ストップウォッチを備えたモデルや、潜水に耐えられるタフネスモデルなど、ツールとしての魅力を備えた腕時計は「スポーツモデル」として高い人気を集めています。
その中でも、人気の高い機能性のひとつが、GMT機能やUTCとも呼ばれるデュアルタイム機能です。
当記事では、このGMT(またはUTC)機能について解説し、合わせてワールドタイムについてもご紹介いたします。また、おすすめモデルもピックアップしましたので、ぜひ最後までご覧ください。
GMT機能とは?その魅力は?
GMT機能は、腕時計で複数のタイムゾーンを盤面に表示してくれる機能です。通常、メインの時針に加えて24時間表示のGMT針を持ち、短針が示す時間とGMT針が示す時間の、ふたつのタイムゾーンを同時に表示します。
GMT機能の誕生は1950年代のこと。航空産業の発達によって国境を渡る機会が増えた時代に、時差に合わせた時刻合わせの利便性を高める機能として生まれました。
GMT機能は、旅行者やビジネスマンなど、グローバルに活動する人に役立つ機能と言えます。その一方で、電子機器が発達した現代においては、GMTモデルが持つスポーティなデザイン性こそが大きな魅力となるでしょう。
GMTモデルで見られる、24時間表示が記されるベゼルやインナーリング、4本目の針による個性付けは、腕時計に程よいカジュアルテイストを与えてくれます。クロノグラフウォッチやダイバーズウォッチと比べて、ビジネスなどでも使いやすい印象です。
UTC機能との違いは?ワールドタイム機能とは?
GMT機能とUTC機能の違いは?
GMTと合わせて話題に上がるUTCですが、腕時計においてはほぼ同じものとして扱われています。いずれも、ふたつのタイムゾーンを盤面に同時に表示することが可能です。
しかしながら、GMTは「Greenwich Mean Time」、UTCは「Coordinated Universal Time」を意味しており、時間の基準の定義としては別のものとなります。
具体的に言うと、GMTは地球の自転に基づいて定義された平均太陽時を指します。イギリスのグリニッジ天文台を基準としており、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、標準時の基準として広く使用されました。一方、UTCは、10万年に1秒しかズレない原子時計に基づいて定義される国際的な時間基準です。
違いとしては、GMTが太陽時に基づいた、地球の自転による変動を考慮していない標準時であるのに対し、UTCは原子時に基づいており、より高精度な計時を可能としています。
しかし実際のところ、その差はほとんど無いとされているため、日常生活においては同じものと考えても支障はないでしょう。
ワールドタイム機能
ワールドタイム機能は、都市名をもとに世界中のタイムゾーンを確認できる機能です。搭載される機械式モデルでは、一般的に時差をもとに都市名が並べられており、24時間表示と合わせて各都市の現在時を確認できます。
GMT機能との違いは、自分のいる都市を設定することで、世界中の都市の時間を一気に確認できることでしょうか。判読性に難のあるモデルもありますが、なんともロマンに溢れた機能といえます。
一方、ワールドタイム機能は、高機能クォーツウォッチやデジタルクォーツにも多く搭載される機能です。こちらでは都市を設定することで、時差を考慮した時刻へ自動的に調整されることがほとんどです。
なお近年では、高度な電波受信機能によって、タイムゾーンに合わせた時刻調整が自動で行われるモデルも増えています。
オススメのGMT機能搭載モデルはコレ!
ここでは、GMTを搭載する腕時計の中から、おすすめモデルをピックアップしました。ぜひ購入の際に参考にしてみてください。
セイコー プロスペックス ダイバースキューバ「SBEJ009」
プロスペックスのダイバースキューバより、グリーンのカラーリングが特徴的なGMTモデルをピックアップしました。デザインは過去モデルがリファインされており、モダンクラシックと呼ぶべきスタイリッシュなスポーツスタイルが生み出されています。
GMT機能には、ダイアル見返し部の24時間表示と、金色の針を使用します。ダイバーズウォッチらしく防水性は200mを備えたモデルで、デザインだけでなくツールとしての機能性も追求された一本と言えるでしょう。
メジャーリーガー大谷翔平選手がプロモーションで着用していたこともあり、発売時に大きな話題を集めた一本です。
グランドセイコー エレガンスコレクション「SBGM221」
グランドセイコーらしいエレガンスがあらわれたクラシックスタイルに、GMT機能を搭載した一本です。アイボリーのダイアルに、シャープなインデックス、針を合わせ、モダンクラシックテイストが演出されました。GMTに使用する24時間表示はダイアル内周部に記されており、ブルーのGMT針は短め。全体のデザインと巧みな調和を見せています。
使い込むほどに味が出るモデルであり、シックなカジュアルスタイルからフォーマルシーンまで、さまざまなシーンで愛用したい一本となってくれるでしょう。グランドセイコーの定番モデルのひとつです。
ノルケイン「フリーダム60GMT アイスブルー」
2018年創業の新鋭ブランドでありながら、スイス腕時計業界で独自の世界観を展開しているノルケイン。ファクトリーブランド体制を活かした、コストパフォーマンスに優れるコレクションが多く揃います。 今回、1960年代のスタイルを継承するフリーダム60より、トレンドのアイスブルーダイアルを備えたGMTモデルをピックアップしました。
アイスブルーダイアルが合わせられたことで、クラシカルな造形ながらクールかつ洗練されたテイストを備える一本です。24時間表示はインナーリングに配置され、GMT針のレッドによって全体にアクセントが添えられました。なお、ノルケインにおけるアイスブルーは、限定モデルに多く採用されるカラーリングでしたが、本作はレギュラーモデルでの販売となっています。
ロンジン スピリット Zulu Time「L3.812.4.63.6」
ロンジンでは、パイロットウォッチを中心に、レトロな雰囲気のあるスポーツコレクションが多くリリースされてきました。今回ピックアップしたのは、ロンジンのパイオニア精神が色濃く反映されているスピリットコレクションのGMTモデルです。
Zulu timeと呼ばれる本作は、その視認性を重視したデザインが特徴的。ダークグリーンのベゼルに24時間表示を備え、ゴールドの表記は全体のアクセントを兼ねています。その王道的なパイロットデザインには心惹かれる人が多いでしょう。
なお、本作のムーブメントはクロノメーター認定を受けており、その精度、品質が証明されています。6時位置の5つ星はその表れであり、優れたツールであることを証明するものと言えるでしょう。
ワールドタイムモデルのオススメはこちら!
ワールドタイム機能を搭載したコレクションについてもピックアップいたしました。いずれもバリエーションが用意されているため、お気に入りを探してみてください。
オメガ「シーマスター アクアテラ ワールドタイマー」
オメガのダイバーズウォッチであるシーマスター。そのエレガンスラインであるアクアテラには、ワールドタイマーモデルもラインナップされています。
本作の特徴は、ダイアル中央に高度なレーザー加工で記された大陸でしょう。北極上空から見た地球が表現されており、その緻密さは見惚れる仕上がりです。個性を重視する人に特におすすめしたい一本です。
バリエーションも登場しており、海の青さを思い起こさせるステンレススティールモデルに、グリーンセラミックが個性的なモデル、モノクロのグレード2チタン製モデルなど、個性豊かなラインナップが揃います。全てのモデルがマスタークロノメーターに認定されているため、優れた精度と耐磁性も魅力に数えられるでしょう。
シチズン「アテッサ ACT Line」
シチズンのチタニウムウォッチシリーズ「アテッサ」には、独自技術を活かした高機能なクォーツウォッチが多く揃います。特に、上位ラインである「ACT Line」は多くの機能性を有しており、ほとんどのモデルにワールドタイム機能が搭載されています。
透明感のあるベゼルには都市名が記されており、ワールドタイム機能もデザインの一部となっているのが特徴。一部のクロノグラフモデルについては、6時位置のインダイアルでGMT(UTC)表示も可能です。色々触ってみたくなる、ガジェット的な魅力のあるコレクションと言えるでしょう。
まとめ
今回は、GMT機能やワールドタイムを搭載した腕時計の特徴やおすすめの機種をご紹介しました。
ここでご紹介したのは高級モデルがほとんどでしたが、GMTやワールドタイム機能はさまざまな腕時計に搭載される一般的な機能となっています。海外渡航で腕時計を活用する機会が多い方、一度搭載モデルのご購入をご検討くださいませ。