秋田から世界へ広がる匠の技。国産腕時計ブランド「ミナセ」の魅力を解説

秋田から世界へ広がる匠の技。国産腕時計ブランド「ミナセ」の魅力を解説

VM14-M01NBL-SSB MINASE ミナセ ディヴァイド

ミナセ(MINASE)は、日本を拠点とする高級腕時計ブランドです。ミナセの母体である協和精工は切削工具メーカーとして1963年に創立され、腕時計メーカーが使う切削道具である「段付きドリル」の製造をきっかけに時計事業に参入しました。本記事では、工芸技術と職人の熟練した手仕事に根ざす、ミナセ腕時計の魅力とブランドストーリーについてご紹介します。

株式会社ハラダは2023年よりミナセの正規代理店に認定されました。ご購入の際はぜひ一度ハラダにご相談くださいませ。

ミナセとは

切削工具メーカー「協和精工株式会社」は1963年に創立され、りゅうずの穴あけ加工用に使用する「段付きドリル」製造をきっかけに時計事業に参入しました。その後、工具製造と並行しながら時計の外装メーカーを始動し、オリジナルの腕時計作りも志すようになります。そうして生まれたのが、今回ご紹介する国産腕時計ブランド「ミナセ(皆瀬)」です。

ミナセ ブランドロゴ
(ブランドロゴは、ミナセの時計作りのルーツである、「段付きドリル」がモチーフ)

ミナセの腕時計は以下のコンセプトをもとに、職人の手によって丹念に作り込まれています。

  • 「シャープなエッジとクリアに輝く鏡面のコントラストを。」
  • 「職人の手仕事ならではの精緻なタッチを。いつまでも愛せる永続性を。」
  • 「100年後も語られる日本の時計、ミナセ。」

切削工具ブランド、腕時計の外装メーカーとして積み上げてきた経験と技術が駆使されたコレクションは、日本人のモノ作り精神が息づく名作ばかりが揃っています。

ミナセのデザイン哲学と工芸技術

ミナセ パーツ

ミナセの腕時計は、ミナセのデザイン哲学と日本人らしい工芸技術の融合によって生み出されており、ディテールに細部へのこだわりを感じられます。

以下に、ミナセのデザイン哲学と工芸技術について説明します。

独自性と洗練された美学の追求

ミナセは、シンプルさと独自性をバランス良く組み合わせたデザインを追求しています。伝統的な日本の美を表現しつつも、ミナセらしいディテールを細部に組み込むことで、独自のスタイルを確立。合わせて、繊細な彫刻やエングレービングなどの技術を施すことで、その美しさを最大限に引き出しているのです。

手作業による職人の技術

ミナセ パーツ

ミナセの腕時計は、職人たちの熟練した技術によって丹念に作り上げられます。

仕上げや組み立てといった多くの工程が手作業によって行われており、彼らの情熱とこだわりが、ミナセの腕時計の優れた品質を保つ上で重要な役割を果たしています。

この優れた職人技は、ミナセが多くの腕時計の外装を手掛けていくうちに獲得した技術であり、日本人らしいモノづくりを表現するのに不可欠のものとなっているのです。

ミナセが誇る職人技術

日本人らしいモノづくりを具現化したミナセのコレクションは、秋田県皆瀬のアトリエにて製造されています。スイス時計産業の聖地「ジュウ渓谷」を思わせるこのアトリエでは、MORE構造とザラツ研磨、そしてケースインケースを駆使した、ミナセが誇る職人技術が確立されました。

MORE構造

「100年後も語り続けることのできる時計を作る。」この目標に向けて開発されたミナセの特許構造がMORE構造(Minase Original Rebuilding Equation)です。日本の組木細工にインスパイアされたこの構造では、ケースやブレスレットなどの外装部品を細かく分解組立できるようになっており、劣化、損傷した箇所のみを新品に交換できるようになっています。

ミナセ ザラツ研磨を施したブレスレット

100年後まで受け継がれる腕時計にとって、良好なメンテナンス性は不可欠です。ミナセはこのMORE構造によって、いかなる摩耗、消耗にも細かく対応できる腕時計を作り上げています。

ザラツ研磨

VM15-M01NIB-SSB MINASE ミナセ セブンウィンドウズ

ザラツ研磨は、歪みの無い鏡面を出すために施される下地処理を指します。かつてスイスでも使われていた研磨技術ですが、コンマ数ミリ単位を職人の手の感覚によって調整する作業であるため、現在では国産高級腕時計でしか見られない技術となっています。

数多の腕時計ブランドの外装を手掛けてきたミナセならではの技術であり、そのコレクションではケース、文字盤のインデックス、ブレスレットなどの多くのパーツにザラツ研磨が施されています。

ケースインケース

VM15-M01NIB-SSB MINASE ミナセ セブンウィンドウズ

Case in Case(ケースインケース)はミナセのHiZシリーズで最も大きな特徴のひとつです。ケースの中にある文字盤部分はムーブメントを覆う2個目の“ケース”になっており、これを別体のインデックスが上からホールドする構造を採用しています。こうして生まれた2重構造はフェイスに強い立体感を生み出しており、ミナセのコレクションを象徴するデザインとなっています。

この立体感を特に楽しめるのがセブンウィンドウやファイブウィンドウといったモデルであり、ケースサイドやダイアルからモデルの構造が見られるようになっています。

美しく装飾されたムーブメント

ミナセ ムーブメント シースルーバック

ミナセはETA製ムーブメントをカスタマイズして使用しています。このムーブメントで注目したいのが、ミナセの職人によって施されたペルラージュ仕上げです。

一般的に、腕時計の装飾であるペルラージュ仕上げはコストを考慮して最小限に施されます。しかし、ミナセは背面からの景観をより美しいものとするため、このペルラージュ仕上げをなるべく多用しています。しかも、この仕上げによって剥がれた銀メッキを再度施す徹底ぶり。

そのため、ミナセは他の歴史ある高級腕時計ブランド同様、背面からもその精巧な技術力を実感することができるのです。

ミナセの代表的なコレクション

ミナセは、伝統的な工芸技術と最新の技術革新を組み合わせて、独自のスタイルと個性を表現しています。職人たちの手によって丹念に作り込まれた数々のコレクションは、その美しい仕上げと細部へのこだわりが際立っています。

ここでは、ミナセを代表するコレクションについて紹介します。

SEVEN WINDOWS

ミナセ SEVEN WINDOWS

ケースインケース構造が可能にする究極的の立体感と質感を、大きく開けられた風防、裏蓋、そしてケース全周に配された7つの窓からケース内を堪能できるフラグシップモデルです。7枚のサファイアガラスを通る光が生み出す輝きと陰影が角度、時間によって刻々とうつろう様子は、他のモデルでは再現できない独特の美を生み出しています。

DIVIDO

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見る角度によって表情を変える、雪平模様のダイアルが特徴的なミナセの人気コレクションです。

ケース上下、4つのラグを分割構造にすることで立体感とシャープさが強調されており、あらゆる面とエッジに施されたザラツ研磨がそこに高級感を加えています。MORE構造にケースインケース構造、ザラツ研磨の全てを兼ね備えるアイコニックモデルと言えるでしょう。

HORIZON

ミナセ HORIZON

地平線をテーマにしたホライゾンでは、無垢のサファイアガラスを表裏から切削・研磨した大きく弧を描くドーム風防と、張り詰めた水面のような直線的なケースフォルムが融合しています。ケース側面の凹みはどこか日本刀を彷彿とさせる鋭い一面も見せており、サテン仕上げの陰影も、繊細さと大胆さを兼ね備えた日本らしい美を表現しています。

FIVE WINDOWS

ミナセ FIVE WINDOWS

ケースインケース構造が可能とした立体感を、風防・裏蓋・ケース側面に配された5つの窓(FIVE WINDOWS)から楽しめるスクエアケースモデルです。5枚のサファイアガラスを通して覗く世界は、雪見障子や円窓から見える日本庭園を思わせる静謐さがあり、時と共に刻々と移ろう繊細な美を表しています。

ミナセのおすすめモデル

ここでは、ミナセのおすすめモデルを当店からピックアップしてご紹介いたします。もちろんその他のモデルも実用性、コスパともに優れているため、いろいろ着用してみることをおすすめいたします。

ミナセ ディヴァイド 「VM14-M01GBL-SSB」

深いネイビーダイアルをもつディバイドです。光を反射した箇所はブルー、それ以外はネイビーに見える美しい文字盤となっており、大きく開いたカレンダーもダイアルに個性を加えるものになっています。

豊富なカラーバリエーションに加えて、ラバーベルトモデルも登場しており、幅広いスタイルをチョイスすることも可能。

ミナセのコレクションの中でもディバイドは比較的カジュアルな印象があるため、フォーマル、プライベート問わずに使えるモデルとなりそうです。

ミナセ セブンウィンドウズ 「VM15-M01NIB-SSB」

多くのブランドで人気の高いカラーリングであるアイスブルーを採用したセブンウィンドウです。構造だけ見れば無骨な印象の強いセブンウィンドウですが、鮮やかなアイスブルーによってポップな印象も獲得。モノクロカラーが交互に現れるカレンダーもユニークです。

アイスブルーカラーは他のミナセコレクションでも登場しており、今後のシリーズ展開が期待されます。

VM15-M01NIB-SSB MINASE ミナセ セブンウィンドウズ

まとめ

職人たちの手作業によって丁寧に作り込まれたミナセの腕時計は、細部にまでこだわりが感じられ、芸術的な存在感を持っています。100年続く腕時計を目指すミナセは海外にも認知され始めており、時計業界で一際存在感を放つ国産腕時計ブランドとして、今後もさらなる注目を集めていくことでしょう。

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