タイムレス ジャパノロジー
どこの国に行っても、技術が均一化しているせいか場所の特殊性を感じられなくなっています。
日本でしかつくれないものとは、日本人の中に連綿と受け継がれる感覚を呼び覚ますものであってほしい。
建物と庭をつなぐ間、朽ちていく美、細部に神が宿るという精神性。
日本人であれば言葉にしなくても即座に共有できる知性や感性が表出されたものを創りだすにはどうすればいいか。
そのような想いから、造型を探究し、ザラツ研磨の技を切磋してきました。
さらに伝統工藝の文化価値を表層的に搾取することのないよう、一千年の系譜を受け継ぐ名工との対話による共同作業を大切にしています。
MINASEのコレクションは、あなたの心に時を超えて受け継がれる日本人の誇りや情熱や息づかいを語りかける存在になっているでしょうか。
MINASEの工場がある、秋田の山深い渓谷を流れる皆瀬川のせせらぎを感じ取っていただけたら嬉しいです。
代表取締役 鈴木 豪
なぜ、提げ時計を製作したのか。
日本の匠の技を、最もMINASEらしく表現するものとして、頭の中に浮かんだのが、提げ時計でした。
蒔絵の細工、日本刀の錆、ザラツ研磨のエッジを手の中で『愛でる』ために造られた12角形のフォルム。
『愛でる』とは、日本固有の美に対する感性であり、美しさを放つ存在に心をときめかせ、質感を味わい、愛情を持って慈しむことを意味しています。
MINASEの時計が、世界の人に愛でられる存在であり続けたいという思いを込めました。
蒔 絵
蒔絵は、日本で独自に発展した漆の芸術です。
漆で文様を描き、それが乾かないうちに金粉や、朱黄緑などの色粉を蒔きつけ、文様を表します。
その歴史は古く、日本最古の物語とされる「竹取物語」に記載があり、9〜10世紀の平安時代にはすでに行われていたと考えられています。
文字盤に使用される真鍮の板に焼き付けを行い、表面を研ぎ出した後、漆を塗り、乾燥させて、また漆を塗るという作業を繰り返して下地をつくり、その上に金粉を蒔き、漆を塗り乾燥させて研ぎ出すとい作業を再び繰り返します。
一枚の文字盤が仕上がるまでに数ヶ月かかります。
そこに宿るのは、忍耐と精緻さ、そして幾世紀にもわたり磨かれてきた匠の伝統です。
アサギマダラ
アサギマダラは、アジアの海や大陸を超えて、1500キロの旅をする蝶です。
白みがかったアサギ色のステンドグラスのように美しい羽を持っています。
アサギマダラの文字盤には、提げ時計が日本と海外を行き来する存在として文化の橋渡しになってほしいという漆芸家 箱瀬氏の思いが込められています。
蝶の羽の白い部分は、輪島に受け継がれる卵殻という技法が用いられます。
漆の樹液には色があり、純白を描くことが難しいため、うずらの卵の薄い殻を細かく砕き、蒔絵のように置いていく技法です。
小さな四角の窓は、街の灯りを見立てています。
日本刀 黒錆
日本刀の持ち手のことを、茎(なかご)と言います。
通常は柄(つか)に隠れる部分ですが刀を鑑賞し、お手入れする時は茎を持ちます。
このときに手の脂などが茎に付着し、年月を経て深みのある黒錆に覆われていきます。
黒錆には赤錆の発生を防ぐ目的がありますが、むしろ黒錆を眺めれば刀匠の腕前がわかると言われるほど、日本刀の価値を判断する重要な部分です。
鑑賞し、お手入れを重ねるにつれて錆の色合いが変化していく様を楽しむ。
まさに黒錆は、日本の愛でる文化の象徴と言えます。
最も良い色とされるのは紫がかった深い黒の羊羹色です。
提げ時計の裏蓋と提げ環の部分は、玉鋼を叩き上げた和鉄に刀匠が心血を注いで黒錆を施しています。
錆の色合いが深まるのは50〜100年後です。
日々、提げ時計を触り続けて錆を育ててください。
日本刀 玉鋼
玉鋼(たまはがね)とは、日本刀の材料になる(材料として生産される)特別な鋼です。
日本の古式製法、たたら製鉄によって精錬された鋼の中でも炭素含有量が少ない良質なもの(不純物が極めて少なく、炭素含有量が1%前後の均一な鋼)をこう呼びます。
刀匠は、木炭が燃え盛る高温の炎の中で玉鋼を赤々と熱し、槌で平らに伸ばし、層に折り畳むという工程を何度も繰り返します。
叩いて、叩いて、叩き続けるうちに鉄が燃え尽き(不純物と鋼が燃えて)、もともと7〜8kgあった玉鋼は、最終的に700g(1kgほど)の高純度の鋼へと鍛え上げられます。
こうして鍛えられた鋼を、皆瀬工場で裏蓋と吊り環に加工し、それを再び刀匠のもとに送り、錆をつけては削る作業を何度もくり返しています。
まさに日本刀と同じ鋼を使って裏蓋・提げ環を製作しました。
『秋田杉』製スペシャルボックス
提げ時計には、秋田杉を使用した特製ボックスが付属します。
本ボックスは、皆瀬工場の近隣にある木工メーカーにより製作されたものです。
蓋にはMINASEのロゴと漢字表記の「皆瀬」の焼き印が施され、素材の温もりとブランドの存在感をさりげなく表現しています。
ボックス内部にはウォッチスタンドを収納することができ、提げ時計の保管用としてはもちろん、ジュエリーボックスとしてもお使いいただけます。
時計スタンドと付属品
台座と支柱からなる時計スタンドは木製です。
皆瀬工場の近くにある木工メーカーが製作し、箱瀬氏がひとつひとつ漆を施しています。
先端の金属オーナメントはステンレス製でケースの多面体形状をインスパイアし、全ての面にザラツ研磨が施されています。
さらに、長短2本の組紐と、革製のポーチが付属します。
※ この商品は受注生産品です。お渡しまで約半年から1年程度かかります。
モデルバリエーション
- 191565094
- 191565319
- 191565396
当ネットショップで取り扱っているモデルはお取り扱い品の一部です。
さらに豊富なラインナップはハラダ本店店頭でご覧いただけます。