【寿命は?一生使える?】グランドセイコー「9Fクオーツ」の特徴やおすすめモデルについて解説! - 高級時計 正規販売店 ハラダHQオンラインショップ

【寿命は?一生使える?】グランドセイコー「9Fクオーツ」の特徴やおすすめモデルについて解説!

日本が誇る腕時計ブランド、グランドセイコーは、その日本らしいものづくりが息づく時計製造によって、国内外問わない高い評価を受けています。

当記事では、そのラインナップのひとつ、クォーツ式腕時計の「9Fクオーツ」について詳しく解説いたします。魅力や特徴、寿命、おすすめモデルについてもご紹介しますので、グランドセイコーの購入前にぜひご一読くださいませ。

クォーツ式時計とは?その仕組みと歴史

クォーツ式時計は、電池を動力源とし、水晶振動子(クォーツ)の特性を利用して時間を計測する時計です。水晶振動子は、電圧が加わると規則正しく振動するという性質を持っており、この性質が時計の精度を支える基盤となっています。

その心臓部である水晶振動子は、電圧をかけることで、1秒間に32,768回という非常に細かな振動が起こります。この振動をIC回路が正確に検知し、32,768振動=1回の電気信号へと変換。そして、その電気信号を受け取ったステップモーター動作することで、クォーツ式腕時計は正しい1秒を刻むという仕組みです。

初代アストロンと現在のアストロン
初代アストロンと、現代の「セイコー アストロン」

クォーツ式時計の歴史は、1969年にセイコーが世界初のクォーツ式腕時計「アストロン」を発表したことが始まりです。この革新的な技術は、それまでの機械式時計に比べて、高精度、低コスト、そして小型軽量化を実現し、時計業界に大きな変革をもたらしました。

一時は、機械式腕時計の需要が大きく低下する事態にまで発展しましたが、現在では、“機械式腕時計=クラフトマンシップが生きるラグジュアリーな選択肢”としてさらなる進化を遂げます。そして、クォーツ式腕時計は、「薄くて軽く、正確」というイメージが、広く一般に浸透したのです。

グランドセイコー 9Fクォーツの特徴。通常のクォーツ式腕時計との違いは?

SBGP001

グランドセイコーの9Fクォーツは、「正確に時を刻み、時間を読み取りやすく、一生寄り添えること」という腕時計の本質を徹底的に追求したクォーツウォッチです。その結果、従来のクォーツの常識を覆す数々の新機軸を搭載するに至っています。ひとつずつ、通常のクォーツ式時計との違いを確認していきましょう。

1年で10秒もずれない、圧倒的な精度

一般的なクォーツ式時計との違いを語る上で、まず特筆すべきは、その圧倒的な精度です。一般的なクォーツ時計の精度が月差±15秒程度であるのに対し、9Fクォーツは年差±10秒という驚異的な精度を誇ります。この高精度は、3ヶ月間のエイジング(慣らし運転)を経て厳選された最高級の水晶振動子のみを使用し、さらに1日に540回もの温度測定に基づいたICによる温度補正を行うことで実現されています。

パワフルなツインパルス制御モーターの搭載

グランドセイコーは、腕時計の理想を追求するにあたって、グランドセイコースタイルと呼ばれるデザイン文法を掲げています。そこでは、針、インデックスについても定められており、太く堂々とした針の採用が基本となっています。

9Fクォーツ

しかしながら、一般的なクォーツウォッチに用いられるモーターはトルクが弱く、太い針の採用は難しいとされてきました。

そこで、9Fクォーツは、「ツインパルス制御モーター」を搭載することで、通常のクォーツの2倍の駆動力を実現しています。1秒間に、肉眼では見えない速さで2回針を動かすことで、高い駆動力と省エネルギーを両立させているのです。

瞬間日送り機能の搭載

9Fクォーツのカレンダー

日付表示の切り替わりにも、9Fクォーツならではのこだわりが詰まっています。それが、「瞬間日送りカレンダー」機構です。これは、「瞬間日送りカム」と「瞬間日送りレバー」の働きにより、日付表示が瞬時に切り替わるというもの。トルクの強い機械式時計では前例がありましたが、ことクォーツ式時計においては、 グランドセイコーが初めて実現した機能となっています。

この切り替えの瞬間は午前0時~5分の間に設定されており、熟練した職人の手作業によって、ひとつひとつ丁寧に調整されています。

正確、そして的確に1秒を刻む

秒針の動きの美しさも、9Fクォーツの大きな特徴です。これを実現するのが、「バックラッシュオートアジャスト機構」。歯車間の「遊び(バックラッシュ)」による秒針の震えを抑えるために、機械式時計の心臓部にも用いられる「ひげぜんまい」を利用し、秒針の的確で美しい運針を実現しています。

手作業で組み立てられるクォーツ

SBGN027 Grand Seiko グランドセイコー 9Fクォーツ

9Fクォーツの腕時計は、その複雑な機構ゆえに、自動組立ではなく、熟練した職人による手作業で組み立てられています。ダイアル側と、ムーブメント側で異なる2名の職人が担当し、針の取り付けなども手作業で行われます。こうしたクラフトマンシップが息づく時計製造は、現代の腕時計の在り方にも相応しいものと言えるでしょう。

そのほかにも実用性に向けた追加機能が満載

9Fクォーツでは、そのほかにも、長期にわたる信頼性を確保するための工夫が随所に施されています。例えば、輪列部を保護する「スーパーシールドキャビン」や、ローター部の「組み合わせ軸受構造」は、塵や埃の侵入を防ぎ、潤滑油の保油性を高めることで、長期間にわたって高い性能を維持します。

その他にも、厳密な時刻合わせのために、りゅうず1回転で分針が進む量を少なく設定(約20分)したり、長年使用して進みや遅れが気になる場合に精度を補正できる「緩急スイッチ」(メンテナンスの際に活用されます。)を搭載したり、時・分・秒針が互いに干渉せず、滑らかに動く「3軸独立ガイド構造」を採用するなど、細部にわたるこだわりが、9Fクォーツの品質を支えているのです。

9Fクォーツのメンテナンスと電池寿命

グランドセイコー SBGX265の全体画像

グランドセイコーの9Fクォーツの電池寿命は、約3年となっています。機械式腕時計のように、数日で止まるということはありませんが、数年に一度の電池交換は視野に入れるべきでしょう。

また、クォーツ式時計も、長期間にわたって愛用するためには、定期的なメンテナンス(オーバーホール)が必要です。

時計の針を動かす歯車部分は、長年使用することで、機械部品の摩耗や潤滑油の劣化を招きます。そのため、9Fクォーツでは7~8年を目安にオーバーホールを行うことが推奨されています。ただし、電池交換の頻度が短くなったり、電池交換をしても動かなくなったりするなどの不具合があれば、目安年数よりも前にオーバーホールを検討するべきでしょう。

グランドセイコーの9Fクォーツのメンテナンスはいくら?

グランドセイコーは、メンテナンスサービスとして、オーバーホール(分解洗浄)とライトポリッシュ(外装の研磨)がセットになったコンプリートサービスを提供しています。9Fクォーツのコンプリートサービスの料金は、時計の状態によって異なりますが、目安としては52,800円~となっています。

9Fクォーツ式腕時計は一生使える?

グランドセイコーの腕時計は「一生モノ」と称されることがありますが、果たして9Fクォーツもそうなのでしょうか。

クォーツ式腕時計は内部の電子回路が壊れると、修理に新たな電子回路が必要となります。その際、電子回路が製造されていなければ、修理できないため、そこで寿命を迎えてしまうことも珍しくありません。

一方、グランドセイコーの9Fクォーツムーブメントは、耐久性に優れた部品と高気密構造を採用しているため、適切なメンテナンスを行うことで長期間の使用が可能です。

さらに、グランドセイコーは、公式に定められている部品保有期間(10年間)を超えて、純正部品を長期間保有する方針をとっています。そのため、生産終了後も10年以上にわたって修理対応をしてもらえる可能性が高いでしょう。

しかも、9Fクォーツムーブメントの部品保有期間は、最後の9Fクォーツ搭載モデルが“生産終了してから”10年間と定められています。例えば、大きな技術革命が起こり、現行モデルが全て廃盤にならない限りは、すぐに部品供給が途絶える心配はないと考えられます。

つまり、定期的なメンテナンスと電池交換さえ欠かさず行えば、9Fクォーツもまた、長年にわたって愛用することができるでしょう。

9Fクォーツおすすめモデル5選

ここでは、グランドセイコーの9Fクォーツコレクションの中から、特におすすめのモデルを5本厳選してご紹介いたします。

洗練されたスポーティスタイル「SBGN027」

SBGN027 Grand Seiko グランドセイコー 9Fクォーツ 着用イメージ

SBGN027は、本格的なスポーツデザインの中に、モノクロカラーによって、スマートな印象を漂わせたGMTモデルです。24時間表示を持つステンレスベゼルも力強い印象で、カジュアルからビジネスまで幅広く対応します。

ムーブメントは、「キャリバー9F86」を搭載し、時差修正機能(時計を止めずに時針のみを修正可能)や20気圧防水、ねじロック式りゅうずを備えています。ケース直径は39mm、厚さは12.3mmで、コンパクトに使えるスポーツウォッチと言えるでしょう。

シルバのワントーンで汎用性抜群の1本「SBGP001」

SBGP001は、グランドセイコーのデザイン哲学「グランドセイコースタイル」を確立した、「44GS」をデザインのルーツに持つ1本です。ザラツ研磨による歪みのない鏡面仕上げ、筋目仕上げ、多面カットインデックスが、美しい立体感と高い視認性を実現。また、厚銀放射ダイヤルに映えるブルースチールの秒針も魅力です。

スタンダードなサイズ感も相まって、ビジネスシーンを中心に幅広く合わせられる1本でしょう。ムーブメントは、「キャリバー9F85」を搭載し、時針単独時差修正機能を備えています。

定番の小型クォーツウォッチ「SBGX265」

グランドセイコーsbgx265のリストショット

小ぶりなケースサイズが、袖口にスマートに収まるクォーツウォッチです。歪みのない美しい鏡面と、きめ細やかな筋目仕上げが施されたケース、そして落ち着いたブルーのダイヤルが、上品でスポーティーな表情を演出しています。ケース直径は37mm、厚みは10mmと、至ってコンパクトにまとまった本作。そのシンプルなデザイン性もあって、一本めのグランドセイコーを選ぶ上でもおすすめです。

シェアウォッチにも最適なドレッシーモデル「SBGX349」

SBGX349 Grand Seiko グランドセイコー 9Fクォーツ

SBGX349は、細く伸びるかん足と細いベゼル、そして温かみのあるボックス型ガラスが特徴の、ミドルサイズモデルです。引き締まった印象のネイビーダイヤルとクロコダイルバンドが、上品で落ち着いた雰囲気を醸し出しており、性別、オンオフ問わず使いやすいドレスデザインが魅力です。ノンデイト仕様ゆえの、ミニマルなテイストに引かれる人も少なくないでしょう。

SBGX355(ヘリテージコレクション)

グランドセイコー SBGX355のリストショット

冬の穂高の山々で見られる風紋を表現した「雪白ダイヤル」が目を引くモデルです。特殊な銀めっき加工によって生み出された繊細な質感と、純白のダイヤルに映えるブルースチールの秒針が、美しいコントラストを描いています。

ケースとブレスレットには、傷つきにくいだけでなく、白く美しい輝きを放つブライトチタンを採用し、軽快な装着感を実現。他の雪白文字盤を持つ腕時計とのペアウォッチに選ぶ上でもおすすめです。

まとめ

グランドセイコーの9Fクォーツ式腕時計は、年差±10秒という驚異的な高精度、革新的な技術、熟練の職人技、そして高い耐久性を兼ね備えた、まさに「究極のクォーツ時計」と呼ぶにふさわしい存在です。実用性を徹底的に追求した9Fクォーツは、適切なメンテナンスを行うことで、長年のパートナーとなり得るでしょう。

今回ご紹介した5つのモデルは、それぞれ異なる個性を持ち、多様なライフスタイルや好みに応えることができるラインナップです。ぜひ、この記事を参考に、あなたにとって最高のグランドセイコー 9Fクォーツを見つけてください。

この記事の監修

グランドセイコー担当 藤本
グランドセイコー担当 藤本
資格:日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
担当ブランド:Grand Seiko、NORQAIN

腕時計販売店ハラダのオンライン担当。
腕時計の撮影、オンライン上でのマーケティング全般を担当。

最新のトレンドからクラシックなモデルまで、幅広い腕時計の情報を提供し、特に日本の腕時計ブランドであるグランドセイコーの魅力を発信することに注力。グランドセイコーの精密な技術と美しいデザインについて詳しく紹介し、時計の選び方や魅力を伝える事に生きがいを感じている。
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