ソーラー腕時計は、スポーティーな多機能モデルからビジネスシーンにマッチするエレガントなモデルまで、幅広いデザインがあります。高級腕時計というと「機械式」のイメージが強いかもしれませんが、ソーラー腕時計にも本格的な高級モデルが豊富に揃います。
当ページでは、機械式やクォーツ式と比較したソーラー腕時計のメリットや、主な3つの種類、おすすめのモデルなどをご紹介します。
ソーラー腕時計とは
ソーラー腕時計とは、文字盤上のソーラーパネルによって蓄電し、それを元に駆動するクォーツ式腕時計です。暗所に置き続けていない限りは、一般的なクォーツ式のように電池が切れる必要がなく、電池交換の手間が省けるメリットから高い人気があります。
またソーラー腕時計は、特に国内ブランドが得意とする分野です。アメリカのラーゲンセミコンダクターに続く形でシチズンが世界に先駆けてソーラー腕時計を発売し、次の年にはセイコーが世界初のGPS通信機能を搭載したソーラー腕時計を開発するなど、ソーラー腕時計の歴史を語る上で国産腕時計ブランドは欠かせません。現在でも国内各社がさまざまなソーラー腕時計をリリースしています。
国内ブランドの腕時計をお探しなら、ソーラー腕時計のラインナップから選んでみてはいかがでしょうか。
ソーラー腕時計を選ぶメリット
ソーラー式の腕時計は、機械式や通常のクォーツ式と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。主に以下の2点が挙げられます。
・電池交換の頻度が少ない
・高い精度を維持でき、多機能性も魅力
それぞれ詳しく見ていきましょう。
電池交換の頻度が少ない
ソーラー式の腕時計の大きなメリットは、クォーツ式のように電池切れによる電池交換をする必要がないことです。
ただし電池交換が完全に不要ということではなく、蓄電池(2次電池)の劣化による交換は必要です。交換頻度は「10年」前後が目安でしょう。しかし、「2~3年」ほどを目安に電池交換が必要になるクォーツ式と比較すると、ソーラー式腕時計のメンテナンスは、はるかに頻度が少ないといえます。
高い精度を維持でき、多機能性も魅力
電池交換の頻度を最小限に減らせるソーラー式腕時計は、その分腕時計が止まることがほとんどなく、クォーツ式の高い精度を維持することができます。特に、ソーラー式腕時計は標準電波受信機能とセットになっているものも多く、常に正しい時間を供給してくれるでしょう。
また、腕時計が止まる事がないということで、時刻調整の必要もほとんどありません。ゼンマイでの操作を楽しむ方もいらっしゃいますが、煩わしく感じる人にとっては便利に感じられるでしょう。
また、ソーラー式腕時計でも、省電力技術の進化により電池のクォーツ式と同様にさまざまな便利機能が使えるようになりました。「標準電波受信」や「GPS」による時刻修正だけでなく、旅行先の時間帯に合わせる「ワールドタイム」が使えるなど、多機能性もその魅力と言えるでしょう。
モデルによってはスマートフォンと連携して時刻修正や各種設定ができるものもあります。
ソーラー腕時計の種類
ソーラー腕時計には受信機能によって時刻を補正してくれるモデルも多く、いくつかの種類が登場しています。ソーラー発電の機能に加えて、どのような「受信機能」があるかによって、以下の3種類に分類されます。
・電波ソーラー
・GPSソーラー
・モバイルリンクソーラー
上記のいずれでもなく、単に「ソーラー腕時計」という場合は、通信機能がないシンプルなモデルを指すことがあります。
上記の種類はそれぞれ別々のモデルとして存在するとは限りません。例えば「電波+GPSソーラー」など、複数の通信機能を併せ持つタイプもあります。
3種類それぞれの特徴を、以下に詳しく解説します。
電波ソーラー
電波ソーラーは、「標準電波」を受信する機能があるソーラー腕時計のことです。
標準電波とは、時計の正確な時刻を送信する電波のことで、日本では九州と東北の2カ所から送信されています。電波ソーラー腕時計は、1日に一度程度、標準電波を受信することで自動的に時刻が修正されるため、時刻を合わせる手間がかかりません。
モデルによっては日本の標準電波だけでなく、海外の標準電波を受信できるタイプもあります。
GPSソーラー
GPSソーラーは、GPSとの通信機能があるソーラー腕時計です。GPSというと「位置情報」のイメージかもしれませんが、GPSからは時刻情報も取得できます。そのためGPSソーラー腕時計は電波ソーラーと同じように、GPSと通信することで正確な時刻に自動修正することが可能です。
時刻情報だけでなく、経度・緯度・高度などさまざまな情報を取得できることがGPSソーラー腕時計のメリット。GPSの位置情報を使って、自動的に今いる場所のタイムゾーンに合わせることも可能で、海外旅行先で時刻を修正する手間が省けます。
前述のとおり標準電波受信と両方の機能を備えていて、標準電波を受信できないエリアをカバーするためにGPS通信を行うモデルもあります。
モバイルリンクソーラー
モバイルリンクソーラーは、スマートフォンとの通信・接続ができるタイプのソーラー腕時計です。スマートフォンとBluetooth通信で接続することで、インターネット上のタイムサーバーの時刻情報を取得し、正確な時刻に自動修正します。
専用アプリを使って、ワールドタイム設定や、腕時計のアラーム・タイマーの設定・変更などの操作ができるタイプもあります。
紛失したスマートフォンの場所を腕時計によって探索したり、腕時計のバッテリー状態をスマートフォンに表示したりと、さまざまな便利機能が使える点がメリットです。
ソーラー腕時計のおすすめのブランド
ソーラー腕時計を選ぶなら国内ブランドがおすすめです。ここではソーラー腕時計で有名な3つのブランドについて、ソーラー腕時計の技術開発の歴史なども踏まえながらご紹介します。
シチズン
シチズンは1976年に世界で初めてのソーラー式腕時計「クリストロン ソーラーセル」を発売したブランドとして知られています。
現行モデルには「エコ・ドライブ」と呼ばれるシチズン独自の高効率なソーラー発電システムが搭載されていて、部屋の照明などのわずかな光でも駆動できるように設計されています。
シチズンはGPSソーラー腕時計の通信速度の速さでも知られるブランドです。シチズンのGPS通信システム「サテライトウェーブGPS」は、「最短3秒」という時刻情報の高速通信を世界で初めて実現しました。
シチズンのソーラー腕時計の人気シリーズとしては「エコ・ドライブ ワン」「エクシード」「アテッサ」「ザ・シチズン」などがあります。
セイコー
セイコーは1969年に世界初のクォーツ腕時計「クォーツ アストロン」を発売。シチズンの1年後となる1977年にはソーラー腕時計の開発に成功しています。
セイコーのソーラー腕時計について特筆すべきは、2012年に世界初のGPSソーラーウォッチ「アストロン」を世に送り出したことです。
現在でも「アストロン」シリーズは人気が高く、10周年の節目となる2022年には新デザインの「NEXTER」をリリースするなど、進化を続けています。
他にも、女性向けのソーラー腕時計シリーズ「ルキア」などもあり、ソーラー腕時計のバリエーションが豊富なブランドです。
カシオ
ソーラー腕時計について語る上で、世界中で人気の高いカシオの「G-SHOCK」は欠かせないでしょう。
初代G-SHOCKが発売されたのは1983年のこと。初代はソーラー式ではありませんでしたが、1998年には耐久性と両立した独自のソーラー発電システム「タフソーラー」を搭載したG-SHOCKを発売しています。
現行G-SHOCKには、日本だけでなく中国・北米・イギリス・ドイツの標準電波を受信する「マルチバンド6」を搭載したモデルや、電波通信とGPS通信を組み合わせたハイブリッドモデルなどがあり、通信機能が充実したモデルが豊富です。
カシオはG-SHOCKの他にも、エレガントな高級シリーズ「オシアナス」など、さまざまなソーラー腕時計がラインナップされています。
おすすめのソーラー腕時計5選
最後に、国内ブランド3社から、おすすめのソーラー腕時計を5つご紹介します。
・シチズン エコ・ドライブ ワン AQ5010-01E
・シチズン アテッサ ACT Line ブラックチタンシリーズ CC3085-51E
・セイコー アストロン NEXTER SBXC107
・カシオ MR-G 赤備え MRG-B2000B-1A4JR
・カシオ オシアナス マンタ OCW-S7000D-7AJF
それぞれの特徴・機能について、詳しく見ていきましょう。
シチズン エコ・ドライブ ワン AQ5010-01E
シチズンの「AQ5010-01E」は「エコ・ドライブ ワン」シリーズの1本です。エコ・ドライブ ワンは、「至福の着け心地」を追求したシリーズで、わずか1.00mmという世界最薄※のアナログ式ソーラームーブメントを搭載しています。
当モデルはシリーズ初のスモールセコンド付きモデルで、6字位置にあるインダイヤルの秒針が時の流れを鮮明に表現。ドレッシーなスタイルを体現しています。ライトシルバーカラーのケースに、ワニ革のベルトを配したシックな印象のモデルです。
※2023年11月時点。シチズン調べ
以下のページでも当モデルを詳しくレビューしているので、ぜひご参照ください。
【シチズン2022年新作】”スモールセコンド”を初搭載したビジネス向きの一本「AQ5010-01E」を紹介
シチズン アテッサ ACT Line ブラックチタンシリーズ CC3085-51E
シチズンの「AQ5010-01E」は、ケースやブレスレットの素材にチタンを使用した「アテッサ」シリーズのGPSソーラー腕時計です。
アテッサの中でも、こちらは「ACT Line」に属する1本です。「ACT Line」はスーツスタイルとカジュアルの両方で使えるデザインが魅力のシリーズで、「力強く軽快なデザイン」が特徴です。
いくつかのカラーバリエーションがありますが、こちらは「ブラックチタン」の美しいブラックカラーが特徴。ブラックチタンはステンレスの5倍以上の表面硬度を持ち、見た目の美しさと耐傷性(傷つきにくさ)を兼ね備えたシチズン独自の素材です。
セイコー アストロン NEXTER SBXC107
「SBXC107」は、2022年10周年を迎えたセイコーアストロンに登場した新たなシリーズ
「NEXTER」のGPSソーラー腕時計です。
NEXTERは「次世代のリーダー」をターゲットとするラインで、次世代を担うビジネスパーソンにマッチするデザインをコンセプトにしています。
高性能な5Xシリーズと同じムーブメントを搭載しつつ、歴代シリーズの中でも特に人気の高い8Xシリーズをベースにした、コンパクトでモダンな外観が特徴です。シルバートーンのカラーリングで、スタイリッシュな手元を演出できるでしょう。
カシオ MR-G 赤備え MRG-B2000B-1A4JR
カシオの「MRG-B2000B-1A4JR」は、G-SHOCKの最高峰シリーズ「MR-G」のモバイルリンクソーラー腕時計です。
「赤備え」と呼ばれる戦国時代の部隊編成をイメージしたデザインが特徴で、日本の伝統色である深紅(こきべに)をアクセントカラーに使用しています。当時の武者鎧にも見られる金の差し色は、高級感を底上げしてくれる存在となるでしょう。
世界6カ所の標準電波を受信する「マルチバンド6」と、モバイルリンク機能を搭載しており、デザイン性だけでなく通信機能も充実した1本です。
カシオ オシアナス マンタ OCW-S7000D-7AJF
カシオの「OCW-S7000D-7AJF」は、「オシアナス」シリーズを代表する「マンタ」の名を冠するモデルです。マンタは「世界最薄」※の電波ソーラー式クロノグラフとして登場したことで知られています。※2007年6月の発売時点
こちらのモデルは、涼やかなホワイトとブルーのカラーリングが特徴のモデル。タキメーターが記されたベゼルは透明感のあるブルーで、クールなスポーティスタイルが作り出されました。
「マルチバンド6」とクロノグラフ、モバイルリンク機能を備えた多機能なムーブメントを、わずか9.5mmのケースに収めたコンパクトな美しさが魅力の1本です。
ソーラー腕時計のご購入は正規販売店で
ソーラー腕時計は、電池交換の手間が少ないだけでなく、多機能な通信機能が使えるなど多くの魅力があります。国内ブランドが世界に先駆けて開拓してきた分野でもあり、国内ブランドの腕時計を選ぶ際の選択肢としておすすめです。
ソーラー腕時計をお探しの際には、国内ブランドの腕時計を扱う正規販売店HADARAをご利用ください。国内ブランドだけでなくオメガなど海外ブランドの高級腕時計も数多く取り揃えています。ソーラー腕時計の基本を知りたいなど、ご相談だけでもお気軽にご利用ください。
この記事の監修
- 時計は単なる時間を知るためのツールではなく、個性やスタイルを表現する大切なアイテムであるという信念のもと、ハラダではお客様一人ひとりのライフスタイルに合った時計を提案し、長く愛用できる商品選びをサポートしています。
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