【型番の見方や調べ方、意味は?】
正規販売店がグランドセイコーの品番に隠された秘密をご紹介【2023年4月最新版】
グランドセイコーの正規販売店である当店は、ブランドの技術力の結晶たる、機械式、クォーツ式、スプリングドライブを幅広くお取り扱いしております。
当サイトではそんなグランドセイコーについて、ムーブメントごとのご紹介や人気商品の徹底レビューなど様々な紹介ページをご用意しておりますが、今回はグランドセイコーについて一風変わったマニアックな情報をお届けいたします。
それは、グランドセイコーの全モデルにもれなく付けられている品番・型番についてです。ただの英数字の羅列のようにも見える型番からは、実はさまざまな情報を読み取ることができるのです。
型番に込められた意味や法則を理解し、ぜひご購入の参考や豆知識としてご利用ください。
※当ページでご紹介する情報はグランドセイコーが正式に発表しているものではなく、これまでにリリースされたモデルの型番から筆者が推測したものとなります。そのため、必ずしも全てのモデルに当てはまるものではないことをご了承ください。
※当記事は2023年4月時点のグランドセイコーの情報を参考にしています。
目次
- グランドセイコーとは?
- グランドセイコーの型番の意味
- アルファベットによるムーブメントの分類
- グランドセイコーの型番を一挙紹介
- 次世代ムーブメント搭載モデル
- メンズモデル
- SBGA(3針スプリングドライブ)
- SBGB(スプリングドライブクロノグラフ)
- SBGC(スプリングドライブクロノグラフGMT)
- SBGD(スプリングドライブ8Days)
- SBGE(スプリングドライブGMT)
- SBGF(廃盤クォーツモデル)
- SBGG(廃盤クォーツモデル)
- SBGH(ハイビートメカニカル)
- SBGJ(ハイビートメカニカルGMT)
- SBGK(スモールセコンド手巻メカニカル)
- SBGL(廃盤メカニカル)
- SBGM(メカニカルGMT)
- SBGN(クォーツGMT)
- SBGP(3針クォーツ時針単独操作)
- SBGR(3針メカニカル)
- SBGS(廃盤金無垢クォーツ)
- SBGT(クォーツデイデイト)
- SBGV(3針クォーツ)
- SBGW(3針手巻きメカニカル)
- SBGX(小型3針クォーツ)
- SBGY(手巻スプリングドライブ)
- SBGZ(スプリングドライブ3.5Days)
- レディースモデル
- まとめ「型番からコレクションへの理解を深める」
グランドセイコーとは?
グランドセイコーは国産腕時計メーカーとして知られているセイコーから、トヨタのレクサスのように独立して生まれた高級時計ブランドです。自社で部品作りから組み立て、出荷までの全てを行うマニファクチュール(自社一貫製造)であり、その匠の技術力と日本人らしい審美感が融合したコレクションは品質、デザインの両面で国内外問わない人気を集めています。
グランドセイコーの型番の意味
ここでは、グランドセイコーの型番に込められている意味について、大人気モデル「SBGA211」を例にご紹介いたします。
引用:グランドセイコー公式サイト「SBGA211」まず、グランドセイコーの型番は必ずS◯G◯+数字3桁で表現されています。最初の「S」と3番目の「G」は共通して全ての型番に付けられており、数字3桁はコレクションの通し番号だと考えられます。
そして、最初のアルファベット4文字には以下のような意味があると考えられます。
1番目にはSEIKOの「S」、3番目にはGrand Seikoシリーズの「G」が配されるため、全てのグランドセイコーのモデルはこの2つが共通していると推測できます。
2番目のアルファベットは「メンズモデルorレディースモデル」を表していると考えられます。メンズモデルは「B」、レディースモデルには「T」が使われており、ほぼ全てのモデルがこの2つで区別されています。ただし、グランドセイコーの新世代ムーブメントを搭載したモデルには「L」の文字が使われます。
4番目のアルファベットは、同じ機能を持つモデルに同じ文字が使われているのを見ると、搭載されているムーブメントに基づいて決定されていると推測できます。9Fクォーツ、9Sメカニカル、9Rスプリングドライブの3種類にアルファベットが振り分けられており、ムーブメントの型式に合わせてA〜Zまでのアルファベットが使用されています。
上記を踏まえると、型番のルールを知っておけば、ひと目でそのモデルの搭載ムーブメントや機能が分かると言えるでしょう。
アルファベットによるムーブメントの分類
ムーブメントの種類に応じて決められる4番目のアルファベットですが、A〜Zをメカニカル、クォーツ、スプリングドライブで分類すると以下のようになります。
- 9Sメカニカル・・・H、J、K、L、M、R、W
- 9Fクォーツ・・・F、G、N、P、S、T、V、X
- 9Rスプリングドライブ・・・A、B、C、D、E、Y、Z
なお、上記にない、I、O、Q、Uが付けられた型番は2023年4月現在確認できなかったため、極めて古いモデルか、まだ使われていないアルファベットであると考えられます。
グランドセイコーの型番を一挙紹介
ここからは、グランドセイコーの型番を、次世代ムーブメント搭載モデル、メンズモデル、レディースモデルに分けてご紹介します。ただし、ここでご紹介するのはグランドセイコーが公式に発表している情報ではありませんので、あらかじめご了承くださいませ。
グランドセイコーの次世代ムーブメント搭載モデルの型番
2番目のアルファベットが「L」となっているモデルには、グランドセイコーの次世代ムーブメントがもれなく搭載されています。グランドセイコーの上位シリーズとして、今後もさらなるコレクションの充実が期待できます。
SLGA(Cal.9RA2(5)搭載モデル)
60周年を記念して生まれたスプリングドライブムーブメント「Cal.9RA5」または「9RA2」を搭載したモデルです。
精度は他のスプリングドライブを凌駕する月差±10秒を記録しており、最大巻上時には120時間ものロングパワーリザーブを発揮。従来のスプリングドライブから0.8mmの薄型化にも成功しています。
定番モデルには、白樺文字盤を採用したスプリングドライブモデル「SLGA009」が挙げられます。
SLGC(Cal.9SC5搭載モデル)
2023年のウォッチ&ワンダーズで発表された新作ムーブメント、通称「テンタグラフ」を搭載するモデルです。その名前は10振動のハイビート、約72時間のパワーリザーブ、自動巻、クロノグラフの頭文字をもじって付けられました。
代表モデルにはグランドセイコー初の機械式クロノグラフモデルである「SLGC001」が挙げられます。
SLGH(Cal.9SA5搭載モデル)
60周年を記念して生まれたハイビートメカニカルムーブメント「Cal.9SA5」を搭載したモデルです。10振動の安定した精度を発揮と80時間という長いパワーリザーブを兼ね備えたハイスペックモデルであり、代表モデルには2021年に数々の賞を受賞した「SLGH005」通称白樺メカニカルが挙げられます。
グランドセイコーメンズモデルの型番
2番目のアルファベットが「B」になっている型番は、男性向けモデルに付けられています。ただし、中には性別問わずに着用できるモデルも登場しているため、ペアウォッチをお探しの方はそちらも検討してみることをおすすめいたします。
SBGA(3針スプリングドライブ)
SBGAはオーソドックスな3針+カレンダーの自動巻スプリングドライブモデルに付けられます。ムーブメントには主に初代スプリングドライブ「Cal.9R65」が使われますが、金無垢などの一部のハイエンドラインには、より精度を追求した「Cal.9R15」が搭載されています。
代表的なモデルには先に例を挙げた「雪白文字盤」で有名なSBGA211が挙げられます。
SBGB(スプリングドライブクロノグラフ)
SBGBはクロノグラフ搭載の自動巻スプリングドライブモデルです。ムーブメントには「Cal.9R84」が搭載されており、代表モデルには生産終了となったSBGB001などが挙げられます。現行モデルには後述するGMTクロノグラフ「Cal.9R86」が搭載されており、使われていない型番となります。
SBGC(スプリングドライブクロノグラフGMT)
SBGCはクロノグラフGMTを搭載した自動巻スプリングドライブモデルに付けられます。世界一高精度なゼンマイ駆動クロノグラフムーブメント「Cal.9R86」が搭載されており、グランドセイコーらしいスポーティテイストを持つモデルが肩を並べます。
代表的なモデルにはシャンパンゴールドの文字盤が上品なフェイスを作り出す「SBGC201」が挙げられます。
SBGD(スプリングドライブ8Days)
SBGDはグランドセイコーサロンやブティックでしか手に入らない超上位モデル、「マスターピースコレクション」の自動巻スプリングドライブモデルにのみ使われます。搭載ムーブメントは異例の8日巻を実現した「Cal.9R01」が採用されており、特別感では他の追随を許しません。
代表的なモデルにはセイコー140周年記念のハイジュエリーモデル「SBGD207」が挙げられます。
SBGE(スプリングドライブGMT)
SBGEはGMT機能搭載の自動巻スプリングドライブモデルに付けられます。ムーブメントには初代スプリングドライブ「Cal.9R65」にGMT機能を付加した「Cal.9R66」を採用。4本目の針であるGMT針は実用性はもちろん、アクセントカラーに用いられることでより時計を表情豊かにしてくれます。
SBGE283のようなスポーツモデルに主として採用されていますが、最近では24節季シリーズにも採用されました。
SBGF(廃盤クォーツモデル)
SBGFは9Fクォーツの前身とも言える8Jクォーツを搭載したシリーズです。9Fクォーツの台頭とともに姿を消し、今のところ現行モデルでは使われていません。
SBGG(廃盤クォーツモデル)
こちらももSBGFと同じく、9Fクォーツが登場する前のシリーズです。現行モデルに採用されていないことから、生産を終了していると思われます。
SBGH(ハイビートメカニカル)
SBGHは自動巻メカニカルハイビートモデルに付けられる型番です。ムーブメントには1秒間に10振動する(1時間に36000回)メカニカルムーブメント「Cal.9S85」が主に搭載され、外圧に強く安定した精度が魅力となります。
代表モデルにはセイコーの伝統的スタイルを継承した「SBGH279」が挙げられます。
SBGJ(ハイビートメカニカルGMT)
SBGJは自動巻メカニカルハイビートGMT搭載モデルです。ハイビートムーブメントCal.9S85の利点はそのままに、GMT機能を付加した「Cal.9R86」が搭載されます。
代表モデルには青と白のベゼルが特徴的なスポーツウォッチ「SBGJ237」が挙げられます。
SBGK(スモールセコンド手巻メカニカル)
SBGKはスモールセコンドを採用した手巻きメカニカルモデルです。ムーブメントにはグランドセイコー初となるスモールセコンドを採用した「Cal.9S63」が採用され、残りの巻き上げ量がわかるパワーリザーブインジケータも搭載しています。
手巻きらしくドレッシーな印象の強いモデルが多く、代表モデルには「SBGK007」のような気品あふれるモデルが挙げられます。
SBGL(廃盤メカニカル)
SBGLは当時としては画期的だった72時間駆動ムーブメント「Cal.9R67」を搭載する自動巻メカニカルモデルです。ロングパワーリザーブモデルとして大々的にリリースされたモデルのため、ほとんどのモデルに象徴的にパワーリザーブインジケーターが搭載されていました。
現在では後述の「Cal.9R68」の登場によりCal.9R67が搭載されなくなり、SBGLという型番も見なくなりました。
SBGM(メカニカルGMT)
SBGMはGMT機能を搭載した自動巻メカニカルモデルに使われる型番です。スタンダードな機械式ムーブメントCal.9S65にGMT機能を付加した「Cal.9S66」を採用しています。
現行モデルには、カーキダイアルが特徴的な「SBGM247」がリリースされています。
SBGN(クォーツGMT)
SBGNはGMT機能を搭載したクォーツモデルに付けられる型番です。ムーブメントには初めてGMT機能を搭載した9Fクォーツ「Cal.9F86」が用いられており、日送りカレンダーも搭載されています。主にGMT針は表情付けに使われており、モデルによっては色がさまざまに変えられています。
代表的なモデルにはモノクロカラーで構成されたスタイリッシュモデル「SBGN027」などが挙げられます。
SBGP(3針クォーツ時針単独操作)
SBGPは時針単独操作ができるクォーツモデルに付けられる型番です。ムーブメントには「Cal.9F85」を採用。時差を簡単に反映させることができるため、海外に行く機会が多い方にうれしい実用派モデルとなります。
代表的なモデルには当店の修理スタッフも愛用するミッドナイトブルーダイアルモデル「SBGP013」が挙げられます。
SBGR(3針メカニカル)
SBGRはスタンダードな3日巻メカニカルモデル(自動巻)に付けられる型番です。ムーブメントには「Cal.9S55」の後継モデル「Cal.9S65」や径大ムーブメント「Cal.9S68」が採用されています。
代表モデルにはグランドセイコーらしいフェイスを備える40mm径モデル「SBGR317」や、迫力ある42mm径モデルの「SBGR309」などが挙げられます。
SBGS(廃盤金無垢クォーツ)
SBGSは金無垢のクォーツモデルに付けられていた型番です。
ムーブメントには、かつてGSがその技術力を証明した高精度クォーツ「Cal.9587」が搭載されています。
ムーブメントが廃盤となっているため現在は使われていない型番ですが、金無垢の腕時計自体は中のムーブメントを変えてさまざまなモデルがリリースされています。
現在グランドセイコーで金無垢モデルを買うなら、SBGX218などがラグジュアリーテイストが強いモデルに挙げられます。
SBGT(クォーツデイデイト)
SBGTはグランドセイコー唯一のデイデイト(日付、曜日表示)搭載のクォーツモデルです。ムーブメントには9Fクォーツの第一作目「Cal.9F83」が採用。ビジネスユースに打って付けのシリーズです。
現行モデルでは見られなくなりましたが、今後の再登場も十分に考えられます。
SBGV(3針クォーツ)
SBGVは3針と日付だけの最もスタンダードなクォーツモデルです。ムーブメントには「Cal.9F82」が採用されますが、すでに廃盤となっているようです。
SBGW(3針手巻きメカニカル)
SBGWはスモールセコンド非搭載の手巻きメカニカルモデルです。過去、ムーブメントには「Cal.9S54」が搭載されていましたが、現行機には後継機の「Cal.9S64」が採用されパワーリザーブの延長と安定した精度を追求しています。
ドレスウォッチにもふさわしいシンプルなモデルが多く、シルバートーンが特徴的なコンパクトモデル「SBGW291」などが代表的です。
SBGX(小型3針クォーツ)
ムーブメントに「Cal.9F62」を採用したコンパクトな3針+カレンダーのクォーツモデルです。袖口に収まるようなスリムモデルや、「SBGX341」のような耐磁ウォッチなどがラインナップされています。
SBGY(手巻スプリングドライブ)
SBGYは手巻きのスプリングドライブモデルに使われます。ムーブメントには芸術品のような美しさを放つ「Cal.9R31」が採用され、実用性に優れるドレスウォッチが多くリリースされています。
代表的なモデルには、神秘的な自然現象”御神渡り”を表現した「SBGY007」などが挙げられます。
SBGZ(スプリングドライブ3.5Days)
こちらも手巻きスプリングドライブモデルですが、グランドセイコーの最上級ライン「マスターピースコレクション」のみに使われる型番です。特別に作られた3.5日巻ムーブメント「Cal.9R02」が採用され、スプリングドライブの中でもハイエンドラインが揃っています。
代表モデルにはスプリングドライブの誕生20周年記念モデル「SBGZ003」などが挙げられます。
グランドセイコーレディースモデルの型番
2番目のアルファベットが「T」になっている型番は、女性向けモデルに付けられています。男性向けモデルに比べて未だにラインナップが少なく、現行モデルはSTGFとSTGKの2種類のみになっています。
STGF(3針クォーツ)
レディース向けの3針+カレンダーのシンプルモデルです。中にはダイヤモンド装飾を施したモデルもあり、その価格帯は非常に幅広いものとなっています。
最近ではSBGA211とペアウォッチで使える「STGF359」がリリースされ、話題を呼びました。
STGK(3針メカニカル)
レディース向けのコンパクトなメカニカル自動巻モデルです。30mm台のスリムケースに収まるほど小さな自動巻ムーブメント「Cal.9S27」が採用され、ほとんどがレディースモデルの中でも上位ラインに位置しています。中には「STGK011」のようなジュエリーウォッチもラインナップされています。
まとめ「型番からコレクションへの理解を深める」
当記事ではグランドセイコーの型番について、その法則や代表モデルをご紹介しました。
グランドセイコーの型番は比較的法則性が簡単であり、そのアルファベット4文字からさまざまな情報を知ることができます。豆知識ではありますが、ぜひグランドセイコーコレクションへの理解にお役立てください。