タイトルジンの文字盤を正面から写した画像

ドイツのウォッチメーカー『Sinn(ジン)』の特徴とは?
ブランド紹介や特殊時計と呼ばれるシリーズを解説

パイロットウォッチやダイバーウォッチなどを生み出し、プロフェッショナルから支持を得るジン(Sinn)。
生涯のパートナーとして信頼できるモデルを数々生み出すドイツのウォッチメーカーです。

2019年には東京に日本初のSinn専門店がオープン。
世界をまたにかけるジンですが、その人気の理由をよく知らないという方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、ドイツのウォッチメーカーSinnに焦点を当てていきます。
ブランドの紹介から特殊時計といわれる特徴、驚異のテクノロジーまで紹介。
デザイン性はもちろん、何を置いても機能性重視という方はぜひ注目してみてください。

 

 

Sinn(ジン)のブランド紹介について|
タフな特殊時計を生み出すドイツブランドの歴史

ジンのロゴ画像

認知性と機能性、そして極限状況でも抜群の精度を維持するーそう掲げるのが、ドイツのウォッチメーカーSinn(ジン)です。
日本語で「ジン特殊時計会社」の名前を持つ、窮地で活躍するプロユース時計のパイオニア的存在。
その革新性と伝統的な職人技との融合は目を見張るものがあります。

ジンは、1961年にドイツ空軍パイロット兼飛行教官であったヘムルート・ジンにより設立されました。
戦闘機のコックピットクロックの製作をはじめ、宇宙で自動巻きの腕時計が作動することを世界で初めて証明したことにより、ジンのパイロットウォッチは大きく飛躍します。

1994年には、スイスの名門ウォッチブランドのエンジニアも務めたローター・シュミットがジン社を継承。
優れた耐磁性能を実装したモデル244が誕生したことを発端に、独自のテクノロジーを駆使した腕時計は更なる飛躍を遂げていきます。
そして現在も認知性と機能性の飽くなき追及は続いており、一線で活躍するプロフェッショナルの注目を集め続けているのです。

 

 

Sinnウォッチの特徴|窮地を救う高い視認性

ジンフランクフルトの文字盤を拡大した画像

精巧なジンウォッチの特徴といえば、高い視認性をもたらす自社改良のムーブメントです。
ジン社特別開発のSZ01は、60分積算計×センター配置の工夫を凝らしたクロノグラフ機能を搭載。
クロノグラフの名機ともいわれるレマニア5100ムーブメントに由来する、読み取りやすさが自慢です。
さらに60分積算計をオフセンターに配置した後世のSZ02は、その完璧な視認性からダイビングウォッチシリーズやEZM13シリーズなど、多くのプロユースモデルにも採用されています。

その他、バルジュー社のムーブメントを基盤にしたSZ03は、52週の暦週表示が印象的なキャリバー。
SZ05は無駄なものを一切省いたシンプルレイアウトで、ダイヤル表示の明確さが特徴的です。
さらにムーンフェイズとフルカレンダー表示を搭載したSZ06なども加わり、クォーツショックを経ても尚揺るがぬジンのSZムーブメントは、刻一刻を争う窮地でのニーズを満たしています。

 

 

Sinn独自のテクノロジーについて|特殊時計たる由縁8項目

ジンの黒文字盤を横向きに置いた画像

以下では、度重なる技術開発の結晶「ジン・テクノロジー」を紹介します。
現実に起こり得る状況を想定した耐久試験をクリアした、世界で一目置かれるジンウォッチの技術に注目してみてください。


Sinnの特殊時計を確立させた技術(1)|5000mの防水性

ダイバーズウォッチとして高い評価を得る由縁は、5000mにものぼる防水性能にあります。
防水性のカギを握るのは耐圧性能であり、海の底では外気圧と内部気圧に差が生じて時計のケースが割れてしまうこともしばしば。
しかしジンでは、ケースの内部圧を海水や淡水と同程度にする特殊オイルを導入し、ケースに厚みをもたさなくとも高い防水性能を勝ち得ています。
この特殊オイルは光の反射による視認性の低下を防ぐこともでき、ダイバーズウォッチとしての価値を高めるテクノロジーです。


Sinnの特殊時計を確立させた技術(2)|パーツの円滑さを保つ除湿機構

ムーブメントを湿気から守るのが、ジンの除湿機構・Arドライテクノロジーです。
ドライカプセル・EDRパッキン・プロテクトガスの充填の、3つの技術を集結させることにより、時計の精度を揺るがす湿気や水蒸気の発生による潤滑オイルの劣化を防止。
この除湿機構の中心となるドライカプセルには、ケース内の湿気を除去する特殊乾燥剤が入っています。放電腐食を防ぐための、プロテクトガスの充填に伴う水分もきっちり吸収。
本体付属の青色表示により、吸収した水分量がひと目で分かるようになっていることも使い手に親切なポイントです。


Sinnの特殊時計を確立させた技術(3)|特殊オイルによる精度維持

ジン独自の特殊オイルは、ムーブメントのパーツの動作も妨げません。
通常の潤滑オイルでは−25℃に達すると粘度が高くなり精度が危ぶまれるところ、自社開発の特殊オイルは−66℃の低さから+ 228℃まで対応可能です。
これら特殊オイルを使用した時計は、-45℃と+80℃下での検品をきっちり行ってから出荷。
ドイツ工業規格の掲げる刻時精度を維持することにも成功しています。


Sinnの特殊時計を確立させたテクノロジー(4)|優れた耐磁性

磁気が時計に与えるダメージは、驚きの80,000A/mという防磁性能で万事解決。
時計ケースが分厚くなる軟鋼性のインナーケースではなく、軟鉄を使用したマグネチック・フィールド・プロテクションを独自導入しています。
ムーブメントを囲う軟鉄製のリング、そして文字盤と裏板にあしらわれた軟鉄性の素材が磁気を遮断。
クリップを近づけても一度も引き寄せられません。


Sinnの特殊時計を確立させたテクノロジー(5)|高硬度による耐傷性

物理的な衝撃から時計を守るのが、デギメントとコーティング技術を融合させたSinn独自のテクノロジーです。
素材そのものを硬化させるデギメントをベースに、PVDコーティングを組み合わせた「ブラック・ハード・コーティング」を採用。
表面の高い硬度が材質の基本硬度へと移行していく性質を持つことから、一部に強い衝撃が加わっても基材がたわむことがありません。
この性質により、着色層の剥がれを防ぎつつ、更なる耐傷性をもたらすPVDコーティングが実施できるのです。

Sinnの特殊時計を確立させた技術(6)|ムーブメントの精度維持

機械式時計に欠かせない、オーバーホールの延長を叶える技術・ディアバルも見どころです。
精度を保つ最も重要な部位であるガンギ車に、特殊な加工を施すことで部品同士の摩擦を抑制。
脱進機の精度を保つことができ、3〜5年に1度程度が適当なところ、約2倍にも延ばせるようになっています。


Sinnの特殊時計を確立させた技術(7)|断固外れない回転ベゼル

はめ込み式ではなく、独自の特殊結合方式を取り入れた回転ベゼルにも注目。
絶対に外れることがなく、Tシリーズではベゼルの2か所を押し下げるまで回転しません。
さらにT1・T2では、不意な衝撃による回転を防ぐ安全システムも搭載されています。


Sinnの特殊時計を確立させた技術(8)|電磁波を徹底遮断

文字盤に「Q」マークがつけられたモデルには、クォーツ・ムーブメントの電磁波を最小限に抑えるテクノロジーが活かされています。
ムーブメントを特殊合金で覆い、電磁波の漏れ出しを阻止。
クォーツ時計から発せられる、微弱な電磁波をも懸念する人に向けて開発された画期的な技術です。

 

 

まとめ|Sinnの高品質なドイツ製特殊時計をぜひその手に

ジンの黒文字盤を横向きに置いた画像

雲の上や海の中、緊急医療における現場で活躍するSinの腕時計。
無駄を削ぎ落したシンプルなデザイン性に加え、視認性と機能性の高さを備えた時計は手に取ってみる価値ありです。
数あるテクノロジーを駆使した1本を身に着け、ライフスタイルをより豊かにしてみてはいかがでしょうか。