【グランドセイコー】
季節を模した色とりどりの文字盤が魅力の24節気シリーズを一挙紹介
匠の技術を駆使し、日本人らしい美意識と審美感を小さな盤面で表現する国産ウォッチメーカー、グランドセイコー。
セイコースタイルの確立やスプリングドライブの開発など、常に理想の時計を追い求める姿勢はまさに日本時計界のパイオニアであり、国内だけでなく世界中から注目を集めるブランドと言っても過言ではありません。
さて、そんなグランドセイコーの誇るシリーズに、24節気をモチーフとしたコレクションがあるのはご存知ですか?
当ページでは、2021年に登場し徐々にその数を増しているグランドセイコーの24節気シリーズを、一挙ご紹介いたします。話題の最新作や来年2月発売の待望モデルもご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
グランドセイコーと四季、そして24節気
そもそもなぜグランドセイコーは、四季を6等分した24節気モチーフの時計を作り出したのでしょうか。その答えはグランドセイコーの掲げるブランドフィロソフィーから読み取ることができます。
そのフィロソフィーこそ、「THE NATURE OF TIME」です。
時の本質を意味するこの言葉からは、時計の本質の追求というグランドセイコーの哲学を見てとれますが、同時に日本独自の美意識と精神性の表現も含まれているのです。
日本独自の美意識が最も顕著に見られるのは自然ではないでしょうか。日本の山々の景観が月日と共に、緑から紅、そして白く染まっていくように、移ろいゆく四季と共にある自然は「時間」と切っても切り離せません。
こうしてグランドセイコーは四季折々の自然の変化から日本独自の美意識を見出し、24節気シリーズとしてリリースしたのではないでしょうか。
事実、グランドセイコーの自然をモチーフとしたモデルは多数リリースされており、雪白文字盤のSBGA211や、御神渡りをモチーフとしたSBGY007などで、巧みに日本の美しい景観を表現しています。
今回ご紹介する24節気シリーズも10作以上登場しており、グランドセイコーの自然への尊重を感じるところであります。
以下で、グランドセイコーがリリースしている色とりどりの24節気コレクションについて一本ずつ紹介していきます。
ヘリテージコレクション
不朽のデザインコードのもと、理想的な腕時計を追求するグランドセイコー。
その揺るぎなきポリシーが一際強く反映されているのが、このヘリテージコレクションと言えるでしょう。24節気シリーズのリリースでは四季折々の季節感が加わることにより、実用的かつ情緒のあふれるモデルとして成立しています。
4つのモデルには共通のケースデザインが採用されており、ベゼルをなくすことによって盤面がより見えやすくなっています。このデザインは1960年代のグランドセイコーのアイコニックモデル「62GS」をリファインしたものであり、グランドセイコーらしい機能美とデザイン性が光るモデルとなっています。
満月が照らす静かな秋の夜を表現「SBGH273」
春分と同じく昼と夜の時間が同じになる秋分。
その夜は静寂に包まれ、五感に訴えてくるのは虫の鳴き声と月明かりのみ。そんな誰もが思い浮かぶ秋の夜の情景をイメージした一本です。
エレガンスモデルと異なり、月明かりが照らす夜を表現しており文字盤にはダークブルーが採用。細やかなテクスチャーによってうっすらと見える雲を連想させます。アクセントとしてロゴと秒針に金色が使用され、夜空に浮かぶ満月とその月光のように盤面を彩ります。
ムーブメントにはハイビートムーブメントが搭載され、細かな運針は静寂の情緒を加速します。
陽の光で輝く降り積もった雪面を表現「SBGA445」
冬のモデルは冬至の直前である「大雪」がモチーフ。
もはやグランドセイコーの十八番となった、”雪”を象徴する一本です。本格的に雪が降り始めた大雪に、降り積もった雪面が陽光で色づいたさまを盤面で表現しています。
春モデルと同じく陰影を使った大胆なディテールで雪面を表現しており、照らされて白一色でなくなった雪面を巧みに再現。グランドセイコーが魅せる「雪」の表現の引き出しの多さを感じられます。
秒針には、雪白文字盤「SBGA211」と同様に空を想起させる青針が採用されていますが、若干色味が変えられており、山頂から見る青空と地上から見る青空の違いを表現しているようで面白い意匠となっています。
ムーブメントにはSBGA211と同じくスプリングドライブ「9R65」が採用され、盤面にはパワーリザーブ表示機能を搭載。雪面の上を滑るように進む秒針からは、えも言われぬ情緒が漂います。
春分の小川に浮かぶ桜花の舟をモチーフ「SBGA443」
春のモデルはエレガンスコレクションと同様に「春分」がモチーフ。
昼と夜の長さが同じとなる3月後半、満開となった桜の花びらは川に舞い落ち、やがて水面は桜色に染まります。
この水面に浮かぶ花びらが渦を巻いて流れるさまを「花筏(はないかだ)」と呼びます。
この花筏は桜の散るさまの美しさと儚さを象徴する春分の象徴的な情景であり、このモデルはその情景を盤面に見事に収めました。
やわらかなピンクの文字盤には桜の花びらのようなテクスチャーが刻まれており、グランドセイコーの得意とする光と影の演出によって、花筏の花びらの重なり合いを完璧に再現しています。
ムーブメントにはスタンダードな3日巻スプリングドライブが採用。優雅で流れるような運針は川面を花びらが流れるイメージをより強調します。
立夏の爽やかな風と揺られる緑を表現「SBGH271」
ささやかな夏の気配を感じる、5月初頭の「立夏」の節気をモチーフとしたモデルです。
本格的な夏に向けて、いよいよ生い茂るばかりの草木、その青々とした緑色が見事に文字板に表現されました。
日本ではこの季節に吹く爽やかな風を「薫風」と呼び、決してフラットではないディテールの刻まれた緑文字盤からは薫風に揺れる木々が連想されます。
インデックス、針には金色が採用され鮮やかなコントラストを演出。木漏れ日のようにも感じさせる意匠となっています。
ムーブメントには外圧に優れ、安定した精度を誇るハイビートムーブメントが採用されています。
エレガンスコレクション
グランドセイコーのエレガンスコレクションは、手巻き式、ノンデイト、革ベルトを採用したクラシカルなモデルや、貴金属をふんだんに用いたモデルが多くラインナップされている、ドレッシーな印象のあるシリーズラインです。
エレガンスの名の通り気品あふれる優雅なモデルが立ち並ぶシリーズには、24節気シリーズの醸し出す四季、自然の美しさがこれ以上なく当てはまるというものでしょう。
ちなみに、エレガンスコレクションの24節気シリーズの共通点として、GMT機能の搭載が挙げられます。それにより盤面には24時針が追加され、そのアクセントカラーによってコンセプトの表現がさらに奥深いものとなっています。また、全てのモデルに同じデザインの38mm径ケースが採用されており、シンプルかつクラシカルなフォルムで、季節の魅力を強調するようになっています。
春分の生い茂った緑と芽吹きを表現「SBGJ251」
テーマは「春分」。昼と夜の長さが同じになり、本格的な春の訪れを感じる季節を表現した一本です。
グランドセイコーでは珍しい緑文字板には細やかなディテールが刻まれており、森林のように表情豊かな盤面が魅力的です。GMT針は山桃のような桃色で染められ、芽吹きの季節を象徴しているのもポイント。実用性に優れるハイビートムーブメントが採用され、機械式時計としても十分な性能を有しています。
こちらのページでも詳しくご紹介しております。
初夏の風に揺れる水面を表現した「SBGJ249」
初夏あたりの節気「小暑」に吹く、白南風(しらはえ)と呼ばれる風で揺れる水面を表現した涼やかな一本です。
さざ波を表現した文字板は大胆な凹凸によって巧みな陰影が作り出されており、光の反射でさまざまに表情を変える飽きさせない一本です。こちらもGMTハイビートモデルとなっており、10振動の細かなビートが、さざなみのような情景を想起させてくれます。
こちらのページでも詳しくご紹介しております。
秋の夜長を体現する静かなモデル「SBGE271」
夏が過ぎ、少し肌寒くなった初秋の節気「寒露」。
急に長くなったように感じる秋の夜を巧みに表現する落ち着いた雰囲気のモデルです。静寂にふける「良夜」をイメージした文字板は決して黒一色ではない夜空を表現しており、雲の切れ間から覗く月をイメージした黄色の差し色も見事にマッチしています。
ムーブメントにはGMT搭載のスプリングドライブが採用され、夜の文字板を滑るように進む秒針からはなんとも言えない情緒を感じとれます。
降り積もった雪に差し込む夕日を表現「SBGE269」
本格的な冬の訪れを予期させる一年で最も昼間が短い「冬至」。
雪が止み、ふと日の暖かさを感じられる「雪晴れ」を表現した一本です。文字板には細かい砂地模様で降り積もった雪が表現されており、ピンクゴールドの24時針は差し込む夕日のような印象を受けさせます。
人気モデルの「雪白」とは一味違った、砂地のような雪の表現に注目です。
ムーブメントにはGMT搭載のスプリングドライブが採用され、実用性も十分です。
レディースモデル
近年再評価を受け、人気が高まってきているグランドセイコーのレディースモデル。そこにも24節気をモチーフとしたモデルが登場しています。
レディースモデルでは特に季節ごとの象徴的な花にフォーカスが当てられており、色鮮やかな盤面が魅力的なモデルが出揃います。一つずつ見ていきましょう。
なお、レディースモデルは共通して、クォーツムーブメント「Cal.4J51」が搭載されており、使いやすモデルになっています。
桜モチーフのフェミニンなモデル「STGF351」
「春分」のころ、新たな生活の始まりを予感させる季節に咲き始める桜の花。
その年に初めて咲いた桜の花である「初桜」を盤面に落とし込んだ愛らしい一本です。
桜色の白蝶貝を採用することで文字盤に花びらのような色合いを表現し、そこにピンクゴールドの針とロゴをあしらうことで桜の華やかさを全体で表現しています。
また、レディースモデルらしくジュエリーウォッチとしても最高峰。インデックス、ケース周りにはダイヤモンドをふんだんに使用。特に外周部は大小異なるダイヤモンドがアーチ状にセットされており、歪みのない仕上げのケースと合わせて輝かしい一本が完成しています。
こちらのモデルはセイコー創業140周年記念モデルで、140本限定となっています。
梅雨の季節を彩る鮮やかな一本「STGF353」
本格的な夏が近づく「小暑」。
梅雨でどんよりとしそうな生活に、文字通り花を添えてくれる紫陽花(あじさい)をモチーフとした鮮やかな一本です。
文字盤には目が覚めるような青色の白蝶貝が採用され、ダイヤモンドのインデックスとはっきりとしたコントラストを見せています。
こちらも春モデルと同様にアーチ状にダイヤモンドがあしらわれ、ジュエリーウォッチとしても着用者の手元にエレガンスを演出します。
春モデルのように愛らしさを演出するのではなく、女性の冷静さ、知性を引き立てるモデルで、自立した女性の強さを演出します。
こちらのモデルはセイコー創業140周年記念モデルで、140本限定となっています。
暖色で合わせやすい便利な一本「STGF355」
草木の色がより鮮やかになり、だんだんと肌寒くなる「寒露」の季節。道すがらふと金木犀が香り、秋の到来を感じさせます。
そんな秋の風物詩となっている金木犀をイメージしたのがこのSTGF355です。
ベージュの文字盤には中心から広がるように細かな刻みが入っており、盤面に金木犀の小さな花が咲いているような印象を受けさせる、チャーミングなモデルです。
12時位置とりゅうずには大きめのダイヤモンドが配されており、控えめながらも確かな存在感を示してくれます。
秋以降のファッションのアクセントとしても使える便利な一本であり、レザーブレスレットも合わせた一体感のあるベージュカラーは魅力的。手に入りやすい価格帯なのもうれしいところです。
雪の花をイメージした清らかな一本「STGF357」
一年で最も日の短い「冬至」。
この頃の雪が風に揺られながら落ちるさまを「風花」と呼び、澄んで張り詰めた空気に降り注ぐ雪は冬の情緒を”はかなく”彩ります。
ゴールドの秒針はまるで雪をきらきらと輝かせる日の光のようであり、雪面のような純白の文字盤はディテールを刻むことで雪の結晶のような表情を見せてくれます。
秋モデルと同様に12時位置とりゅうずにダイヤモンドをあしらっており華やかさの演出もこなします。
ホワイトレザーに純白の文字盤、歪みのない仕上げのケースで構成された穢れなき腕時計は、女性らしい凛とした美しさと清らかさを引き出してくれることでしょう。
まとめ「日本特有の審美感を体現した24節気シリーズ」
いかがでしたか。
ここでは、グランドセイコーの誇る審美感を体現する24節気シリーズ12本を、まとめてご紹介いたしました。
グランドセイコーの最も人気を誇るモデルが雪白文字盤を採用した「SBGA211」であるように、グランドセイコーの自然に対する表現は世界中で高く評価されています。
そんなグランドセイコーが盤面で季節を表現したこの24節気シリーズも、間違いなく逸品揃いとなっています。
ぜひ一本手に取ってグランドセイコーの審美感をその手元で演出してみませんか。