限り、長期的に動きます。
また長期間装着していなくても動き続けるため、日々の時刻、カレンダー調整の必要がないのも魅力となるでしょう。
クオーツ時計のデメリット
実用性に長けたクオーツ時計ですが、デメリットもあります。購入する前に以下のポイントを把握しておきましょう。
・趣味としては物足りなく感じる場合がある
・機械式腕時計と比べると資産価値が上がりにくい
・寿命が短いイメージがある
趣味としては物足りなく感じる場合がある
クオーツ時計は手頃な価格で実用性に長けているとはいえ、そのシンプルさやロマンの面に物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。その点は機械式時計の方が優れており、物理的な仕組みだけで時間を刻み続けるその構造や、伝統的な仕上がりは非常に魅力的と言えるでしょう。
しかし、本記事で紹介したグランドセイコーのように、近年の高級クオーツ時計は高機能で、デザインへのこだわりも感じ取れます。ファッションブランド、アウトドアブランドなどさまざまなブランドがクオーツ式腕時計を販売しているので、自分が重視する要素を定めてからモデル選びをすることをお勧めします。
寿命が短いイメージがある
一部のクオーツ時計には寿命が短いものもあります。クオーツ時計は、電子回路が故障したときに寿命を迎えます。電子回路が故障してしまうと、電池を交換しても再度作動させることができません。
ただしメンテナンスや部品交換を行えば、クオーツ時計でも長く使える場合が多いです。クオーツ時計＝消耗品と考えず、丁重な扱いを心がけるべきでしょう。
なお高級腕時計を販売するハラダでは、充実のアフターサポート・点検サービスを提供しています。購入した時計をなるべく長く使うために、無料のアフターサポートとして、腕時計の点検や修理を行なっています。腕時計に関して気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
クオーツ時計を楽しもう
1969年に誕生した「セイコークオーツアストロン35SQ」から始まったクオーツ式腕時計は、現在に至るまで量産化・高機能化が進行しています。現在では月差±15秒程度の高精度モデルをリーズナブルに入手でき、メンテナンスも容易で管理することが可能です。
機械式腕時計と比べて趣味としては物足りない印象があるかもしれませんが、近年は、さまざまなブランドがクオーツ時計を販売しています。販売店に並ぶ数多くのクオーツ式腕時計を見比べていくと、これぞという一本を見つけられるのではないでしょうか。
高級腕時計を販売するハラダでは、世界に誇る国産ブランド、グランドセイコーのクオーツ時計をおすすめしています。
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