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ムーンウォッチの新たな解釈が生んだ「 漆黒の月 」

このブラックセラミック製のスピードマスターは月の裏側(ダークサイド)を自らの目で見たアポロ8号の宇宙飛行士たちに敬意を込めて作られました。

アポロ計画のオフィシャル時計として同乗した「スピードマスター プロフェッショナル」がベースモデルになっていて、安定調和だったスピードマスターシリーズに別次元の世界観が垣間見えます。

 

 

究極とは理想ではない、オメガの技術力はそれを具現化する

黒の文字盤の時計をつけている様子

スイスのとある小さな村の時計職人、ルイ・ブラン。
その彼から始まる後の世界最高峰の精密時計企業「オメガ」がこの地に産声を上げました。

後にルイの遺志を継ぐ2人の息子たちはついに1894年、「最高の達成」という意味を持つ「オメガ」というムーブメントを誕生させました。
髪の毛の太さほどの部品が用いられた精密なムーブメントは驚愕に値しますが、本当の真価はそのメンテナンスのし易さだと言われています。

以後1900年のパリ万国博覧会でのグランプリ、ロサンゼルスオリンピックで全競技のタイムキーパー、軍やNASAの公式時計としての供給、そしてマリアナ海溝の最深部や極寒の極点や無重力の月面へも進出していきます。
これらは全て精度と耐久性と視認性を極限まで高めた技術者の努力の結晶です。

誕生から今までオメガは幾度も前人未踏を成し様々な奇跡を起こしてきました。
それでもなお立ち止まらず進み続けられるのは、オメガ社が掲げる「究極へのこだわり」ではないでしょうか。

 

 

安定調和へ横断的に重なり存在する 黒のパラレルワールド

黒の文字盤の時計をつけてリューズを写している様子

ケースやダイアルなど幾つかの部品は酸化ジルコニウムを原料とするブラックセラミック製。
セラミックは重量がステンレスの半分・摩擦や傷や化学反応に強い・アレルギーを起こしにくい・環境に優しい・非磁性である点で優れた素材です。

ラバーがブラウンの時計をつけている様子

これまでのスピードマスターはケースやストラップにステンレススティールを使いシルバー色がメインで配色されて、高い実用性を大切にするオメガの理念をそのまま形にした実用的に優れたデザインが多くありました。

しかし今回のシリーズはこれまでの方向性とは全く違った印象を受けます。
ただしこれは方向性を大きく転換したのではなく、これまでの方向性を再度解釈し直したことで新たな一面を発見してしまった、という表現が近いでしょう。

後ほど各モデルをご覧いただくと分かりますが、この試みは完全に成功したと言えるのではないでしょうか。

 

 

地球と宇宙を繋ぐテクノロジーがこの小さな筐体に整然と並ぶ

シースルーバックを写している様子

ムーブメントはコーアクシャル キャリバー9300を搭載。
耐磁性があるシリコン製ヒゲゼンマイのフリースプラングテンプ、2つの香箱が並列に配され両方向への回転自動巻き、アラベスクのコート・ド・ジュネーブ装飾とロジウムプレート仕上げ、60時間ものパワーリザーブ、モース硬度で9のサファイアクリスタのガラス、防水性能5気圧など最高位モデルと呼ぶにふさわしい贅沢なスペックです。

裏面はもちろんシースルーケースバックで精細なムーブメントの仕事ぶりを眺められ、エッジ部分には「The Dark Side of the Moon」の文字が刻印されています。

ブラックセラミック製ダイアルはサテン仕上げとポリッシュ仕上げを使い各部位のエッジが際立ち、同じくブラックセラミック製で少し大き目の直径44.25mmのケースに収められます。
黒色は収縮色とも言われモノをコンパクトに見せる効果があります。
実際は少し大きいのでその分視認性が上がったのに大きく見えないのはその色彩効果のおかげです。
そして黒一色の中にも仕上げや風合いを分けることで光を受けた時は特に立体感や視認性が向上します。

このシリーズの大きな特徴はメタルストラップを別の素材に置き換えたという点です。
宇宙空間と月の影の部分が暗色で馴染む様子を表現するのに金属の反射が不要だったのかもしれませんね。
ストラップの素材は表面が光を反射しないよう加工されたナイロンとレザーに絞られました。

 

 

黒の可能性に迫る 見たこともないほど多彩な明暗と表情

バックルを写している様子

黒色は色彩の三原色が全て混ざって生まれまたどの色にも染まりません。
そして黒色には威厳や高級感があるのに加え他の色を引き立てて前に押し出す効果があります。
色彩の調合を楽しむような高級ブランドのプロダクトに黒色が好んで使われるのはその為です。

 スピードマスター ダークサイド オブザムーン はこんな方にこそお勧めしたい。

・従来のスピードマスターにはない新しい雰囲気が気になる方
・黒が大好きで全身を黒でコーディネイトしたい方
・センスやカリスマ性や重厚感を演出したい方
・腕時計は正確さや耐久性が最も大切だと思われる方
・オメガという歴史ある正統派ブランドの腕時計を身につけたい方

 各モデルのコンセプトや特徴をもう少し見ていきましょう。

ダークサイド オブ ザ ムーン

ダークサイドの時計を4本四角形方向に並べて写している様子

このモデルがこのシリーズ中で最も黒色以外の色部分が多いモデルです。
見た目は従来のスピードマスターそのものですね。
ストラップがナイロンの分だけ軽快でアクティブな印象を受けます。
ベゼルにダイヤモンドをセットした煌めく新バージョンモデルも存在します。

セドナ ブラック

マットブラック色の文字盤の時計を写している様子

このシリーズ中このモデルのみ黒ではなくグレーのダイアルカラーでそこにレーザー加工された黒の目盛りが刻まれます。
18Kセドナゴールド製の針とバーインデックスは背景の暗色に押し出され浮かび上がるようです。

ピッチ ブラック

ピッチ ブラックの時計をつけている様子

タキメータースケールやインデックスにスーパールミノヴァという夜光塗料を塗布してあり正に月光のように青く優しく光ります。
黒のマット仕上げの背景に針と目盛りの夜光塗料が何とも言えない統一感を演出してくれています。

ブラック ブラック

ブラック ブラックの時計を写している様子

完全な静寂に包まれた宇宙空間のようです。
お世辞にも視認性が良いとは言えませんが、本当の意味で黒に振り切った黒尽くしがここにあります。
シリーズ中で最も熱狂的な支持を集めるのもおそらくこのモデルでしょう。

ヴィンテージ ブラック

ヴィンテージ ブラックの時計を写している様子

時を重ねながら使い込まれムダが削ぎ落とされたような安定感を感じませんか?
黒ベースにアースカラーが重なり安らぎや落ち着きがイメージに加わっています。
出すぎないこだわりが何ともオメガらしいと言えます。

 

 

「自分自身を超えていく」あなたに訪れるブレイクスルーの予感

スピードマスターの時計をつけて写している様子

実は待っていたのかもしれません。
でも無いだろうと思っていました。

ここまで黒を全面に押し出したシリーズをまさかオメガが、そんな気持ちの良い裏切りに出会えた驚きの感情がこのシリーズを更に崇高なものへと押し上げます。
オメガにとっての特別なシリーズであるスピードマスターが新たな解釈と可能性を携えて別次元のストーリーとして世界に放たれました。

技術を高め尽くし腕時計の完成形を見たと思った我々をオメガはまたもやあっさりと超えていきます。
それは進化に終わりはないとオメガ自身が信じているからこそでしょう。
このシリーズが辿った軌跡を自分自身に重ねる事が出来たら私たちはもっと自分の可能性に期待できるような気がします。

自分を勇気づけ力を与えてくれるお守りのような時計は誰にでもあります。
それがこのシリーズなのか、ぜひご自身で確かめてみてください。